85.たまには真面目にレベル上げです!
ガイルさんから頼まれたポーションも、昨日作り終えたので今日は全力でレベル上げです。
今日の布陣はアクアの代わりに豆太郎を入れてみました。
豆太郎に回復を任せて、ボクは攻撃に専念ですね。
まあ、主に魔法攻撃ですが。
やってきたのは、やはり還らずの森。
結構奥地のほうまで入っていけば、敵のレベル帯は約30になるのです。
この状態で、モンスターを乱獲すれば経験値がウハウハなわけですよ!
っと、早速ゾンビの一団が出現しました。
ゾンビは【光魔法】や【神聖魔法】に弱いので、サクサク倒していきますよ。
そして、戦闘が終わったら、わざと回復魔法を使ってスケルトンホイホイです。
釣られてやってきた、スケルトンを倒し、また回復魔法を使う。
MPが尽きるまでは、この方法で経験値を稼ぐのです!
ブレスもダークも元ボスですし、とっても強いです。
そこに、豆太郎も加わっているので、殲滅速度がすごいことになっていますよ。
「ふむふむ。これなら一時間くらいは狩り続けられそうですね!」
ブレスのMP消費だけが気がかりですが、その程度であればMPポーションでどうにでもなります。
いまは、とにかく経験値を稼ぐことだけを考えるのです!
結局、一時間ほどモンスターを狩り続け、一度セーフティエリアで回復です。
消耗しているのは、主にブレスのMPと黒号のHPですね。
どちらも持ってきたポーションで回復してしまいましたので、今すぐにでも続きにいけます。
ただ、精神的な疲れというのはすぐに回復しないのですよ。
そうして、一時間ほどのんびりしたあと、再度スケルトン狩りに出発です。
今度も回復魔法によるスケルトンホイホイで高効率狩りです。
たまには狩りというのも楽しいですね!
そんな感じでモンスターを狩り続けていたその時、いきなり見たことのないモンスターが出現したのですよ。
顔には般若の面、両手には鉈、体にはズタボロのローブを身にまとってる姿は、不気味以外のなにものでもないのです。
そのモンスターは、いきなりブレスに斬りかかったと思ったら、ブレスがいきなり戦闘不能になりました!
黒号よりも下手したら頑丈なブレスを一撃って、一体どんな攻撃力なのかな!?
「グォォォォ」
「ええい、不気味ですね! ……でも勝てる気がしないので逃げるのですよ!」
ブレスがあんな簡単に負けるということは、いまのボクたちで勝てる可能性は皆無です。
ここは逃げの一手ですよ!
「ガォォォ……」
「ふぇ!? 移動力も早い!?」
逃げようと思ったのですが、思いっきり回り込まれてしまいました。
そして、両手の鉈を振り回されて、サクッと倒されてしまいましたよ。
……うん、これは勝ち目がないですね。
大人しく、死に戻りしましょうか。
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さて、デスペナでステータス減少している間は、まともに戦えません。
一緒に行動していた皆もデスペナ扱いですから、これは大人しくモフモフして過ごしましょうか。
「お、リーン。昨日はポーション、サンキューな」
「ガイルさん。こんにちはだよ」
「……なんだ? デスペナ中か? どうしたよ?」
のんびりしようとギルドに戻ったところで、ガイルさんとばったり出くわしました。
どうせ、デスペナが抜けるまで狩りに戻ることはできないのです。
ガイルさんならなにか知っている可能性もあるので事情を説明しますよ。
「……あー。スローターモンスターにやられたか」
「スローターモンスター?」
聞いたことのない単語ですね。
この機会ですし、聞いてみましょうか。
「スローターモンスターって、どんなモンスターなのかな?」
「一言でいえば、狩り場の独占を防ぐためのモンスターだな。同じパーティやギルドが同じ場所で狩りを続けていると、出現するモンスターなんだ。その周囲のモンスターに比べてメチャクチャ強くて、まず勝てない。動きも速いから逃げることも無理。出会ったら、全滅必須のモンスターだな」
なるほど、理解できました。
どうやら、同じエリアでひたすら狩りをしていたのが悪かったようですね。
「スローターモンスターに出会わないようにするには、どうすればいいのかな?」
「そうだな……。一時間半くらい同じ場所にいたら、たいてい出くわすな。おおよそ一時間同じ場所で狩りを続けたら、場所を変えることだ」
「なるほど……。参考になったんだよ、ガイルさん」
「おう。レベル上げ頑張れよ」
ガイルさんと分かれたら、家に戻ってモフモフタイムです。
デスペナが消えるまでは、このまま楽しむのですよ。
……ああ、毎日モフモフだけで過ごせればいいのですが、先のエリアにいる未だ見ぬモフモフも気になるというジレンマ……。
早く、この悩みを解消したいのですよ。
いつもお読みいただきありがとうございます。
毎回の誤字報告本当に助かっています。
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