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1番の世代

「えー、どうも監督の奥田です。」

奥田監督の挨拶で予定通りミーティングが開始された。


「君たちは私が見てきた限り15年に1度、いや歴代で1番の世代かもしれません。本当に優秀な選手が本校に集まってくれました。ありがとうございます。」


俺が辺りを見渡すと皆が「ふーん、まぁ社交辞令だろうな…」と感じているようにみえる。特に驚く様子もない。俺も同意見だ。


「信じてませんね?」

と眼鏡越しでこちらを見渡す監督。


「そもそも、ここにいる20人は程度の差はあれど全員特待生です。これは本校野球部史上初のことなんです。」


なるほど1年生全員が特待生。つまり、特待生集合=1年生集合ってことか…そら特待生に関する連絡はしないはずだ。まぁどうせ、ほとんどの奴らは大したことないんだろうけど。


「本当に凄い選手が集まってくれました。まずU-15日本代表に選ばれた投手に、出塁率6割を超え、駆け引きの上手い捕手、」


山縣と佐々木のことか。辺りは少しどよめいている。そして元九州選抜の俺のことには触れてくれないのは少しもどかしい。


「軟式野球全国大会で完全試合をした投手、打率4割を超えた巧打者、彼ら3人をキャプテンとして全国ベスト4に導き大会ベストナインに輝いた選手。」


彼ら3人とは佐々木、完全試合男、打率4割の巧打者のことである。


完全試合と聞いて、どよめきがなおのこと大きくなる。俺も完全試合はしたことがない。そしていよいよこの辺りで自信を喪失した顔をした奴もいる。


「さらに高校生顔負け、いやそれ以上に守備が上手いセカンド、走攻守揃ったセンター、九州選抜に選ばれた投手…」


やっと俺のことに触れてくれたか…と、どよめく声を聞いて優越感に浸っていたがそれは長く続かなかった。


「そして、打球の飛距離が130m乗る打者など…」


ひゃ、130メートル!?嘘だろ…クラブチームを引退して昨冬鍛えまくった俺でもせいぜい120メートルくらいだ…。正直に言うとパワーには誰にも負けないと思っていたがどうやら凄いヤツがいるらしい。


さすがに周囲が少し騒がしくなってきた。


奥田監督が咳払いをし、静かにさせる。

「えっへん、騒がしくなるのも無理もないでしょう。これだけ素晴らしい選手が入学するんですから。しかし高校野球は舐めてたら駄目です。」


そりゃそうだ。甲子園常連校でさえ、有り得ない逆転負けを喫することは多々ある。


「それに、過去の栄光に浸ってろくに練習しなかったら当然スタメンなんて夢のまた夢です。特待だって平気で剥奪されます。逆にきちんと練習すればスタメンは充分狙えます。私はあなた達の持つ素晴らしい才能をドブに捨てて欲しくありません。」

と締めくくった。


話が終わったのも束の間、今度は部長の

吉田から練習についての話があるらしい。


「えー、部長の吉田です。よろしく…





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