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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第三章 文化祭は所詮前菜?
94/117

93、M+妄想はやりすぎた!?


すみません、ただいま故障中です。

はい、壊れてます。

え?なにがって?

それはきっとあの子です。




 「はんぺん!」

 と、言えばおでんだね。

 「つみれ!」

 と、言ってもおでんだね。

 「大根!」

 だしが染みてるのは、たまらなくおいしいね。

 「しらたき!」

 あのツルツルッとした感じがいい……かも。

 「まだ違うって言うの!?」

 根本的に、全てが違うからね。ていうか、前と同じことを繰り返すな!

 「婚約!」

 それ違うから!

 「間違えちゃった☆テヘヘ」

 ……殴りたいという気持ちにかられたのは、私だけじゃないはずだ!絶対に!!

 「こんにゃく!」

 ていうかね、うん。確かに食材名は違ったけどね―――

 「餅巾着!」

 そうやってさ、

 「ちくわ!!」

 おでんの具をさ、

 「昆布巻き!」

 叫ぶものでもないから!!

 「あぁ、私を侮辱する、心地よい声が聞こえる……」

 聞えてた!?

 「でも、ダーリンのじゃないからダメね」

 ……誰に侮辱されようとも喜ぶとしか思えないんだけど……。

 「って、まだ違うって言うの!?何をしたいの!?私に、この私に何をしたいのよ!!」

 お前にしたい事なんてこれっぽっちもないから!何をしたいの?こっちが聞きたいわ!!

 「聞えるわ!感じるわ!!オラァワクワクしてきたぞ!!」

 なぜここでド○ゴンボール!?

 「いいわぁ、いいわよぉ……」

 なにがだっ!

 「みんなの冷たい言葉が私にパワーをくれる!」

 どんな体質してんだお前は!!

 「これでダーリンがいなくても、あと30秒は生きていける!!」

 みんなから力もらったわりに短くね!?

 「あぁ、まだ感じる……。これは、作者の声ね……」

 なぜ分かった!?ある意味すごい!!

 「とりあえず……いただきまーす♪」

 (もっと早くから食べんかい阿呆!!)

 「はっ!ば……下弦じゃない。どうしたの?」

 (どうしたのじゃねぇよ!ていうか、馬鹿って言おうとしたな今!)

 「気のせいよ」

 (……デジャブなループになりそうだから、無視してやろう……)

 「なんで!私の出番を、話せる時を減らさないで!!」

 (大丈夫、今のところ、一応ヒロインだから)

 「今のところ!?一応!?」

 (ていうかさ、同じ事を繰り返さないでくれない?飽きるからイライラするから面倒臭いから)

 「……私のツッコミはスルーなのね」

 (聞かなくてもいいと心の底から信じてるから)

 「……悲しいけど、ものすごく嬉しいのはなぜなんでしょう……」

 (知るかボケ)

 「あぁ、ダーリンの代わりに下弦でもいいわね……」

 (もうツッコみません。ていうか、早く食えっての)

 「食べていいの?」

 (お前さ、あの看板無視しないでくれない?お願いだからさ……)

 鍋が三つ並んだ机の向こう側。そこに無視されて哀れな看板がありまする。

 「お願いなんて言わないで!お願いしたいのは私だから!」

 (うん、ウザいね。黙って食べてね。はい、あーん)

 「黙って食べるなんて無―――あっっっっつ!!」

 (てめ!汚いな!)

 折角の熱々おでんこんにゃく君が可哀相じゃないか!

 「なんてベタなマネを!」

 (楽しけりゃいいんだよ、多分)

 「こんな事は、あのこ……あれ?こ……」

 (こ?)

 「影の薄い名前すら浮かばない彼にやらせなさい!」

 (お前も名前忘れてたんかい!流石にちょっと可哀相だぞ!)

 「大丈夫よ。だって影が薄ければ薄いほど、無駄にハート強いストロングだから」

 (なんかその言い方イライラするんだけど……。はい、もう一口あーん)

 「私にあーんしていいのは本当はダーリンだ―――あ゛っっっつっ!!」

 (ちょ、お前!汚いって言ってんだろうが!!)

 「だって……でも、快感」

 キモいし、熱々おでんちくわさんが哀れだろうが!

 「あぁ、あーんしてくれるのがダーリンだったら、どんなに幸せな事か……」

 (なら妄想でもしながら食え。ほらあーん)



                 〜森野の妄想開始〜



 「ったく、これくらい自分で食えよな」

 ふてくされた顔して、ダーリンが愚痴を言う。

 「いいじゃないの」

 「……黙れやカスが」

 「あぁ、神々しいお言葉」

 「どこがだ!」

 「ダーリンの言葉なら全てが神の言葉よ」

 「いいから、口開けろ」

 「はーい」

 「……ホラ、あ〜ん」

 「あ〜〜〜ん♪」

 「……どうだ?」

 「あつ、あ゛っつ!!でも、おいしいよ、ダーリン♪」

 「そっか。よかった」

 なんて言って飛び切りの笑顔のダーリンが目の前に。



                 〜森野の妄想終了〜



 「キャハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー☆」

 (うおぅ!?急に叫ぶな馬鹿!心臓に悪いだろうが!!)

 「だってもう、だってあ、もう、アハ☆」

 (……キモいな……。まあいい。妄想効果はてきめんだな)

 「ん?」

 (一回の妄想中に鍋一杯分を全て食べるとは思わなかったさ……)

 「ダーリンは無敵なのよ!」

 (いや、慎吾よりお前の方がある意味無敵……)

 「ささ、次行こう♪」

 (妄想したいだけじゃ……?)

 「木の精よ♪」

 ……流せ、流すんだ私!ツッコもうなどと思ってはいけない、ツッコんだら死ぬと思え私!!

 (次の一口いくぞ、あーん)



                 〜森野の妄想再び〜



 「ほら、お前の為に作ったおでんだ」

 「まあ、ダーリンが私の為に!?」

 「ひ、ヒマだったんだよ」

 照れくさそうに顔を背ける愛しのダーリン。

 「さ、冷める前に早く食ってれよ」

 「うん!」

 「あーん、してやろうか?」

 「いいの!?」

 「もちろんだ」

 爽やかスマイルダーリン様様♪

 隣に座って、肩を抱かれて、引き寄せられて、

 「あ〜ん」

 甘いダーリンの一言と共に

 「あ〜〜〜ん♪♪」

 熱さなんて、ダーリンが隣で、しかも抱いてくれているだけで忘れてしまうわ!!

 「うまい、か?」

 「もちろんよ♪」

 「……よかった」

 照れたダーリンもカワイイのなんのって!できる事ならあなたを食べ―――



               〜作者により森野の妄想強制終了〜



 「キャッハハハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー☆」

 (お前なんて危ない台詞を吐きかけてんだよ!てかキモいからそれやめて!!)

 「もうだめ!幸せ!幸せすぎる!!」

 (暴走するな!あれは妄想だ!妄想であって現実で起こりうる事ではないんだ!!)

 「それでもいい、幸せなら♪キャハハ☆」

 ……ダメだ、完璧にショートしてる……。

 くそう、早く進めたいからって妄想なんてさせるんじゃなかった!

 「ねぇ、もうないの?」

 (ん?まだ鍋一杯分残って―――)

 「ないわ。食べたから」

 (そうか。じゃあ残ってない……なあぁにぃぃぃぃ!?)

 あ、あの、あの熱々おでん様方を妄想中に全て食べきっただとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!?

 「ねぇ、もうないの??」

 (えと、あと上に行けばデザートが……)

 「ダーリンが!?」

 (どんな間違え!?わざとだよな!わざとと言わねぇと妄想一切許さない!)

 「すみませんわざとです出来心からでした」

 素晴らしい棒読みいただきましたー。

 「とりあえず、ご馳走様でした♪」

 ……恐ろしきヒロイン森野美咲……。

 「次はどんな事してもらおうかなぁ♪キスとか抱きしめてもらうのは当たり前よねぇ♪」

 ……ホント恐ろしい森野美咲であった……。






 小橋が風邪と勘違いしているくしゃみに、今までに感じた事のない強烈な寒気にみまわれた瀬川の事はきっと、きっとそれはまた別の話。

 であると信じたい……。



私も壊れているのでしょうか、それとも森野が壊れているのでしょうか……。

もう、……分かりませんはははははー。


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