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【旧版】うちのモフモフこそが最強!  作者: あきさけ
第10章 ドライフラウと草原の朝と
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98.草原の目覚めで交流会です! そのに

「えっと、お嬢さん、俺にもパートナーを触らせてもらえないか?」


 セレナイトがお姉さんと遊んでいる間に声をかけてきたのは、がっしりとした体つきのお兄さんですよ。

 見た目はちょっと厳ついですが、こういう人も動物好きだったりするんですよね!


「かまわないのですよ。どの子がお好みですか?」

「そのちっこい犬がいいんだが……」

「豆太郎ですね。豆太郎、こっちに来るのですよ」


 豆太郎を呼び寄せれば、大喜びで胸元に飛び込んできます。

 本当に甘えん坊さんですね。


「……さっきから見ていたが、すごい人なつっこいんだな」

「この子は特に人なつっこいですね。それではどうぞ。あまり力強く扱わなければ大丈夫なんだよ」

「お、おう。……いや、やっぱりこういう犬もかわいいな」

「こういう犬も、ということはお兄さんもなにか飼っているんです?」

「ああ、リアルでシェットランドシープドッグをな。あいつはあいつで愛嬌があってかわいいが、豆柴みたいな小さいのもいいもんだ」

「その気持ち、よくわかるのですよ」


 大きい子には大きい子の、小さい子には小さい子の良さがあるのです。

 そこがわからないとダメなのですよ。


「……ああ、堪能した。ありがとうな、お嬢さん」

「いえいえ、かまわないのですよ」

「いや、今日は来てよかったぜ。普段はこんなに人になれたパートナーが多い日はないからな」

「そうなのですか?」

「ああ、お嬢さんのパートナーはかなり特別だな」

「ボクにとっては普通なのでよくわからないんだよ」

「それが普通ってことは、パートナーに愛されてるってことだ。それじゃ、俺はこれで」


 お兄さんが立ち去ったあとも人が入れ替わり立ち替わりやってきたのですよ。

 お兄さんが言っていたとおり、知らない他人が触れても大丈夫なパートナーというのは珍しいらしく、ボクの子たちは大人気だったのです。

 どの子も人気がありましたが、一番人気はセレナイトですかね?

 ナイトオウルのネームド個体というのが滅多にいないそうで、しかも腕に留まって餌付けまでできると言うことで大人気だったのですよ。


「……ふう、これで一段落ですかね」

「お疲れ様、リーンちゃん。大人気だったわね」

「ボクじゃなくて、パートナーたちがですけどね。でも、ボクも嬉しいのですよ」

「それはよかったわ。さて、次は……」

「あの、すみません」


 ボクとアサカゼさんが話していたところに割って入ったのは、さっきパートナーをあやしていた人なんだよ。

 多分、テイマーさんだと思うんだけど、なにかあったのかな?


「はい、なにかありましたか?」

「ええと、ひとつお伺いしたいことがあって」

「うかがいたいこと?」

「はい。自分もテイマーなんですが、なかなか愛情度が上がらなくて悩んでるんです。それで、なにかいい方法を知ってるんじゃないかと思いまして」


 はて、愛情度上げですか。

 それは……。


「ボクはよくわからないので、アサカゼさんどうぞ」

「えぇ? あれだけパートナーたちと仲良くなっているのに、愛情度の上げ方を気にしてないの?」

「特に気にしたことはないんだよ。あえて言うなら、毎日ブラッシングをしてあげて、好みのご飯を食べさせてあげて、一緒に遊んであげるくらいしかやってないね」

「……リーンちゃん、ほとんど正解を言ってるわよ?」

「ほ? そうなのです?」


 そんなこと気にしたことなかったのですよ。

 ボクにとってはパートナーたちとのふれあいは、戦闘なんかよりもずっと大事ですからね!


「それって本当なんですか、アサカゼさん」

「ええ、間違っていないわね。毎日とは言わなくても定期的にお手入れをしてあげたり、遊んであげるのは大事だし、毎日の食事を好みのものにするのは基本よ」

「そうだったんですね。そんなことも知らなかった……」


 お兄さんテイマーはショックを受けているのですよ。

 はて、それ以外にパートナーを連れ歩く意味なんてあるのかな?


「あら、あなた、『草原の目覚め(ここ)』にくるのは初めてかしら?」

「はい、初めてです。ここでなら、パートナーの愛情度を上げるいい方法を教えてもらえるって聞いて……」

「それならちょうどよかったわね。このあとパートナーたちのグルーミング講習会をやる予定だから、参加していくといいわ」

「グルーミング、ですか?」


 このお兄さんはグルーミングの意味がわからないみたいなんだよ。

 知らない人にはわからない言葉なのかな?


「パートナーのお手入れことなのです。毛繕いやシャンプーの総称ですよ」

「なるほど。僕でも参加して大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫よ。参加費用と自前のお手入れ用品セットを用意してもらうけど」

「わかりました。手続きはどうすれば?」

「お店のカウンターでお願いします。もうじき締め切りますので、お早めにどうぞ」

「ありがとうございます! それでは失礼します!」


 大急ぎでお兄さんテイマーさんは去って行ったね。

 それにしても、グルーミング講習会ですか。

 ボクも興味があるのですよ。


「アサカゼさん、それってボクも参加できるのですか?」

「大丈夫よ。お友達も一緒に参加する?」

「そうですね。普段はリーンに任せっきりなので、自分でもできるようにしておきたいですね」

「じゃあ決まりね。手続きはこちらで済ませておくから、ここで待っててね」


 アサカゼさんも行ってしまいましたが、グルーミング講習会は興味があるのです。

 サーシャも受けるようですので、ちょっと楽しみですね。

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