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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第3章 テイマーギルドのランクを上げましょう!
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28.パーティを組みましょう!

 至福のスキンシップ(モフモフ)タイムが終了して、晩ご飯を食べてお風呂に入ったら夜のログインのお時間です。

 夜のログインも引き続きレベル上げですかね。

 早く次のモフモフを手に入れたいのですよ。


 いつも通り瑠璃色の風の休憩室にログインします。

 この時間になるとそれなりに人がいますね。


「お、リーン、ログインしたのか。ちょうどいいところに」


 この声はガイルさんですね。

 ちょうどいいところとはどういう意味かな。


「ガイルさん、こんばんは。ちょうどいいって何がです?」

「新人でレベル上げに行くところだったんだよ。ただ、3人じゃまだきつい相手だろうからもう少し人数がほしかったんだ」

「それでボクの出番?」

「お前なら従魔込みで3人分になるからな」


 そうだね、パートナー達をフルで呼び出せば僕1人で3人分だよね。


「……ガイルさん。コイツと一緒に行くんですか?」


 ガイルさんの話に不服そうな声がするね。

 この声は、レッドとか言う人ですよ。


「先に断っておくが、ギルドメンバー一覧を見ればわかるがリーンは既にレベル8だ。お前よりも上のレベルだよ。それなら、従魔も同じくらいのレベルに育っているだろう。戦力的には申し分ない。むしろ、パーティでの行動に問題があるお前よりも上手く立ち回れるかもな」

「そんな事ある訳ないでしょう! 俺の方が強いに決まってる」

「……はぁ。それじゃ、レッドは不参加か。お前達はどうする?」


 レッドの他にいた二人にガイルさんが確認をとってるね。

 そのうち一人はスズカちゃん、もう一人は会ったことがない女の子ですよ。


「私はリーンちゃんと一緒に行きたいです」

「私も別に不服はないですね。レッド、不満ならあんた一人で行ってきなさい」


 女子二人は僕と一緒に来ることに不満はないようだね。

 となると、レッドのヤツだけなんだけど……


「で、レッド、お前はどうするんだ?」

「……わかりましたよ。一緒に行けばいいんでしょう」

「その前に言う事があるだろう?」

「ちっ……昨日はすまなかったな」


 まったく誠意のこもってない謝罪ですよ。

 それならこっちも考えがあります。


「別にレッドには来てもらわなくてもいいのですよ。ボク達だけで行ってくるよ」

「なっ」

「勝手な行動を謝る気がない人と一緒に行く訳ないじゃない」

「……俺が悪かった。すまん」


 ……謝罪を受けるのも面倒ですし手打ちにしましょうか。

 結果的には、あの後、プリムと白玉をテイムできたのですし。


「……とりあえず謝罪は受け取っておくよ。今度邪魔したら許さないけど」

「心配しなくてもその時はギルドから追い出すよ。……それじゃあ、この4人で出発だな」

「今日は引率の人は来ないの?」

「ちょうどいいヤツがいないんだよ。その代わりにお前にはこれをやるよ」


 ガイルさんが取り出したのはウロコ状の物が張り付けてある盾。

 ……ボクは盾を使わないんだけど?


「ガイルさん、ボクは盾を使わないんだよ?」

「知ってるよ。でも、お前さん、武器を使う時に左手が空いてるだろう。だったら盾でも装備しておいた方が便利だぞ」

「……でも、ボクは重たいものが持てないんだよ」


 そうなのだ。

 ボク(このキャラ)は重たい装備が装備出来ないのだよ。


 このゲームの装備品には『重量』という要素が設定されていて、手に装備する物はSTR以下、その他体に装備する物はVIT以下でなければペナルティを受けるんだって。

 なお、この重量は装備品の総重量じゃなくて装備品個別に設定されてる重量で判定されるらしいよ。

 そうしないと、防具で金属鎧とかは総重量がとても重くなるから装備していられないんだって。

 以上、攻略サイトからの受け売りでした。


「心配するな。この盾の要求STRは3だ。いくら非力なハーフリングでもSTR3はあるだろ?」

「流石にその程度なら大丈夫だけど、そもそも盾の使い方なんて知らないよ?」

「難しいことはないさ。タンクをやるならともかく、アタッカーが自衛のために持つ盾なんて相手の攻撃にあわせてブロックすりゃそれでいい」

「そうなんだ。でも、その盾を使うメリットってあるの?」

「まずは、この盾で防御した場合だが、DEFに26加えた値でダメージ計算がされる」


 それはすごいかも。

 ボクの装備、全身分の防御力とほとんど一緒だね。


「それからこの盾には【対毒耐性10】が付与されている」

「それってすごいの?」

「状態異常耐性は1につき10%の確率で無効化できるんだ。つまりこの盾を装備してれば毒にかかる心配はない」

「……それってすごいの?」

「重量3で完全毒耐性はすごいぞ!」

「……じゃあ、なんでそんなすごい盾をボクにくれる訳?」

「…………ああ、それはだな。この盾にはエリア3のモンスターの素材が使われてるんだ」

「うん、それで?」

「……毒攻撃を使ってくる敵はエリア2にならないと出てこない」

「つまり毒耐性の意味がない?」

「………………ついでに言うと、エリア2で盾を使うならDEF40はほしい」

「……つまり、失敗作?」

「……せめて試作品と言ってくれ……」


 つまりは蛇腹剣と同じ扱いなんだね。

 ……左手が空いてるのは事実だし、もらうだけもらっておこうかな?


「わかったよ。それじゃあ使ってみるね」

「おお、よろしく頼む。使い心地を教えてくれれば、次の装備で改良するからよ!」


 渡された盾の名前は『沼蜥蜴のスケイルシールド』だったよ。

 左手に装備して使うみたいだから、インベントリから装備してと。


「それから、職業ギルドのギルドランクをEランクまで上げるようにしておけ。何かと便利だからな」

「それも構わないけど、どうすればいいの?」

「各職業ギルドで聞けばランクアップのためのクエストを教えてくれるはずだ。テイマーギルドなら『パートナーのレベルを10まで上げること』がランクアップクエストの目標のはずだぜ」

「わかったよ。後で職業ギルドに行って確認してみるね」

「それじゃあ、後はお前達に任せた。どの敵を倒しに行くかも相談して決めるんだぞ」


 それだけ言い残してガイルさんは行ってしまったよ。

 ……さて、それじゃあ初対面の相手もいるし自己紹介からだよね。


「ええと、ボクはリーン=プレイバード。テイマーだよ。よろしくね」

「私はセルシア=クズギ。昨日はレッドのバカが迷惑をかけたみたいですまなかったわ」

「誰がバカだ!」

「あんたしかいないでしょ。斬魔さんに聞けばテイムが終わったらプレーンウルフに行く予定だったのに、テイムの邪魔をしたあげくに飛び出していったんだから」

「うるせえよ。俺は一刻も早くプレーンウルフと戦いたかったんだ」

「ホント、協調性のないガキね。……とりあえずコイツは放っておいていいわ。私の職業は見習いナイトね。盾職だから敵の攻撃を引きつけるのは私に任せなさい」

「よろしく、セルシアさん。それで、ボクが呼ぶパートナー達はどうすればいいかな?」

「セルシアって呼び捨てで構わないわよ。わたしもリーンって呼ばせてもらうから。それで従魔だけど、火力特化がいいわ。盾役は一人いれば大丈夫だと思うし。回復出来る従魔とかいれば、その子も呼んでほしいけど」

「回復スキルを使える子はいないよ。でも、ボクが光魔法を覚えてるから回復もできるよ」

「それじゃあ、回復役もお願いしていい? スズカとは組んだことがあるから、スズカにも回復手段がないことは知ってるから」

「わかったよ。それじゃあ、パートナーを呼ぶよ」


 攻撃特化という事ならシズクにシルヴァン、プリムでいいよね。

 早速、コールで呼び出してっと。


「……その子達がパートナーなのね。ウルフはわかるけど、シーズーとウサギって強いの? とっても可愛らしいとは思うけど」

「シーズーのシズクちゃんはサンダーボルトを使えるよ。ウサギのプリムはネームドモンスターだったからとっても強いよ」

「そうですね。普通のファーラビットとは比べものにならないくらいに強かったです」

「そうなんだ。スズカが言うなら問題ないんでしょうね」

「おいおい、本当にウサギなんかで大丈夫なのかよ?」


 レッドは相変わらずうるさいですね。

 実力で黙らせるとしますよ。


「そんなに疑うならPvPでプリムと戦ってみればいいよ。勝てないと思うけど」

「ネームドモンスターだからって、たかがウサギだろう? そんな訳あるかよ」


 このウサギさんをなめたら恐いんだよ。

 周りにいる人達もレッドを見て苦笑してるし。


「そこは自分で確かめればいいよ。それじゃあ、PvPをしに中庭に行くんだよ」

「ああ、PvPをしたいんだったらこの部屋を使っても大丈夫だぞ。配置されてる家具は、殴ろうと切ろうと蹴ろうと壊れないからな」


 周りにいたギルド員の人からここでやっても構わないという許可が出た。

 それじゃあ、ここでやろうかな。


「わかりました。……はい、PvP申請は送ったよ」

「おう。それじゃあ、そのウサギをさっさとぶちのめして狩りに行くぞ」


 PvP用のフィールドが広がってカウントダウンが始まる。

 形式的にはボクとレッドのPvPだけど、戦うのはプリムだけだから問題ないよね。


「行くぞ! はぁっ!」


 カウントダウンが終わると同時に、プリムに向かってレッドが斬りかかった。

 でも、その攻撃をプリムは難なく躱して、カウンターの蹴りをレッドに決めたんだよ。

 ……首の後ろから脚を振り下ろすように思いっきり。


 うん、今の一撃でレッドのHPは0になって勝利判定が出たね。


「なんだ今のは!? ファーラビットがそんな動きしたのかよ!?」

「ネームドモンスターはこんなもんだぞ、新入り。AIも通常モンスターとは訳が違う。体験できてよかったな」


 今のPvPを観戦していた先輩さんからアドバイスが入ったよ。

 ……ホント、こんなウサギさんにボクはよく勝てたよね。


「……これは間違いなく強いわね。いいわ、このメンバーで行きましょう」

「そうですね。そうしましょう」

「わかったよ」

「ちっ……」


 レッドは不服そうだけど負けたんだから文句は言わないみたいだね。

 何となく不安はあるけどこのメンバーで狩りだね。

 他のプレイヤーと組んでの狩りは初めてだし、ちょっと期待。

 ……昨日のことはノーカンだよ。

いつもお読みいただきありがとうございます。

「面白かった」「これからも頑張れ」など思っていただけましたらブクマや評価をお願いします。

作者のモチベーションアップにつながります。

誤字・脱字の指摘、感想等ありましたらよろしくお願いします。



~あとがきのあとがき~



懲りない男、レッド。

今度はウサギに瞬殺される。


ネームドモンスターですが本来的には同レベルで勝つのは難しい程度には強いです。

ステータス的にも強いですがAIもはるかにに賢い。

リーンが勝てたのは無理矢理動きを封じた事と、初心者が持つには強い装備だったためですね。


それと、今回リーンに持たせた盾ですが、ガイルが言っていたとおり失敗作に近い試作品です。

毒無効とか初心者が持つには上等過ぎる装備ではありますが、アインスベルで2,000Gも出せば防御力だけは同等の皮の盾が買えます。


なお、リーンがガイルの(試作品使用者として)お気に入りなのは間違いないですが、他の新人も同程度の装備を支給されてます。

強さ的にはエリア1のボスを倒してエリア2に向かおうとするプレイヤーが持つレベルの装備です。

始めたばかりの初心者には強い装備ですが、強すぎる装備という訳ではありません。

その辺のバランスはしっかりととってます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] わざと『必要筋力が低い装備』を作ったのかと思ったけど。。。 [一言] ネームドの怖さすら知らないなんて、次回もどきどきだー。
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