表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第二章 愉快な夏休みの過ごし方
64/117

63、肝試しスタート!?



スタートと言っても、あんまり始まってなかったりして……。


 作者に呼ばれて食堂に来たものの、とうの作者はいなかった。で、小橋からの情報によると、今夜、何故か今夜、怪我している俺も含めて肝試しをするらしい。

 「で、何で肝試しなんだよ」

 「ノリらしい」

 「ノリらしいよ」

 「フフ、ノリらしいわね」

 「ノリって作者が言ってたからな」

 ……あのボケ作者、何考えてやがるんだよ。てか、なんで松葉杖つきながらも肝試しに参加せにゃならんのだ。

 「……」

 相変わらず森野は暗いし。てか、あの馬鹿作者はどこ行った。

 (おまたせぇ☆ 待ったぁ?)

 「何時間待たせりゃ気がすむんだ、馬鹿」

 「かなり待ったぞ、アホ」

 「退屈で立ったまま寝そうだったじゃない、マヌケ」

 「フフ、主催者が遅刻なんて考えられないわ、ドジ」

 「俺を影薄影薄けなすから、天罰が下ったんだ、天然」

 「……」

 (揃いも揃って酷いな!それなりに準備、大変だったんだぞ!)

 「てか、なんで怪我人まで連れて来る必要があんだよ」

 (ご愛嬌で)

 「許さんぞ」

 (まあ、そう怒らんで)

 「そうだぞ瀬川。じゃないとまた外野から『ハゲる』とか言われるぞ?」

 「俺はハゲてねぇよ!てか、ハゲねぇっての!!」

 「ともかく、肝試しにルールとかあるの?」

 (2人一組になって、屋敷内を回ってもらいます)

 「フフ、その時に何かしたりしなくていいのね?」

 (これから説明する場所に言った時に、そこにあるカードに書かれた事をやってもらいます)

 「カード?」

 (う〜ん、例えば……おい、影薄。ちょっと来い)

 「何で命令形!?」

 (いいから、来いっつってんだろ)

 ……何か、小橋に対して性格ちがくね?

 「なんだよ」

 (例えば、こうして私とこいつがペアになったとして、カードを引いたとする)

 馬鹿作者が、どこからかカードを持ってきて、それをみんなに見せる。真っ黒のカードには、下弦の月の模様がある。作者曰く、お手製だそうだ。

 で、それを裏返すと、何か書かれていた。

 『ペアの片方が、相手を平手打ちする♪』

 ……最後の『♪』はなんだ!?楽しんでする事じゃねぇだろ、平手打ち!

 (こう書かれたとしたら、……せいや!)

 「なっ!!」

 問答無用で、下弦にはたかれる小橋……ドンマイ。

 「何すんだよ!いてぇだろ!?」

 (すると、カードはこうやって消える)

 作者の言うとおり、そこにはカードはなかった。

 (で、カードが消えると、次への道は開かれるからね。やらないと、永遠にそこの部屋から出られない)

 「何!?」

 (何か問題でもありますかな?)

 「例えどんなに嫌な事でも、やらないと出れないって事?」

 (もち)

 「じゃさ、やらないで朝まで待ってても出れないのか?」

 (出れないよ。やり遂げるまで)

 「フフ、もし永遠にやりたくない事だったら?」

 (永遠にそのまま、白骨化していただくまでです)

 「残虐だ!」

 (ルールはルール。護るためにあるのです)

 正論だけど、お前が言うとなんかムカつく。

 (じゃ、早速……)

 で、作者が取り出したのは、六本の割り箸。

 (この割り箸の先に、3色の色が塗ってある。それと同じ色の人と、ペアになってもらうからな)

 「嫌でも?」

 (嫌でも)

 「嫌いでもか?」

 (嫌いでも)

 「フフ、気に食わなくても?」

 (気に食わなくても)

 「隣に立ちたくなくてもか?」

 (もちろん、隣に立ってもらいます)

 「で、何故にみんなして俺を見る!」

 視線の先には、臆病者の小橋君。こいつ、お化け屋敷を見るだけで泣くからな……。肝試しなんてやったら、どうなるか……。

 (ともかく、引いて引いて♪)

 「はいはいっと……」

 「どれでもいいのよね?」

 「フフ、小橋以外なら、誰でもいいわね」

 「……」

 「あ゛〜、めんどいぞぉ」

 「……俺って、嫌われてるのかな?」

 で、引いた結果。

 赤が、葛野木と斎賀。

 「よかったぁ、良美となら心強いよ」

 「フフ、小橋とじゃなくって、よかったわね」

 緑が、狩燐と影……小橋。

 「置いて行かないでくれよ?」

 「……貧乏くじ引いたな」

 で、最後。青が、俺と森野。

 「ま、よろしくな」

 「……」

 ……何も言ってくれねぇと、寂しいな。ま、頷いたから、いっか。

 (じゃ、私は最後の部屋で待ってるんで)

 「ちょっと待ってよ、下弦」

 (何?)

 「フフ、回る道を教えてもらってないわ」

 (あ)

 「忘れてたのかよ」

 (テヘヘ☆)

 「『テヘヘ☆』で誤魔化そうとすんなよ」

 (はいはい、ごめんあそばせ)

 一組ずつ渡された紙に、この家の見取り図が書かれていた。そこに、いくつかの赤い丸印がついている。

 (別の組が別の組と会わないように、みんな道は違うから。そこらへん、ヨロシク)

 どこらへんだ、コラ。

 「何で会っちゃいけねぇの?」

 (ん〜、何となく)

 「そんな気分でやっていいのか!?」

 (いいんじゃね?)

 「フフ、この丸印が書いてある場所を巡ればいいの?」

 (そう)

 「よし!頑張っちゃおっかな!」

 (じゃ、順番は適当でいいから。心の準備が出来たらスタートね。じゃ、肝試し、楽しんでねぇ)

 「順番は、じゃんけんでいいか?」

 「フフ、いいわよ」

 「いいぜ」

 「じゃ、勝った順で、一番二番な」

 で、代表的な人、俺と狩燐と斎賀がじゃんけんした結果。

 「一番だ」

 「マジですか!?」

 という事で、狩燐達が一番。

 「フフ、二番よ」

 「なんか、微妙ね」

 てことで、斎賀達が二番。

 「最後だけど、ま、いいよな」

 「……」

 結果的に、俺らが最後。ちなみに、最初のじゃんけんで、俺は惨敗しました。運ねぇなぁ。

 「ともかく、行ってきやぁす」

 「お化け様方、出ませんよーに!」

 「フフ、私達はあっちからだから、一緒に出てもいいわね」

 「楽しもうね!」

 「俺らも道ちげぇから、行くぞ?」

 「……」

 「何とか言えよ」

 「……うん」

 てことで、森野は暗いままだけど、肝試しは始まった。



次回は、リーダー的な人の視点から書いていきます!

ていうか、なんか引っ張ってしまってすみません……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ