82、大丈夫なのか!?
明日でテストも終わり……。
その代わり、部活が始まる……。
ああ、俺の安らぎの時間、さらば……。
「フフ、今日という今日は、練習するわよ」
「イエッサー!」
「フフ、諦めるという事は、己の心の弱さに負けるということ、いいわね」
「イエッサー!」
「フフ、……じゃあ、気合入れていくわよ!」
「イエッサー!!」
……馬鹿か、こいつら。
「フフ、ノリが悪いわよ、姫」
「姫じゃねぇよ」
「気にすんなよ、お前は姫だ」
「ちげぇから」
「大丈夫、可愛いよ」
「嬉しくねぇし」
「なんなら俺が」
「で、何で急に劇の練習?」
「俺はシカト!?てか、なんでかぶせんの!?」
「フフ、気分よ」
「気分でいいのかよ」
「いいんじゃないのか?」
「いいと思うよ、私は」
「ねぇ、ちょっと、聞いてる!?」
「フフ、まあいいじゃない。もう明日なのよ、本番」
へぇ明日かぁ……。って、マジですか!?
「ちょ、それって……」
「まあ、大丈夫だろ」
いやいやいやいや!ダメだから!大丈夫じゃないから!だってさ、まだロミオ決まってねぇじゃん!てか、なんでまだ決まってないの!?
「大丈夫だよ、自分を信じて!」
いや、信じたくないよ、今の現実。否定したい、全力で。
「あの、聞いてますか?」
聞いてねぇよ。お前なんかお呼びじゃねぇよ。
「なあ、なんでそんなに目が冷たいのかな?何で俺に対してみんな冷たいのかな?」
「フフ、邪魔だから」
そのとーり。
「まあ……いなくても変わりはいっぱいいるしさ」
ごもっともで。
「……薄いし」
だね。
「薄いって、影が!?影がですか!?俺最近、ヒロインより頑張ってるじゃん!」
「ヒロイン馬鹿にすると、痛い目見るわよキィーック!!」
ネーミングセンス無っ!てか、ダサっ!!
「呼ばれて桃の木天狗の木!!」
……なんか、ちがくね?
「ダーリンに貶される事、6年間!愛を感じて今日も森野美咲は生きて」
「死んどけ、とりあえず」
「嫌よ!影薄に侮辱されるなんて、嬉しくても喜べないわ!素直に!!」
ああ、嬉しいんだ……。
「……他のクラスが何故ここに?」
お、確かにそうだよな、神郷。
「まあ、森野さんだし……」
『当たり前だよねぇ』ってか?俺の居る所にこいつは居るってか?マジウザいんですけど。
「さあ、今日という今日は、許さないわ!影薄小五郎!」
「主人公の友達なめんな!毒舌M小娘!」
……ところで、何でこの2人って、こんなに仲悪いの?
「いざ尋常に」
「勝負だ!!」
……勝手に殴りあい始めたし。
「フフ、頑張れ、美咲」
「負けんなぁ、隣のクラスの少女ぉ」
「が、頑張れ!」
……観客できちゃってるし、応援してるし。
てかさ、劇の練習はどうなったの?やめたの?本番明日なのに?こんなに悠長に過ごしていいの?
(ま、気楽でいいんじゃない?)
あ、作者だ。てかお前、まだテスト期間中じゃ……。
(どうせ国語だけだ)
だから。
(まあ、一応国語は得意だスィ、他のもそれなりに頑張ったスィ、まあ、何とかなるかなって)
勉強は?
(してないよ、当たり前じゃん!)
即答ですか……。てか、当たり前なのは、勉強してる人だから。
(いいんだよ、勉強はかじる程度で)
……だからお前は馬鹿なのか。
(馬鹿じゃない!やれば出来る(はずの)子なんだ!)
お〜い、ちっさく言った『はずの』もはっきり聞こえてんぞぉ。
(……サラバだ!!)
逃げたし……。
「私は負けない……。私には、護りたいものがあるの!」
「俺は負けられないんだ!意地とプライドと俺の存在が懸かってるんだ!!」
……なんか、ややこしくなってきてるし。てか、観客増えてる!?なんで!?
「愛は必ず勝つ!」
「影薄の底力は必ず勝つ!」
たいていの奴は負けてるからなぁ……。
「ヒロインなめんな!」
「影薄なめんな!」
どっちもどっちだよ、もう。てか、どーでもいい。
「……帰るかな」
まあ、そんなこんなで体育館を去ったのはいいけど、ホントに明日が本番なのに、一回も練習していない、俺らの劇は無事成功するのであろうか……。
てか、この話、どうでもよくねか?
(全くもって、そのとぉーりっ!!)
……作者よ、製造者のお前がそんな事言ったら、この小説は終わりだ……。
まあ、そんなこんなで、とうとう文化祭に無理矢理こじつけました。
て、ことで、次回からは、文化祭編です!
え?今までのはそうじゃなかったのかって?
……う〜ん、……微妙ですね……はい。