表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/37

召集令状

「部長の吉田です。よろしく」

と軽く一礼。

「君たちは奥田監督の言う通り本当に優秀な選手達だ。だからこそ練習に励んでもらうため、練習について説明したいと思う。」

そう言うと、封筒の束を取り出し1人1人に配りだした。

「封筒には大事な書類が入っているから無くすなよ、無くしたらシャレにならんぞ。んで、中身がちゃんと入っているか見て欲しい。」

封筒をあけると、普通の紙が2枚(両面、片面1枚ずつ)、黄色の紙、薄紫色の紙、が入っていた。

吉田部長に曰くそれらが揃っていればよいとのこと。

「あと…」


と俺たち新入部員をじっと見渡し


「赤い紙が入っていた人はミーティングが終わったらその紙に書かれている場所に来てほしい。話があるのでな。」


おお、怖ぇ…。赤い紙で呼び出しってもはや召集令状じゃねぇかよ…と下らないことを考えながら念のため封筒の中を漁ると、ある。例の赤紙、召集令状。

あ、終わったな…これ、絶対怒られるやつやん…。俺は小さくため息をついた。


「まぁ、赤い紙の件は置いといて、片面の白い紙を出して欲しい。合宿についてだ。えー、ここの野球部は毎年1年生だけの2泊3日合宿がある。まぁ、学校の宿舎に泊まるんだがな。日時は今週の土日だ。詳細は紙に全部書いてあるからいちいち説明はせん。親御さんにきいて明日までに出席の確認をして監督か私に出すこと。いいね?」


はい!と皆、返事をする。実に元気がいい。


「よろしい。あとはコーチの黒木がグラウンドで練習の説明をするから付いて行きなさい。」


吉田部長は年を押すように


「それと、赤い紙が入っていたひとは場所を確認しただろうから黒木コーチについて行かず、すぐに集合すること。いいね?」


今度は返事がない。全員が該当する訳ではないから無理もないだろう。


「あ、別に怒りゃあせんから別に安心してええんやぞ。それじゃミーティング終了!」


ありがとうございました と各々挨拶を済ませ取り敢えず全員が階下へ。初対面の人も多いから話す訳もなくみんな緊張している。誰に赤紙が配られたのか気になる人も多いはずだ。もちろん、俺もその1人。当事者だから気にならないはずがない。


集合場所には、「エントランス」と指定されてたが、いかんせん九玄坂高校(ここ)は広い、場所も分からぬ。迷っている俺を見かねてか部長が「おい、お前何をやっとる。」と、声をかけてきた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ