84.装備を更新しましょう!
「リーンちゃん、やっぱりいたのね」
「あ、こんにちはだよ。ユーリさん」
シズクちゃんや豆柴と一緒にじゃれあっていたら、ユーリさんがやってきた。
さて、今日はどんな用事かな?
「……あら、豆柴なんて珍しいパートナーを見つけたわね。どこで手に入れたの?」
「還らずの森で呪いの儀式をしていたゴブリンを倒したあと、呪いの渦を消したら見つけたんだよ」
「そう。呪いの奔流系クエストっていうことは、ヒーリング豆柴ね」
「呪いの奔流系クエストって?」
ユーリさんの説明によると、呪いの奔流系クエストとは、さっきのゴブリンシャーマンみたいに呪いの儀式をやってるところを邪魔するクエストらしい。
もしクエストに失敗したり、一定時間クエストを発生させることができずに放置してしまうと、ちょっと強めの徘徊型ボスが出現してしまうそうな。
そして、クエストをクリアしたあと、呪いの元凶を消し去ると、たまにパートナー候補のモンスターが出現することがあるらしい。
豆柴以外にも、虎猫だとか、ハムスターだとか、そういった小動物系パートナーなんだって。
それは是非とも仲間にしたいのですよ!
「ただ、呪いの奔流系クエストって、ランダム性が高くって、簡単には遭遇できないのよねぇ……」
「そうなんだね……ハムスターとかもほしかったのですよ」
「周囲にモンスターが出現しなくなったら、呪いの奔流系クエストが発生している証拠だから、探してみるといいかもしれないわね。……発生率は本当に低いけど」
どうやら、狙って遭遇するのは難しいらしいですね。
気長に探すのが吉、というところでしょうか?
「ところで、ユーリさんは何か用があったのかな?」
「ああ、いけない、伝言があったのを忘れてたわ。シリルが、新しい装備ができたから取りに来て、だって。……シリルに聞いたけど、カースドジャガー素材を山のように持ち込んだらしいわね? そんなに戦ったの?」
「サーシャとボク、ふたりとも仲間にしましたからね。結構な数を倒してますよ」
「序盤で仲間にできるわりに、強いからね、カースドジャガーは。そこまで全力で仲間にしなくても、ドラゴンやグリフォンで困らないと思うんだけど」
「そこは、ほら、カッコいいですし、毛並みがすべすべで気持ちいいのですよ」
「まあ、そこは人それぞれよね。ともかく、用件は伝えたわ。またね、リーンちゃん」
「またなんだよ、ユーリさん」
ユーリさんを見送ったあと、もう少しだけじゃれあったら、シリルさんのところにいきます。
いつものようにシズクちゃんだけを連れていくつもりだったのですが、豆柴もいきたそうにじゃれついてきたので、こちらも連れいていくことにします。
シリルさんを探して、ギルドハウスの休憩室に行ったら、シリルさんがいましたよ。
早速、装備をもらうとしましょう。
「シリルさん、装備の受け取りに来たんだよ!」
「リーン、待ってた。それで、これが新しい装備。カースドジャガー素材がメインだから、黒系の衣装になったけど、そこは諦めてね」
「わかったんだよ。……おお、ステータスがかなり上がりますね!」
「ブルースカイ装備と比べちゃいけないと思う。あれって、ツヴァイファムの汎用素材で作った装備だから」
「なるほど。素晴らしい装備をありがとうなんだよ!」
「どういたしまして。それじゃあ、私はいくから」
ボクに装備を渡してくれたら、シリルさんは休憩室を出て行ってしまった。
シリルさんも、最近は新人向けの装備品作りが忙しいそうだからね。
そんな合間に装備を作ってくれたことに感謝ですよ。
「さて、いつまでも装備を眺めていたところでなにも変わりませんね。早く新しい装備に切り替えましょう」
ボクの新しい装備は、シリルさんが言っていたとおり、黒を基調とした服になってます。
トレッキングハットにブラウス、キュロットスカート、グローブにトレッキングシューズ。
見た目はいままでの装備と色違いといった感じで、あまり変わらないでしょうか。
ただ、所々に金色の糸で刺繍がしてあったりと、とても可愛らしく仕上がっていますよ。
さらに、防御力とかは、いままでの五倍くらいありますし、呪い耐性と闇魔法耐性、それから即死耐性なんてのも付いてます。
即死攻撃はいままで受けたことがありませんが、この先には出てくるんでしょうかね?
さあ、新しい装備を身につけたことですし、再度冒険の旅に出発……。
「くぅーん」
「おや、豆太郎。何か用事……って、口に咥えてる物はなんです?」
「くぅーん」
どうやら、口に咥えている物はボクへのプレゼントのようです。
そういえば、ネームドモンスターをテイムしたら、プレゼントがもらえるのでしたね。
さて、受け取ったアイテムの確認ですが……『豆柴のお守り』ですか。
デザインは、招き猫ならぬ招き豆柴ですね。
さて、効果は……おお、LUKが100も上がるのですか!
いままで使っていた、三日月兎のチャームの上位版ですね!
あと、アイテムドロップ率上昇なんて効果も付いてますよ!
これは、便利なアイテムです!
この子は本当に優秀ですね!
このアイテムも早速装備ですよ!
「さて、装備も整いました。冒険開始……」
「お、リーン。丁度いいところに」
冒険に行きたかったのですが、ガイルさんに引き留められてしまいました。
いったいなんの用事……ってガイルさんですから、ひとつしかないですよね。
「ガイルさん、またポーションが必要なのかな?」
「ん、そういうことだ。スマンが初心者ポーションと初級ポーション、作ってくれるか?」
「強力な武器ももらってるし、かまわないんだよ。ちなみに、料理はいらないのかな?」
「料理は、屋台で買ってるらしいから大丈夫だ。いかんせん、ポーションはなかなか手に入らなくてな……」
「了解したんだよ。早速、家に戻って作ってくるね」
「頼んだ。……装備変えたんだな、そいつも似合ってるぞ」
「ありがとうだよ。それじゃあ、またね」
「おう。……って、お前、豆柴を手に入れたのか」
ボクの足下にいた豆柴に、いま気がついたみたいだね。
まあ、ボクと目をあわせてたら気がつかないのも仕方がないかな。
「ついさっき仲間にしたんだよ。かわいいでしょ?」
「ああ、かわいいな。……ユーリのカッコいいパートナーを見ててもほしくならんが、豆柴みたいなパートナーはほしくなるな。癒やし成分がたまらん」
「あげないよ?」
「くれ、なんて言わんさ。それじゃ、ポーションよろしくな」
ガイルさんにも頼まれたし、今日はポーション作りで過ごすことにしよう。
冒険はまた明日からですね!
いつもお読みいただきありがとうございます。
毎回の誤字報告本当に助かっています。
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