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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第三章 文化祭は所詮前菜?
99/117

98、終わり方は劇的に!?



サブタイ通りに、劇的に終わりますっ!


多分……。


 「ってぇ……」

 くそう、どんだけ落とされたんだよ……。てか、よく無事だったな俺。

 「重い重い!」

 ん?どっかから声が……。

 「苦しいですぅ……」

 どこだ?

 「あぁ、踏み潰されるなんて……美咲は嬉しい」

 キモいな……。

 「瀬川!いい加減にどけ!」

 どけっておい、俺は床に……

 「おぉ、床じゃなかったか」

 「今気付いたのか!」

 えっと、下から小橋、森野、舘山、俺で積み重なってる。うーん、漫画の1シーンのようだ。

 「どいてくれない?動いてくれない!?俺、圧迫死する!」

 「私も苦しいですぅ」

 「私はこのままでも……うふふ♪」

 「約一名はこのまま死んで欲しいからどかない」

 「待て待て!お前、親友を見殺しにするつもりか!」

 「そんな薄情なぁ」

 「それでもいい、今は幸せ♪」

 「つーわけだから、ドンマイ」

 「いやいやいやいや!ドンマイじゃねぇよ!」

 「ひどいですぅ」

 「そういう人だから、ダーリンは♪」

 「誰がダーリンだボケ」

 「いだだっ!動くな馬鹿野郎!」

 「誰が馬鹿だってこの野郎。さっきと言ってる事が矛盾してっぞ」

 「罪もない人にこんな事して許されると思ってるんですかぁ」

 「すまんな、そーゆー性格なんだ俺は」

 「ダーリンの下敷き……うふ、うふふふ♪」

 「お前はその変態症状どうにかならんの?」



                     *



 「本気であのまま殺されるかと思った……」

 「同じく……」

 「あぁ楽しかった」

 小橋がごちゃごちゃいつまでもうるさかったから解放した結果がこれ。

 「とりあえず、これからどうすりゃいい訳?」

 「あれは?あの、えっと、なんだっけ?」

 「メモならここに」

 随分クシャクシャに……。

 「二行目までは終わったから、次は『風がいななく廃墟の向こう』か……」

 「ねぇダーリン」

 「んだよ、森野。んでもって俺はダーリンじゃねぇぞ」

 「ダーリンはダーリンよ。廃墟って、ここの事かな?」

 「そうかもな」

 「かもなってお前、これどっからどう見ても廃墟だろ」

 「そうかもな」

 「お前、面倒くさがってないか?」

 「面倒臭いからな」

 「……だろうと思った」

 「……なんだか、バイオ○ザードみたいなトコですね」

 おい、正義感たっぷり純情小娘がなぜバイ○ハザードなんて知ってんだよ!


 ……まあ、おふざけはここまでにして。確かにここは廃墟のようだ。崩れた家やらなんやらがごっそりある。てか、大阪城にあっていいものなのか!?

 「『風がいななく』……どういう意味でしょうか」

 「風なら、吹いてねぇな」

 「まあ、適当に歩くべ」

 「じゃ、私がダーリンの隣歩くー」

 「お前は近寄るな、イライラする」

 「大丈夫、それはきっと愛情に変わるから」

 「んな訳あるか!」



 で、歩く事10分くらい。あー、もうちょっと少ないかな?5分くらい?あー、少なすぎる気がする……。いいや、だいたいそれくらい歩いたら、ピューピュー風の鳴る音が聞こえてきたわけで、

 「どこじゃおりゃーーーーーーー!!」

 「出口出口っと……」

 「さあ、私達のために探しなさい!」

 「お前も手伝うんだよアホ!!」

 「あいだっ」

 偉そうに腕くんで立ってる馬鹿に、近くにあった石を投げた。見事に額にヒット。さすがは俺。

 「見つけたどおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 「うるさい」

 「え、いやだってさ。嬉しかったら、ホラ、叫びたくなるじゃん?」

 「知るか」

 「それにしても……」

 「穴ちっさい!」

 まあ、確かに小さい。悲しいほど小さい。

 「ここでアレの続きじゃん?」

 「えっと『太陽と月が出会い、離れた愛しき者の声に従いて集えば光の下によみがえる』ですか?」

 「そそ」

 「太陽と月ねぇ……」

 「どこかにあるのでしょうか……」

 「ん、あるよ」

 「ほう、あるのか」

 「よかったな」

 「ホントです……って」

 「それを早く言え馬鹿!」

 「瀬川に同じく!」

 「せ、瀬川君に同じく!馬鹿はなしで!」

 で、軽く森野をいたぶって(喜んでたけど……)、奴が見つけたものをみる。それは、壁に埋め込まれたパズルのようだった。ピースは月と太陽、女の子と男の子。

 「『太陽と月が出会い』だから……」

 小橋がピースをいじる。こういうのは得意だからなぁ……。


 で、しばらくして。

 「できたっ」

 「お疲れ様です」

 「まあ、影薄にしては良くやったな」

 「影が薄くても出来ることあるのね」

 「お前らは素直に人を褒める事できないのか!」

 「できないな、うん」

 「けなされることの何が悪いの?」

 「……もういい、お前らに反論した俺が悪かった」

 「分かればよろしい」

 小橋がいじったピースは、太陽と月が並び、女の子と男の子が向き合う形になっているだけ。

 「これでいいのか?」

 「太陽と月が出会いだから、同じところに登らせて、離れたかどうかは知らんけど、愛し合うものって言ったらこれしかないだろう」

 「私とダーリンも愛し合って―――だはっ」

 「黙ってろ」

 「……極悪非道です」

 なんとでも言うがいいさ。

 「で、光の下にだから……明かり持ってない?」

 「ねぇな」

 「愛という名の光なら」

 「ないですね」

 一つ馬鹿な発言混ざったような……。

 「んー、じゃあ出れねぇかもな」

 「どうにかしろ」

 「いや、無理だからね」

 「何とかできませんか?」

 「いや、だから無理って言ったでしょう」

 「愛という名のひか―――あうっ」

 「黙ってようなぁ」

 「どうしたものか……」

 「アレは使えませんかね」

 「アレってなんだよ」

 「あそこにあるやつです」

 指差す方向にあるのは白い箱。怪しい匂いがプンプンする……。

 「例のダイナマイトだったりして」

 「まっさかぁ」

 「ないですよ」

 「拾ってみてよー」

 「無駄に勇気あるな!」

 「そのまま取って戻ってくんなよ」

 「気をつけてくださいね」

 その森野の姿といったら、なんとアホらしい事か……。物陰に隠れたり、ほふく前進したり。

 そして、持って戻ってきた。

 「って、何テイクアウトしてんだよ!」

 「え?」

 「え?じゃねぇよ!」

 「あわわわわわ」

 「投げとけ!とりあえず、アレに向かって投げとけ!」

 「はーい」

 「その前に振り回すな!」

 「えー」

 「えーじゃねぇよ!」

 「今日のダーリンは良く絡んでくれるね♪美咲うれ」

 「いいから早く投げろって!カチカチ言ってんだろうが!」

 「りょーかいっ」


 ドゴーーーーーーーーーーン!!


 「キャフォーーーーーーーーーーーーー!」

 楽しんでやがる、コイツ、爆発を楽しんでやがる!



                     *



 「フフ、お疲れ様。そういえば、そんな汚い格好してどうしたの?」

 「この馬鹿に聞いてくれ」

 「あー楽しかった♪」

 「アイツは将来爆発マニアになると見た」

 「……酷い目にあったです」

 日も暮れた頃、文化祭も無事に終わって、いや、無事じゃないな。

 「フフ、それにしても、あの爆発でよく無事だったわね」

 「それはアレだ、日頃の行いがいいからだ」

 「いや、良くないだろ」

 「いや、気のせいだ」

 「いや、全然良くないからな」

 「……るせぇな、影薄のくせに」

 「影薄のくせにって何だ!」

 「そのまま読んで字の如くだ」

 「薄情者!最後のは俺のおかげだという事を忘れんな!」

 「すまんがもう忘れたよ」

 「薄情者ーーーーーーー!!」



 「さて、後始末しねぇとな……」

 「フフ、そうね」

 その後、倒壊した大阪城を学校全体で処理したのは、言うまでもなく。


次回で文化祭編終了です。

あー、長かった……。

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