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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第3章 テイマーギルドのランクを上げましょう!
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32.瑠璃色の風でいろいろ報告です

 リターンホームを使って帰ってきたのはアインスベルの街だったよ。

 まあ、他の街とか行ったことないし当然だけどね!


「さて、帰還した訳だけど、これからどうしようかしら?」

「そうですね……。それぞれギルドで報告があるでしょうから、ここで解散はどうでしょう?」

「そうだな。別に一緒に行かなきゃいけねー理由もないしな」

「ボクも賛成かな。クエストボードで受けた依頼も含めて報告したいしね」

「そう、わかったわ。それじゃあ解散しましょうか。今日はお疲れ様、また一緒に遊びましょう」

「お疲れ様でした。そうですね、また今度ご一緒しましょう」

「お疲れさん。次があるかはわからねーけどな」

「お疲れだよ。レッドはどうでもいいけど、セルシアとスズカはまたね」

「そうね。今度はレッド抜きの方がいいかもしれないわね」

「ふん。お前らなんていなくても俺一人で必ずトッププレイヤーまで上り詰めてやるんだからな!」


 レッドは捨て台詞を残し、パーティを抜けて去っていったよ。

 本当、自分勝手なところは変わらなかったよね。


「セルシアは何でアイツと一緒にいるの?」


 正直、あんな奴と一緒にいると大変そうだけど。


「一応、リアルでは友達だからね。リアルではちゃんと協調性もあるんだけど……」

「でもゲームだからって、あの態度はひどいと思います」


 あ、スズカもそう思ってたんだね。


「とりあえずガイルさんには報告しておくわ。最悪ギルド追放でしょうけど、そこまで面倒見切れないからね」

「レッドが追放されたらセルシアも抜けるの?」

「そこまでするつもりはないわ。あらかじめ、ゲーム内でまで一緒に行動するつもりはないって宣言してあるしね」

「そうなんだ。……アイツのことはもういいとして、解散かな?」

「そうね、そうしましょう。2人ともお疲れ様」

「はい、お疲れ様でした」

「お疲れ様。また遊ぼうね」


 パーティを解散して2人と別れてボクはテイマーギルドへと向かう。

 そこでシズクちゃんを見せてランクアップクエストもクリア。

 無事にテイマーギルドのランクが『E-6』になったよ。

 それから、納品クエスト用に捕獲していたワイルドドッグを納品して、『モンスターの卵を見せる』って言うクエストもクリアしたよ。


 結果としてはもう1段階ランクアップして『E-7』までランクが上がったね。

 地味に【使役】と【従魔術】スキルもレベルアップして嬉しい。

 レベルを確認してみると、【使役】のスキルレベルが【従魔術】のレベルに追いついていたよ。

 攻略サイトを調べてみると、【使役】スキルはパートナー達を連れて強敵と戦うと上がりやすいらしいから、ジェネラルアント戦で上がってたのかな?


 テイマーギルドから帰る途中で、クエストボードにもよってクエスト報告をしたら瑠璃色の風に帰還です。

 今回もクエストでたくさん稼げてホクホクですよ。

 基礎レベルと職業レベルも11まで上がって嬉しいね。


「ただいま戻りましたー」

「お、リーンも戻ったか。ちょいと話を聞きたいんだがいいか?」


 ギルドの休憩室に戻るとガイルさんに捕まったよ。

 きっと、今日の突発イベントの件だよね。


「お前より先にセルシア達が帰ってきてたから話を聞いているが、MVP報酬の件で揉めたんだって?」

「揉めたと言うよりレッドが一方的に突っかかってきただけだけどね。結局ダイスで決めたけどまずかった?」

「いんや、それは間違いじゃないな。あえて言うならMVP報酬の分配については、事前に決めておくことがベスト、というか野良パーティでは鉄則なんだがな」

「そうなんだ。知らなかったよ」

「俺達もまさか突発イベントに巻き込まれて、勝ってくるなんて思ってもみなかったからな。その辺を教えてなかったから仕方が無い事ではあるんだが」

「何か問題でもあったのかな?」

「ダイスで所有権を決めた後もレッドがごねたって言うのは間違いないか?」

「うん、間違いないよ。面倒だからあまり使いそうにないアイテムだし、押し付けようかとも思ったけど」

「それは渡さない方が正しいから止めておけ。どうしてもと言うなら、買い取ってもらえ」

「やっぱりそうなんだね。了解したよ」

「ったく、レッドのヤツ、今度問題を起こしたら追放だって事を覚えていなかったのかね?」

「そもそも今回の行動を問題だと思ってないんじゃないかな? 自分から言い出したダイスで決まった事なのに不満だったみたいだし」

「……本人にも話を聞かなきゃならんが、場合によってはもう一度注意だな。反省が見られないなら本気で追放も考えなきゃか」

「そこについてはガイルさん(サブマスター)にお任せするね。ボクとしては、これ以上突っ掛かってこなければいい訳だしね」

「そうだな。これ以上、お前とレッドを組ませるのはまずそうだな。それじゃあ、この話は終わりでいいか?」

「うん、大丈夫だよ。サブマスターってのも大変だね」

「まあな。だが、放り出す訳にもいかないからな」


 ガイルさんも意外と苦労性だね。


「そういえばガイルさん。BPって何? あと、『女神像』と『壊れた女神像』についても教えてほしいな」

「そうか、もうレベル10になったか。それじゃあ、教えてやる。BPは『ボーナスポイント』の略だ。基礎レベルがレベル10になったら2ポイント手に入る。その後も基礎レベルが2上がる毎に2ポイントずつ手に入るな。BPは自分で好きなステータスに割り振る事ができて、足りないステータスを補ったり長所を伸ばしたりできるぞ」

「そうなんだ。それってどっちがいいのかな?」

「正直、個人の自由だからどれが鉄板とかもない。実際問題、低レベルのうちはともかく、高レベルになってくるとレベルアップで上昇するステータスが大きくなるから誤差程度でしかないな」

「そっか、わかったよ。ありがとう、ガイルさん」

「おう。それで、質問だが、お前のSTRって6あるか?」

「えーと、5しかないね。それがどうかした?」

「STR6あれば次の蛇腹剣を渡せるんだが、BPを使ってあげる気はないか?」

「……この蛇腹剣も1日しか使ってないんだよ?」

「せっかく蛇腹剣を使ってくれるプレイヤーがいるんだからな。この機会に試作品を量産するのは当たり前だろう?」

「……当たり前かなぁ? それに試作品を作る事と、ボクに渡すことは別の気がするよ?」

「細かいことは気にすんな。で、STRをあげる気はないか?」

「……わかったよ。あげればいいんだね」


 ボクはステータス画面を開いてSTRにBPを1ポイント割り振る。


「そう言えば、BPって一度振り分けたら振り分け直せないの?」

「アイテムを使えば再振り分け可能だが、基本的にはできないな。だから、目指す方向性が決まってないならBPを振り分けないでおくのもありだと思うぞ」

「そっか。それじゃ、BP1ポイント残しておくよ」

「それじゃ、次の蛇腹剣はこれな。……ところで蛇腹剣を使ってて違和感とかはないか?」

「うん、新しい武器をありがとう。特に違和感とかはないかな。もっとも、普通の鞭や剣を使ってないからよくわからないけど」

「違和感がないならいいさ。……あとシリルから聞いたが飛行庭を買ったんだって?」

「うん、買ったよ。モフモフ達と一緒にいたいからね」

「そうか。それじゃ、俺からも新築祝いを贈らなきゃな。明日は午前中からログインできるのか?」


 明日の予定について考えてみる。

 ……そろそろ沙樹ちゃんの家でモフモフしたいな。

 そうなると、午後はダメだし、午後を潰す分、午前中は勉強しないとダメかな。


「んー、明日は夜だけのログインになりそう。午前も午後も予定があるよ」

「そうか、わかった。それじゃあ、夜にでも新築祝いを渡すことにするよ」

「あまり気にしなくてもいいんだよ?」

「いきなりハウジングに手を出す新人ってのも珍しいからな。このギルドでもハウジングにこってるヤツは多いし、余ってる家具とかも結構あるんだ。気にせず受け取っておけ」

「うーん、あまりもらってばかりだと姫プレイみたいでいい気がしないんだよ」

「姫プレイって言葉は知ってんのか。別に貢いでいる訳でもないから気にすんな。武器については俺の試作品の実験に付き合ってもらってる訳だし、防具についてはそれぞれの職業に応じて同等の物を渡してる。ハウジング関係は、所属中に手を出すプレイヤーには机や椅子、収納アイテムとかは必ずプレゼントしてるからな。お前さんだけが特別扱いって程でもないさ」


 うーん、そう言うことならもらってもいい……のかな?


「わかったよ。ありがたく受け取らせてもらうね」

「おう。それから、『女神像』と『壊れた女神像』だが、基本的に『女神像』は街にあるリスポーン……つまりは死に戻りポイント、『壊れた女神像』はダンジョンとかにある安全地帯だな。『女神像』は都市間移動にも使うから登録しておかないと後で困るぞ? あと、『女神像』はダンジョン前とかにも配置してあって、そっちは主に移動用だな」

「……女神像の登録なんてしてないんだよ」

「それなら登録しておいた方がいいな。アインスベルはリスポーンポイントしては最初から登録済みだが、都市間移動のポイントとしては未登録状態のはずだからな」

「今日ログアウトする前に行ってくる事にするね。色々教えてくれてありがとうございます」

「気にすんな。今じゃルーキーの指導が趣味みたいなもんだからな。……そうそう、ユーリも新築祝いを渡すって言ってたからもらってやれよ」

「……ユーリさんには、もう色々としてもらってるんだけどね」

「まあ、あいつも久しぶりの後輩テイマーで嬉しいんだろうよ。送るアイテムの予想はついてるが、それはまだ内緒だな」

「……そういえば、ユーリさんってまだいるの? モンスターの卵を手に入れたから相談したかったんだけど」

「ユーリならフレンドに会いに行ってるからいないぞ。多分、夜遅くまで戻ってこないんじゃないかな」

「そうなんだ。それじゃあ、明日以降に聞くことにするよ」

「それがいい。俺もそろそろ……って盾の耐久値がかなり減ってるな。修理してやるから少し待ってろ」


 ボクから盾を受け取ったガイルさんはあっという間に修理を終わらせたんだよ。

 ピカッと光って終わりだったから何かのスキルかな?


「よし、修理完了だ。……予想以上に耐久力に問題がありそうだな。激しい使い方には耐えられないかもしれないから気をつけろよ」

「わかったよ。……そう言えば耐久力がなくなった装備ってどうなるの?」

「故障品としてインベントリに直行だな。修理するまで装備出来なくなるぞ」

「……それって服が壊れたら裸になるの?」

「上半身と下半身、それから靴装備が壊れた場合は初心者装備に戻るから裸にはならないぞ。実際、装備を変えたはずなのに初心者装備はインベントリに入ってないだろ? まあ、そう言うものだと覚えておけ」


 それで初心者装備がインベントリになかったんだね。

 納得したんだよ。


「わかったよ。今日はそろそろログアウトするね」

「ああ、了解だ。突発イベントクリアおめでとさん。明日からも無理しない程度に頑張れよ」


 という訳で、瑠璃色の風を出て女神像ところまで戻ってきたら女神像を転移場所として登録だよ。

 それが終わったら今日のゲームはおしまい。


 今日はモフモフを増やせなかったけど、ゲームとして考えれば毎日増やすことなんてできないから仕方が無いよね。

 次の目標であるフォレストキャットとナイトオウル目指して頑張っていこう!

いつもお読みいただきありがとうございます。

「面白かった」「これからも頑張れ」など思っていただけましたらブクマや評価をお願いします。

作者のモチベーションアップにつながります。

誤字・脱字の指摘、感想等ありましたらよろしくお願いします。



~あとがきのあとがき~



これにて第3章も終了です。

うちモフは毎章この程度の長さに落ち着くかも。

第3章終了時点でまだ2日間しか時間が進んでいない亀進行な小説です()


あと、第3章ではプロットの段階でどう足掻いてもモフモフを増やせないので諦めました。

この先もモフモフが増えない章は出てくると思いますがよろしくお願いいたします。

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[一言] 増えないときは持ちもふをもふればいいよ。 増やすだけで持ちもふをもふらないのはよくないんだよ。
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