39.完成、マイホーム!
散々話数を使うことになったマイホームのリフォーム。
ようやく庭も含めて完成です。
ハイネさんに案内されて、家の裏手に回り込む。
するとそこには、立派な公園が整備されてたんだよ!
「どうじゃ、なかなか立派な庭じゃろう」
「ハイネさん! これじゃあ庭じゃなくて公園だよ!」
「ドッグランがほしいというたのはお主じゃろうが。ドッグランを作るなら公園を整備してもかわらんじゃろう」
「うーん、そう言うものかな?」
「……そもそも、リーンちゃん。ここはリーンちゃんの庭なんだから、わざわざドッグランみたいに囲いを作らなくてもいいと思うのよ」
「そうだね。自分の庭なんだから、わざわざ囲い込む必要もないよね」
ユーリさんとユエさんからもダメ出しされた!
でも、言われてみれば、ここは全部ボクの庭なんだから、わざわざ囲いを作って仕切る必要はないよね。
……確かに、意味のない注文だったかもしれないんだよ。
「まあ、細かいことはええじゃろ。とりあえず、設置したものを説明するぞい」
ハイネさんはそう言って、ボクのことを案内し始めたよ。
まずは、噴水のところに連れてきてくれた。
「まずはこの噴水じゃが、ユーリからのプレゼントじゃな。『温水の噴水』という家具じゃ。その名前の通り、温水が噴き出し続ける噴水じゃな」
「……これってギルドの中庭にある噴水と同じもの?」
「そうよ。これがあれば、パートナーをシャンプーで洗うときに便利だからね。新築祝いに持ってきたのよ」
「……これってお高いんじゃないの?」
「そんなに高くもないわ。素材を集めてきて、家具屋に頼んで作ってもらったものだからね」
「そういえば、最近いなかったのって……」
「これの材料を集めに行ってたのよ。素材が手に入る場所は覚えてたけど、なかなかドロップしなくてね……ホント、物欲センサーって恐いわね」
「ボクのためにありがとう、ユーリさん」
「どういたしまして。せっかくのテイマー仲間ですもの、これくらいはしてあげないとね」
「まあ、素材から集めればそんなに高いアイテムじゃないよね。完成品は滅多に出回らないから、マーケットで買おうとすると高いんだけど」
「そうじゃな。そもそも、温水で噴水にする意味がないからのう。こんな酔狂なものを使うのは、従魔や召喚獣の手入れを行う人間ぐらいじゃて」
「そうなんだね。なんで温水がでる噴水がギルドにあったのか理解できたよ」
「私が使うから中庭に置いてあるのよね。マイホームでお手入れしてもいいんだけど、ギルドの中庭でお手入れしたいときもあるもの」
「その感覚はわしにはわからんのう。そっちのテイマーのお嬢さんはわかるかの?」
「うーん、私はギルドに未所属だから自分の家でしか洗ってあげないんだよね。……ああ、でも、時々『草原の朝』のところで他の人のパートナーと一緒にお手入れしてあげたりはするかも」
「毎回、同じ場所でお手入れしてたらパートナー達も飽きるかもしれないでしょ? 見た目は普通の噴水なんだし、他の誰かに迷惑をかける訳でもないからOKなのよ」
うーん、そう言うものかな?
ユーリさんって、時々強引だよね。
「まあ、噴水はいいじゃろ。それから、噴水の横にシャワーセットも置いてある。必要ならばそれも使うといい。これもユーリからのプレゼントじゃな」
「シャワーもあった方が便利だからね。使い方は、ホースの先を噴水の中に入れればいいから簡単よ」
「うん、ありがとう、ユーリさん。今度お手入れするときに使わせてもらうね」
「それでは次じゃな。こっちじゃ、ついてこい」
次に案内されたところは、木々に囲まれたエリアだったよ。
「ここは見ての通りの林エリアじゃな。ナイトオウルをテイムする予定と聞いたので作っておいた。他にも森に生息するタイプのモンスターが寝泊まりするのに便利なエリアじゃな」
「そうなんだ。こう言うエリアがあった方がいいんだね」
「そうね、元の生息環境に近いエリアがあった方が喜ぶパートナーも多いわね」
「そう言ったところって、このゲームのAIは賢いよね。フォレストキャットとかフォレストフォックスなんかも、林エリアがあるとそこに住み着くんだよね」
「まあ、そう言う訳じゃ。流石に岩山や火山、海底などを再現はできんが、林程度なら作れるでのう」
「そうなんだね。ありがとう、ハイネさん」
「うむ。では次じゃ、こっちに来い」
ハイネさんがその次に案内してくれたところは……湖?
「ここは見ての通り湖じゃよ。正確には『湖のほとり』という家具アイテムを置いた場所じゃな」
「でも見た限り、あまり広くないけど湖なんだよ?」
「実際に湖じゃよ? 庭に湖を作り出すのが『湖のほとり』という家具アイテムの効果じゃ」
「なるほど。それで、湖は何で作ったの?」
「水生系のモンスターをテイムした場合、役に立つぞ。後は普通に遊ぶこともできるな」
「……それだけ?」
「それだけじゃ。コンセプトとして公園を作るつもりじゃったのでな。せっかくなので用意しておいた」
「……よくわからないけど、ありがとう」
「まあ、わしの趣味じゃ。次、行くぞい」
次に案内されたのは丘みたく盛り上がってるところ。
天辺には1本の立派な木が立っていたよ。
「ここはピクニックエリアじゃな。まあ、ピクニックというような広さはないわけじゃが」
「元の庭にこんな盛り上がった場所はなかったと思うけど、どうなってるの?」
「『草原の丘』という家具アイテムを置いてある。これを使えば、地面の一部を高く盛り上げる事ができるのじゃ」
「そうなんだ。家具アイテムっていろんなものがあるんだね」
「そもそも、ホームにおけるアイテムは全て『家具アイテム』じゃからな。丘も木も湖も、全て分類は『家具アイテム』じゃよ」
うーん、このゲームの家具アイテムってよくわからないね。
「まあ、この木はとりあえずの見本代わりじゃ。邪魔だと思うなら取り除いてくれればいいし、他のものを置いてもらっても構わん」
「わかったよ。あまりいじらないかもしれないけど、覚えておくね」
「うむ。もうすぐ4月じゃし、例年通りのイベントがあるはずじゃからな。その時は入れ替えるといいじゃろう」
「うん? 何と入れ替えるのかな?」
「4月になると桜祭りイベントを毎年やっているのじゃ。その景品に家具アイテムの『桜の木』がある。それと入れ替えれば、年中桜の花見が楽しめるぞい」
そうなんだね。
……でも、お花見ってしたことがないから、楽しさがわからないんだよ。
「まあ、ここはええじゃろう。それでは元の場所に戻るぞ」
噴水のあった広場まで戻ってきたよ。
ユーリさんやユエさんとのお話に集中してて気がつかなかったけど、ボクの家の庭が大幅に大改装されてたよ。
「とりあえず、このエリアにはベンチやテーブルなどが置いてある。そこは好きなようにつかうといい。配置を換えたければ、自分の気に入った場所に置き直すといいぞ」
「家具の再配置ってどうやればいいの?」
「所有権を持っている家具に触れて持ち運べば大丈夫じゃ。所有権のある家具は、どんな大きなものでも重量を感じずに運べるからのう」
「湖や丘を移動したい場合は?」
「湖や丘に触れた状態でしまいたいと思えば、家具アイテムに戻ってインベントリに入る仕組みじゃ。他の家具についても同じ仕組みじゃから、今度試してみるといい」
「わかったよ。それで、所有権ってボクにないよね? どうすればいいのかな?」
「わしからトレード申請を送るので、それを受け取ってくれればいい。ああ、その時に金額を設定すれば金銭のトレードもできる仕組みじゃ。確か1万Gで請け負うという話じゃったの。その時に、1万Gを設定しておくれ」
「わかったんだよ。それじゃあ、お願いします」
「うむ。……申請を送ったぞ」
うん、目の前に仮想ウィンドウが開いて『ハイネからのトレード申請を受けますか』って表示されてるね。
『Yes』を選択してっと。
……うわぁ、すごくたくさんの家具がトレード画面に並べられてくよ。
詳細をみてみると、全てボクの家に配置済みって書いてあるから、これ全部が家と庭のどこかに配置されてるんだね。
……やっぱり1万Gでは足りないと思うんだよ。
「……ふむ、使用したアイテムの引き渡し準備は終わったぞい。何を悩んでおるんじゃ?」
「いや、これだけのアイテムを1万Gで受け取るのは悪い気がするよ」
「気にせんでええ。家と庭の飾り付けはわしの趣味じゃからの。むしろ、好き勝手にリフォームできて楽しかったわい」
「でも、確実に元を取れてないよね?」
「まあ、足りない分はガイルのヤツが出すと言っていたしのう。何でも、無理をさせたお詫びじゃそうだ」
「うん? 無理をした記憶なんてないよ?」
「まあ、あやつが言っていたわけじゃし何かがあったんじゃろう。それに、使った家具アイテムはほぼ自前で作っておるので原価も安いしのう。費用を丸々請求したとしても十数万程度じゃ。ガイルの個人資産で考えれば大した痛手でもないじゃろうて」
「……ガイルさんって結構なお金持ち?」
「ガイルだけじゃなく、そこにおるユーリやシリル、わしもじゃがそれなりに資産は持っておるぞ。むしろ、ゲームを長く続けておるとゲーム内通貨は貯まる一方なのでな。十数万を稼ぐのであれば、ガイルならば一晩あれば十分過ぎるじゃろう」
「そうね。ガイルの強さなら、適当に2~3時間狩りに行けばそれくらいで売り払えるだけの素材を集められるわね」
「……ボクの知ってるお金の計算と違うんだよ」
「ゲームを始めて間もない初心者であれば1万稼ぐのも大変じゃろうが、ガイルのヤツはβ時代からのプレイヤーじゃしのう。そういったプレイヤーにとっては、取引額が数百万から数千万になることも珍しく無いからの」
「……完全に住む世界が違うんだよ」
「そう言う訳じゃ。ガイルが何をわびているのかは知らん。だが、くれると言うのじゃから受け取っておけ」
「うーん、わかったよ。今度、ガイルさんに会ったら改めてお礼を言うよ」
「それでええじゃろう。……確かに1万受け取ったぞい」
「……そう言えば、このゲームってインベントリには100種類のアイテムしか入らないんだよね? ハイネさんはどうやってこんな数の家具を持ってきたの?」
「家具専用の拡張カバンがあるのじゃよ。それを使えば、インベントリ1個分で家具を50種類持ち運べるのでな。そうして家具を持ち歩いておる」
「色々と便利なものがあるんだね」
「お主が持っていると聞く、ブラシのセットやシャンプーセットも同じ扱いじゃぞ。まあ、ゲームの攻略に直接関わらないアイテムについては、色々と圧縮して持ち歩く方法があるのじゃよ」
「そうなんだ。色々教えてくれてありがとう、ハイネさん」
「なに、気にするな。それではわしは引き上げさせてもらうぞ。また、家具がほしかったり、リフォームをしたければ呼んでくれ」
「うん、その時はお願いしますね」
「うむ。ではさらばじゃ」
ハイネさんは帰っていったんだよ。
色々してもらったし、ガイルさんにもお礼を言わなくちゃだね。
「リーンちゃん、私もそろそろ帰らせてもらうね。何かわからない事があったら連絡してね」
「うん、ユエさんもありがとうございました」
「いえいえ。これからもパートナー達を大事にしてあげてね」
ユエさんはリターンホームの魔法で帰っていったよ。
ユーリさんに聞いたけど、リターンホームって登録してある女神像だったらどこにでも行けるんだって。
ただ、本拠地に設定してある女神像以外だと少しお金が必要らしいけどね。
「さて、リーンちゃん。私達は孵卵器を買いにテイマーギルドへ向かうわよ」
「うん、ユーリさん、お願いします」
「まあ、ギルドに行って孵卵器がほしいことを伝えれば、すぐに用意してくれるんだけどね。それじゃあ、行きましょうか」
その後はユーリさんとテイマーギルドに行って孵卵器を購入。
そして、アントの卵を孵卵器にセットして、この日はログアウトすることになったよ。
卵は孵卵器にセットして、現実時間で24時間後に孵化するらしいからそれまではインベントリに入れておけばいいらしい。
孵化可能になったら通知が来るらしいから、通知が来たら孵卵器を開ければ卵が孵ってモンスターが生まれるんだって。
まあ、孵化するのはアント、つまりアリなんだけどね。
ともかく、ワイルドストロベリーを量産するため、ワーカーアントをゲットするんだよ!
いつもお読みいただきありがとうございます。
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~あとがきのあとがき~
長かった家のリフォーム編もこれで終了。
別に家のリフォームがこの章のメインじゃないのに何故こうなった()
勢い任せに書いてる小説って恐い。





