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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第三章 文化祭は所詮前菜?
85/117

84、出番は意外とすぐ傍に!?


今回は、少し短いです。

その代わり、次回は多分長くなります……。

 「さあ、楽しい文化祭の始まりだぜぇい!!」

 その生徒会長の叫びとともに、歓声が上がる。1年は戸惑いつつ、2、3年生はノリノリで、こぼれる笑顔が眩しい。

 その中に、入ってきた俺達、何てKYなんだ……。まあ、気付かれなかったから、よしとしておこう。

 「さあ、席につこうか……」

 「結婚式の?」

 「殺すぞ」

 「喜んで」

 「死ね、マジで」

 「キャハ♪」

 ……とりあえず、殴っといた。

 「てか、俺らの席どこ?」

 「知るか、んなの」

 「ええ!?」

 「だって、初めてだし」

 「そうそう」

 「え、まあ、そうだけどさ……。そうすんの?」

 「空いてる席に、適当に座ってごまかす!」

 なんかもう、吹奏楽部のオープニングセレモニー始まりかけてるし。

 「じゃあ、私はダーリンの隣で」

 「お前は校長の隣でも座ってろ」

 「嫌よ!あんなエロオヤジ!!」

 ……。

 まあ、森野の言う通りなんだけどさ。可哀相じゃん、本人聞いたら、泣いちゃうよ?あの人、心はか弱いからさ。バーコードもバーコードなりに、頑張ってるんだぜ。薄くなってきた髪を気にしつつ、『これ、ヤバいかなぁ』なんて呟きながら、日々生きてきてんだぜ。

 「てかさ、同じクラスの奴見つければよくね?」

 「あ」

 「……ああ」

 確かになぁ。でもさ、こう暗いと、見つけにくくねか?

 「フフ、何やってんのよ、ジュリエット」

 「ジュリエットじゃねぇ!」

 「あ」

 「良美!!」

 あ、見つけちゃった。しかもあっさり。楽勝に。

 「フフ、さあ、もう準備しないと、間に合わないわよ?」

 「何に?」

 「フフ、アンタもよ、パシリ」

 「パシリじゃねぇよ!小橋だよ!」

 「フフ、ウザいわね」

 ……?準備?衣装着るだけなら、準備とか、なくね?

 「フフ、さあこっちへ、お姫様」

 「姫じゃねぇよ」

 「姫は私よ!ダーリンの姫は私よ!!!」

 「とりあえずさぁ、お前はさぁ、死んどけよぉ」

 「嫌よ!まだダーリンとラブラブしてないもん!一つのジュースを二本のストローで飲んでないもん!」

 ……ベタだな。

 「遊園地に行く事も、公園を散歩も、デートも、まだまだしてない事がいっぱいあるわ!!だから死んだら、悔いが残りまくって、怨霊になっちゃう!!」

 「……」

 「フフ、怨霊じゃないんじゃない?」

 「しいていうなら、ただの幽霊だよな」

 「五月蝿いわよ、影薄!」

 「何で俺だけ!?斎賀はいいのかよ!!」

 「フフ、アンタみたいな下品な人に、呼び捨てされたくないわよ」

 「どこら辺が下品!?」

 「存在全てが」

 「……哀れなり、影薄ラー1号」

 さりげ、女子の言葉って、グサッと心に突き刺さりますよね。まさに直球ストライク!!バッター空振り三振の悲劇の様にさ。

 「フフ、ともかく行くわよ」

 「どこにだよ」

 腕をつかまれつつ、聞いてみた。

 森野は、いつの間にか消えてた。てか、友達見つけたみたいだから、そっちに行ったみたいだぜ。小橋は……どこだ?

 「フフ、……それは、ヒ・ミ・ツ♪」

 ……これほど人を殴りたいと思ったのは、森野以外で、久しぶりな気がした。

 「つか、俺らの出番いつ?てか、席どこ?つーか、この曲何?」

 「質問多いな……」

 「だって、センセの話し、聞けなかったんだぜ?」

 「フフ、遅刻するのが悪い。まあ、気付いてなかったみたいだけど」

 「何故に!?」

 「フフ、文化祭、大嫌いだからね、あの人」

 …………何か、嫌な思い出でもあるのかな?

 「フフ、それよりも、このオープニング終わったら、次出番だからね」

 「1組の後ってことか?」

 「フフ、そうよ」

 「斎賀ぁ、しつもぉん」

 「フフ、何?」

 「結局、ロミオ誰?」

 あ。

 「フフ、この私をなめないで」

 いや、なめるなって言われてもさ、困るよな。

 「じゃあ、決まってんの?」

 「フフ、もちろんよ」

 「誰だよ」

 「フフ、知りたいなら、私とデート2回ね」

 「それはダメ!ダーリンと初デートを飾るのは、私なんだから!!」

 「お前はいつもどこから湧いて出てくるんだ蛆虫ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 演奏なんて関係なしに叫んで、一蹴り。ん?先輩方の目が冷たい気がするぞ?まあ、気にしない方がいいかな。

 「フフ、仲いいわね、相変わらず」

 「嬉しくねぇよ、悲しいよ」

 「フフフ」

 ……。なんか、イラッとする……。てか、イラッとした……。

 「で、誰なんだよ、ロミオ」

 「フフ、ロミオはロミオよ」

 「確かにな」

 「いやいやいや!その、なんていうか……ロミオ役誰!?」

 「フフ、アンタよ、小橋」

 「だってよ、こば……えぇ!?」

 マジッすか?え?これ、マジで!?えぇ!?マジですか!?!?

 「フフ、お父様役、やっぱりいらないから」

 「いらないって酷いぜ!!」

 「確かに、いらないな」

 「俺に賛同するんじゃねぇの!?」

 「誰がお前なんかの味方するか」

 「フフ、哀れね負け犬」

 「負け犬じゃない!まだ負け犬じゃない!!」

 「じゃあさ、他の奴らは何すんの?俺と小橋だけなんか?」

 「フフ、何が?」

 「だから、出演者的な」

 「フフ、そうよ。だって、表に立って、お遊戯とか、私みたいに気高い女王が出来ると思って?」

 「……」

 君はまだ、そう思っていたんだね、斎賀……。

 「フフ、だから、アシスタントとして、ロミオを応援するわ」

 「何故に俺だけ!?」

 「何故に俺は蚊帳の外!?」

 「フフ、それは、本番になってからの、お・た・の・し・み♪」

 今日の斎賀は、いつも以上に怪しく笑った。




 そして、1組のアゲパンマン(ただ、上げパンしてる奴らが、どんちゃん騒いだだけ)は終わりを告げ、遂に、遂にきてしまったよ、俺の出番……。

 「ちょ、俺忘れんなよ!俺も出るからな!俺、一応目立つ役で出るからな!!」

 五月蝿いロミオ小橋、少し黙れ。しめるにしめられないだろ。

 「てか、心の声を読むな」

 「まあ、それが影薄の能力だからな」

 「なんて下品な能力だ」

 下品を強調して言って、ガラスのハートを打ち砕いた。

 そして、今度こそ、マジで俺らの出番はきてしまったのだ。


次回!遂に、遂に全校生徒の前に(保護者も含め)、女装した瀬川の姿が現れる!!




……かもしれません……。(焦

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