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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第8章 シズクちゃん進化です!
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74.さあ、狩りのお時間ですよ!

 ユーリさんからいろいろと教えてもらって、ボク自身の準備も完了です。

 今日はとりあえず、新しく覚えた【火魔法】と【風魔法】メインでスキルを鍛えていきましょう!

 なお、パートナーたちの布陣は、タンクの黒号、物理火力のアクアとスズラン、魔法火力のシズクちゃんです。

 パートナーたちの目的は、アクアとシズクちゃんのレベル上げですね。


 そんなわけでやってきました、ツヴァイファム近郊の森。

 確か名前は【クルミの森】だったでしょうか?

 ここの森は、木の実がたくさん採れるのですよね。

 名前にもなっているクルミのほか、栗や柿なども手に入ります。

 季節感はごっちゃですね。


 さて、そんなクルミの森ですが、ぶっちゃけ、あまり人気がないスポットです。

 なぜなら、この近辺にはレベル帯に応じたダンジョンがふたつも存在しているためなんだよ。

 ボクよりレベルが低いなら『ゴブリンの集落』に、ボクと同じくらいのレベルなら『木漏れ日の森』に行く人がほとんどなのです。

 ボクがそちらに行かない理由は、フルパーティじゃないので、戦力が足りないためですね。

 サーシャもいれば、一緒に木漏れ日の森へ行くのですが……。


 まあ、いないことを嘆いていても仕方がないので、ここでレベル上げです。

 木漏れ日の森と違って、こちらは数の暴力はないですからね!


「お、早速第一ターゲット発見です! いけ、ファイアショット!」


 森に入ってすぐのところで見つけた犬型モンスター目掛け、【火魔法】の基本スキルを放ちます。

 ……うん、さすがに基本スキルだけあって威力が低いですね。

 犬はこちら目掛けて走ってきますが、黒号がしっかりとインターセプト。

 そして、動きが止まったところをアクアが攻撃です。

 これだけで倒せてしまいましたので、まだこの周辺は格下なのでしょう。


「ふむ、これでは骨がありませんね。経験値も少ないようですし、もっと奥に進みましょう」


 パートナーたちと共に森の中を突き進んでいきます。

 ときどき現れるモンスターたちは、その都度処理をして経験値になってもらいました。

 採取ポイントを見つけた場合は、しっかりとアイテムを採取して歩くことしばらく、森の雰囲気が変わってきましたよ。


「……確か、クルミの森の奥地は還らずの森でしたね」


 クルミの森の奥深く、生えている樹木の種類が変わったところから先は『還らずの森』と呼ばれるエリアになります。

 この先は、巨大化した食虫植物やアンデッドモンスターがはびこる場所ですよ。


「確か、境界線上のどこかに、転移用の女神像があると聞いていますが……、少し探してみましょうか」


 なんだかんだ、ここに到着するまで一時間くらいかかりました。

 死に戻りしてしまった時に備えて、中継地点を確保しておきたいところです。

 テイルを仲間にしたときは、クルミの森の中を探し回っただけですからね。


「あ、女神像発見です。早速、登録しましょう」


 女神像は割とアッサリ見つかりました。

 これで、なにかあってもここから再スタートできますよ。


「では、還らずの森に出発ですよ。準備はいいですね?」


 パートナーたちが思い思いに返事をしてくれます。

 よしよし、かわいい子たちですね!

 できれば、しばらく可愛がってあげたい所ですが、レベル上げをしなければならないので、先に進みましょう。


「……還らずの森は不気味ですね。ホラーが苦手な人は厳しそうなんだよ」


 還らずの森内は、ホラー映画に出てきそうなくらい鬱蒼とした森です。

 まだ、モンスターと遭遇していませんが、こんな場所でアンデッドモンスターが出るのですから、一種のオバケ屋敷ですね。

 ……あ、でも、こういう雰囲気だからアンデッドモンスターの出番なのでしょうか?

 そんなことを考えていたら、早速モンスターが登場です。

 スケルトンが三匹にスケルトンアーチャーが一匹ですね。


「黒号とスズラン、アクアはスケルトンを足止めしてください! シズクちゃんはスケルトンアーチャーに攻撃だよ!」


 パートナーに指示を出し、戦闘開始です。

 黒号たち前衛組は、指示通りスケルトンを足止めしてくれています。

 その隙に、ボクとシズクちゃんでスケルトンアーチャーを攻撃。

 スキルレベル上げも兼ねているので、ボクの攻撃は威力が低めでしたが、シズクちゃんのおかげであまり時間をかけずに倒しきることができました。

 スケルトンアーチャーの処理が終わったら、ボクたちもスケルトンの相手をします。

 ……その前に、黒号がかなりダメージを受けてますので、回復からですね。

 ボクとシズクちゃんが加わったあとは、スケルトンたちも無難に倒せましたよ。


「うーん、スケルトンは物理攻撃に強いのでしょうかね?」


 なんとなくですが、アクアやスズランの攻撃はあまりダメージが通ってなかった気がするんだよ。

 でも、前衛の数を減らすと、足止めできなくなる恐れもあるので、このまま行くしかないね。


「悩んでいても仕方がないですね。さあ、先に……って、またスケルトンが現れましたね!」


 黒号の回復を終えて先に進もうとしたら、またスケルトンたちがやってきました。

 今度は普通のスケルトンが四匹、スケルトンアーチャーが一匹、杖持ちのスケルトンメイジが一匹です。


「シズクちゃんはサンダーボルトでスケルトンメイジをやっちゃって! 黒号たちはスケルトンを攻撃ですよ!」


 スケルトンアーチャーとスケルトンメイジの相手を同時にこなすのは厳しいです。

 なので、シズクちゃんの奥の手で一気にスケルトンメイジを倒してしまうのですよ。

 幸い、一発でスケルトンメイジを仕留められましたので、そこからはシズクちゃんと一緒にスケルトンアーチャーを撃破、そして普通のスケルトンを処理、という流れで勝利です。

 でも、戦闘終了後、黒号たちの治療を行っていたら、またスケルトンが襲ってきましたよ。

 ええい、何回おかわりをすればいいんでしょうかね!


 結局、ボクたちは九連戦ほどしたところでMP切れを起こしたので撤退です。

 ……まだ、入口のそばにしか行ってないのに追い返されるとは……。

 ちょっと侮っていましたね。

 また今度、リベンジですよ!



 ―――――――――――――――――――――――――――――――



 アインスベルに戻って、『瑠璃色の風』に帰還しました。

 スケルトンたちと戦い結構汚れた(気がする)ので、家に帰ってグルーミングですよ!


「お、リーンか。どっか行ってきたのか?」

「あ、ガイルさん。こんにちはだよ」


 中庭で家への扉を出そうとしたら、ガイルさんがいたよ。

 ガイルさんは、中庭でなにをしてたんだろうね?


「ボクは、還らずの森に行ってレベル上げをしてきたんだよ。ガイルさんは?」

「俺か? 俺は剣の稽古……というか、素振りだな」

「……それって、意味があるのかな?」

「まあ、気分だよ。なにもしないよりはマシだ」


 そういうものなんだね。

 ボクは、システムアシスト頼りだからよくわからないよ。


「それで、還らずの森に行ったってことは、死に戻りか入口付近で撤退したかだな?」

「……どうしてわかったのかな?」


 ガイルさん、ひょっとして見てたのかな?


「あそこに魔法タイプのプレイヤーが行けば、一度は受ける洗礼だからな。スケルトン相手に連戦してきただろ?」

「うん、その通りだよ」

「あそこの森はな、戦闘中以外に回復魔法を使うと、スケルトンが寄ってくるんだ。だから、戦闘中以外の回復はポーションでしないとダメなのさ」


 ……得意げに語るガイルさん。

 ちょっとだけ、むかつくんだよ。


「それを知っていたなら、教えてくれてもいいのに」

「情報収集をおろそかにすると、そういう目に遭うってことだな。実際、体験してみればよくわかるだろ?」

「むぅ。確かに、その通りだけど」

「まあ、次から行くときは、HPポーションをかなり多めに持っていくことだ。スケルトンにせよ、ジャイアントツリーにせよ、攻撃力は高めだからな。あと、ゾンビは毒持ち個体が混ざってるから、キュアポイズンポーションも忘れずに持ってけよ」

「そのアドバイス、事前にほしかったんだよ」

「午前中に会ったときは、還らずの森に行くなんて知らなかったからな。教えてくれれば、アドバイスしていたさ」


 むぅ、反論できないんだよ。

 還らずの森に行くことを決めたのは、午後に入ってからだからどうしようもない。


「それじゃ、俺は行くわ。そうそう、早速ポーションを追加してくれたようで助かったよ。薬草の在庫があるなら、また頼むわ」

「薬草はフォルミが一生懸命育ててるから余裕があるんだよ。むしろ、それをポーションに加工する時間が足りないね」

「……なるほど。それなら、上位の生産機材を買うべきかもな。今度、その辺も説明してやるよ」

「お願いするんだよ。またね、ガイルさん」

「おう、またな」


 ガイルさんを見送ったら、今度こそ家に戻ってグルーミング。

 ああ、モフモフたちといられて幸せなんだよ。

地名を考えるのがすごく苦手な作者_(:3」 ∠)_

地名を考えたら、設定集にそれを記しておかないと忘れるからね!

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