73.スキル準備です
午前中は、ガイルさんに頼まれたポーション作りで終わってしまいました。
お昼ご飯を食べ、午後からは早速、レベル上げに行くのですよ!
「あら、リーンちゃん。こんにちは、気合が入っているわね」
「あ、ユーリさん。こんにちはだよ」
『瑠璃色の風』から出発しようとしたところで、ユーリさんとばったり出くわしてしまったんだよ。
ちょうどいいから、ユーリさんにもボクの編成を見てもらうことにしよう。
「ユーリさん、少しアドバイスがほしいのですが、大丈夫です?」
「少しくらいなら大丈夫よ。それで、なにが聞きたいの?」
「ボクの布陣についてなんだよ」
ボクはガイルさんにも説明した、各パートナーについての話をユーリさんにも行った。
本職のユーリさんのほうが、詳しい説明をしてくれるかもだしね!
「そうねぇ。話を聞く限り、バランスもいいし、大きな問題はなさそうね。ただ、リーンちゃん自身が戦闘不能になったときが問題、かしら」
「ボクが戦闘不能になったとき? それって死に戻りじゃないのです?」
「サマナーだと、使役者が戦闘不能になった時点で、すべてのパートナーが消滅するからその認識であってるわ」
そうだよね、主人が死んだらダメだよね。
そんな考えを一変させるようなことを、ユーリさんは続けた。
「でも、テイマーだと、使役者が戦闘不能になっても、すぐにパートナーが送還されるわけじゃないのよ。一分間はパートナーだけでも戦えるわ」
「それは初耳なんだよ。それじゃ、ボクが万が一倒れても、パートナーたちが頑張れば敵を倒せるのですか?」
「そうなるわね。ただし、パートナーの中に蘇生ができるキャラがいないと、時間切れで死に戻りは変わらないのよね」
だとしても、一分間のアドバンテージは大きいんだよ!
それならば、早速、蘇生のできるパートナーを見つけなければ!
「ユーリさん、蘇生ができるパートナーっているのですか?」
「そうね……。最序盤で手に入る蘇生スキル持ちといえば、リヴァイブドッグかしら。ワイルドドッグのユニーク個体以上で進化できるパートナーね。……と言うよりも、リヴァイヴドッグ以外だと、序盤で仲間になる蘇生持ちっていないのよ」
そんな……。
せっかく戦力補充ができそうでしたのに、そんなに条件が厳しいなんて!
でも、さらに、ユーリさんは追い打ちをかけてきたよ。
「それから、使役者が行動不能になった時点で、パートナーの入れ替えもできないから、事前に蘇生可能パートナーを戦闘に出しておく必要があるのよね。……って、リーンちゃん、大丈夫?」
突然、うずくまったボクに、ユーリさんは優しく声をかけてくれます。
「いい方法が見つかったと思ったのに、世の中上手く行かないものなのですね」
「まあ、普通はね。いくら個人でたくさんの戦力を用意できる使役職だからって、すべてを用意できるわけじゃないわ。それだと、パーティプレイが楽しくないじゃない」
ユーリさんが苦笑いを浮かべながら話してくれるけど、ボクの願いはそこじゃないんだよ……。
「ボクは、モフモフ王国を作りたいんだよ。……できれば、自分ひとりで、すべてをまかなえるようになりたいのですよ」
このセリフに、ユーリさんの苦笑いがさらに深まった気がするよ。
「うーん、そうねぇ。ワイルドドッグのユニーク個体をテイムに行くっていうのはどうかしら?」
「使役枠の問題があるから、同じ種類のパートナーは一匹にしたいんだよ」
「なるほど。それじゃあ、妥協案だけど、リーンちゃん自身が強くなる必要があるわね。リーンちゃん、いまのステータスを見せて」
「わかったんだよ。はい、どうぞ」
ステータスウィンドウを表示させて、ユーリさんに見せる。
ボクのいまのステータスは、こんな感じだ。
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名前:リーン=プレイバード
種族:ハーフリング 基本Lv.23
職業:エクストラテイマー 職業Lv.23
サブ職業:料理人 職業Lv.12
HP:124/124 MP:300/300
STR:20 VIT:25 DEX:48
AGI:34 INT:32 MND:32 LUK:43
BP:11
スキル:
職業スキル:
【使役】Lv25 【従魔術】Lv21 【意思疎通Ⅲ】Lv.-
【同行数上昇Ⅰ】Lv-
通常スキル:
戦闘系スキル:
【剣】Lv20 【鞭】Lv25 【盾】Lv9
魔法系スキル:
【光魔法】Lv23 【回復魔法】Lv34 【支援魔法】Lv28
生産系スキル:
【料理】Lv17 【調合】Lv24
その他スキル
【気配察知】Lv23 【採取】Lv15
【MP最大値上昇】Lv23 【MP回復速度上昇】Lv22
特殊スキル:
【鑑定】 【手加減】 【生活魔法】 【リターンホーム】
SP:69
従魔:10/16
シズク(ライトニングシーズー)
黒号
シルヴァン(アサシンウルフ)
プリム(キックラビット)
白玉
フォルミ(見習いロイヤルワーカーアント)
スズラン(フォレストキャット)
セレナイト(ナイトオウル)
アクア(ミニグリフォン)
テイル(ファンタズムテイル)
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午前中にやった、ポーションの大量生産で調合スキルのレベルももりもり上がった。
それ以外は……ぼちぼちって感じかな?
ユーリさんはボクのステータスを眺め、考えがまとまったようで何回か頷いた。
「ユーリちゃん、結構魔法スキルは成長してるのね」
「ボクは後衛ですからね。魔法関係のスキルは成長しやすいのです」
「なるほど。それなら決まりね」
ユーリさんがまたひとつ頷きました。
考えがまとまったようですね。
「初めに、リーンちゃんも光魔法以外の攻撃魔法を覚えましょう。テイマーでMPがこれだけあるのに、攻撃魔法が光属性だけなんてもったいないわ」
「そうなのかな? でも、攻撃魔法はどれを覚えればいいのかわからないんだよ」
「大丈夫。便利な組み合わせは教えてあげるから」
どうやらユーリさんは、そこまで考えてくれていたようだよ。
それじゃあ、続きを聞いてみよう。
「最初におすすめするのが【風魔法】ね。スピード重視で単発の威力は低いけど、当てやすくて使い勝手のいい魔法よ」
「なるほどです。でも、それだけですか?」
「勿論、それだけじゃないわ。【光魔法】と【風魔法】が両方ともレベル15になれば、【雷魔法】を覚えられるようになるのよ!」
なんと、シズクちゃんとおそろいじゃないですか!
「……ただ、あなたの場合、シズクちゃんがいるから【雷魔法】の必要性は薄いのよね……」
「そんなことないですよ! シズクちゃんとおそろいの魔法、なんとしても覚えないと!」
「……まあ、気に入ってくれたならいいわ。次の魔法を説明してもいい?」
「大丈夫です。よろしくお願いですよ」
シズクちゃんと同じ魔法ということで、テンションが上がってしまいましたが、ほかの魔法についても聞かなきゃダメですよね。
「次は【火魔法】ね。【火魔法】は、発動が遅めで単発でしか発動しないのが多いけど、一撃の威力は大きいわ」
「つまり、【風魔法】の真逆なのですね」
「そうなるわね。そして、【火魔法】と【風魔法】両方をレベル15にすれば、【爆裂魔法】を覚えることができるようになるわ」
「爆裂魔法ですか。どのような魔法なのです?」
「ひたすら威力を重視した魔法ね。あと、強い衝撃を伴うから、ノックバックやガードブレイクを狙いやすいって利点もあるわね」
おお、ユーリさんがおすすめしてくれるだけあって、これも便利そうです。
うちの子たちを支援するのに便利そうですよ。
「ほかにも、基本属性同士の組み合わせで覚えられる魔法とか、光魔法と支援魔法で覚えられる魔法とかもあるけど、それはまた今度ね。一度にいろいろ教えても混乱するだろうし」
「わかったんだよ。ありがとう、ユーリさん」
「どういたしまして。レベル上げ、頑張ってきてね」
『瑠璃色の風』のギルドハウスに戻っていくユーリさんを見送ったら、早速スキルを習得ですよ。
とりあえず、今日のところはユーリさんおすすめの【風魔法】と【火魔法】だけでいいでしょう。
実際、回復をしてる間、なにもすることのない時間というのは結構ありました。
MPもかなり膨大な値になっていますし、これからは魔法攻撃も積極的に行っていきましょう!
この話を書くために、まだ設定が甘かった魔法回りの設定を1時間くらいかけて詰めました。
結構しんどかったです_(:3」 ∠)_





