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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第10章 ドライフラウと草原の朝と
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104.草原の目覚めでお仕事体験です! そのに

「店員さん、こっちもフクロウちゃんお願いします!」

「はーいなんだよ!」


 セレナイトはボクの言うことしかあまり聞かないので、セレナイトと一緒に遊んでみたい人はボクにお願いするしかないんだよ。

 そう言うわけで、想像以上に引っ張りだこなリーンです、こんばんは。


「リーンちゃん、初めて入ったのに人気ねぇ」

「ボクと言うよりもボクのパートナーたちがですね! でも、ボクも鼻が高いのですよ!」

「ふれあいエリアを任される子は愛情度が高いパートナーが揃ってる子が多いけど、それにしても見事なものだわ」


 ボクの子たちは基本的に近づいても逃げませんからね。

 豆太郎なんかは視線が合えば、自分から近づいていくほどですし。

 ちょっと警戒心がなさ過ぎじゃないですかね?


「そういえば、ここでパートナーたちを好きなように遊ばせてますが、勝手に連れ出そうとする人はいないんです?」

「ああ、そういう人はいないわよ。いたとしても、この周囲に結界がはってあるからそれに引っかかって痛い目をみるだけね」


 なるほどなんだよ。

 それなら心配いらないですね。


「……さて、そろそろ三十分たったわね。パートナーを交代してもらえるかしら」

「交代ですか? 多分、どの子もまだ大丈夫ですよ」

「こういう環境って思いのほかストレスがたまるものなのよ。だから、こまめに入れ替えてあげることが大切なの」

「わかったのです。では入れ替えますね」


 セフィさんの指示ですので、今いる子たちは送り返して新しい子たちを呼び出しますよ。

 豆太郎やセレナイトが帰って行ったことを残念がる人は多いのですが、交代の時間らしいので諦めてもらうほかないですね。

 そして、交代で呼び出したのは……。


「うぉ! なんだ、このジャガーは!」

「片方は知ってるぞ、カースドジャガーだろ。でも白いほうはなんだ?」

「ホーリーフレイムジャガーなのですよ。カースドジャガー相手に特殊な方法を使って仲間にすることができるのです」

「へぇ、知らなかった。……しかし、あのカースドジャガーもおとなしいと愛嬌があるもんだな」

「こっちの白いジャガーもだ。触っても大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ。乱暴に扱うと怖いですが」

「わかってるって。……おお、手触りもいいな」

「本当だ。カースドジャガーのほうは毛並みが硬くて、ホーリーフレイムジャガーはしっとりしてるぞ」

「やべぇ、こんなの見ていたらテイムしたくなってきた」


 おや、テイムですか。

 このお兄さん、テイマーなんですかね?


「テイムって、お前サブジョブがテイマーだからって難しいんじゃないのか?」

「カースドジャガーならいけるだろ。なあ、店員さん、カースドジャガーってレベルどれくらいのときにテイムしたんだ?」


 カースドジャガーですか。

 どれくらいのときでしたかねぇ。

 サーシャとたくさん周回したのは覚えてますが。


「多分、レベル35くらいのときだったと思いますよ。【使役】と【従魔術】も同じくらいのレベルだったはずです」

「【従魔術】35か……俺は【使役】がないから、倍がけして十足して……」

「スキルレベル80な。足りてねーんじゃね?」

「……畜生。なあ、店員さん、初めて見る顔だが、これから定期的にシフトに入るのか?」

「今日は特別にお手伝いさせてもらってるだけなのですよ」

「そうなのか……」

「さっきの豆柴といい、フクロウといい、珍しいパートナーを連れた新人が入ったなと思ったんだが」


 そうは言われても困ってしまうのです。

 正式にお店の人になったわけではないんだよ。


「はいはい、その話はそこまでにしなさいな」

「お、セフィチーフ」

「この子はアサカゼ店長から頼まれてる子なの。あまり迷惑をかけるようなら撤収してもらうわよ」

「それは困る。この二匹のモフモフ感はたまらない」

「だな。いままでもここでいろいろなパートナーとふれあってきたが、この二匹は独特のさわり心地だ。しっかり手入れもされてるし、見知らぬ相手でもおびえた様子もないってことはしっかり愛情度も上げてあるんだろう。こんな逸材、手放すのはもったいなくはないか?」


 おおう、なんだかべた褒めなのですよ。

 でも、ボクのモフモフが褒められるのは嬉しいですね!


「……いや、私もこの子が正式に加わってくれると嬉しいんだけどね。豆柴とか見つけるのがめちゃくちゃ大変だし、あのフクロウは警戒心の強いナイトオウルの進化系だし。こんな即戦力は手放したくないわよ」

「だったら、アサカゼ店長に直訴に行くか?」

「……それ、多分逆効果だからやめておきなさいな」

「だろうな。……というわけで、店員さん、もう少しこの二匹をモフってかまわないか?」

「ブレスもダークも嫌がっていないですしかまわないのですよ」


 あの二匹はお兄さんたちが気に入ったのか、そのままおとなしくなでられているのです。

 他の子たちは……思い思いに過ごしてますね。

 アクロバットキャットに進化しているスズランは、アスレチックを華麗に飛び回って拍手を浴びているのです。

 黒号とシルヴァンは、それぞれ別のお客さんになでられていますね。


 そのあと、三十分ごとにパートナーを入れ替えて合計二時間働き、お手伝いは無事に終了したんだよ。



―――――――――――――――――――――――――――――――



「お疲れさま、リーンちゃん。大丈夫だった?」

「お疲れ様ですよ、アサカゼさん。お客さんもパートナーたちも楽しんでいたみたいですし大丈夫ですよ」


 お手伝いが終わったのでお店の奥に戻るとアサカゼさんが様子を見に来てくれたのです。

 心配されるほど疲れてはいないのですけどね。


「セフィから聞いたわよ。リーンちゃんのパートナーたち、大人気だったみたいね」

「そのようですね。珍しい子が多いからそのおかげだと思うのですよ」

「それだけじゃないと思うけどね。ふれあいエリアを任せる子でも、なれるまではパートナーがおびえたりするもの。最初からそれがなかったって言うことはすごいのよ」

「そうなのですか。自分では実感がわかないんだよ」


 ボクのパートナーたちが人になれているのはいつものことですからね。

 皆からすれば、今日は人が多いな、程度だったと思うのです。


「そう言えるのがすごいことなのだけどね。……それで、リーンちゃんにちょっと相談があるんだけど」

「はい、なんですか?」


 ボクが尋ねると、アサカゼさんは一呼吸置いてから告げたんだよ。


「リーンちゃん、私たちのギルド『草原の朝』に入るつもりはない?」

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