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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
39/117

39、Sは子供に弱い!?   後編

 「……」

 「確か、こっちに曲がるの」

 「あい」

 「……」

 「次は、こっちだったかな?」

 「あい」

 「……」

 「ここは、真っすぐだよ」

 「あいあい」

 「……」

 「……分からなくなちゃったよぉ」

 これで何度目の泣き顔でしょう。もう目は真っ赤。俺は、もう疲労で一杯。

 せ、背中がいてぇ……。

 「じゃ、じゃさ、とりあえずあそこの公園でやすもっか」

 「……うん」

 ああ、頼むから、そんな顔はしないでくれよ!!こっちまで泣きたくなるわい!!泣かねぇけど!!

 「……うう、おかぁあさぁん」

 「泣くなよ、な?お前、男の子だろ?」

 「だって、だってぇ……」

 「ほら、泣くなって。泣いてたら、お母さんが来てくれないぞ?」

 「……なんでぇ?」

 「……ウチの母さんが言ってたから」

 ……つ、つい言ってしまった!なんという不覚!!

 「にぃちゃんのおかあさんが?」

 「……そう。泣くような弱い子は、私は面倒見ないって。強くありなさいって。人を護れるような子になりなさいってさ」

 「なんで、強くなくちゃいけないの?」

 「人は、人と支えあって生きてる。でも、支えてもらってばっかじゃいけないんだ。だから、人を支えられるような強さを持ってなくちゃあいけない。人を支えて、人に支えてもらえるような、そんな強さを持たないといけないんだ」

 「おかあさんが、そういってたの?」

 「そ。だから、俺は泣かなかったぞ、迷子になっても。……って言っても、見つけてもらった時に、泣き止んだだけなんだけどな」

 「それじゃあ、にぃちゃんは、もう強いの?」

 「さあ、どうだろな。自分の強さなんて、わかんねぇからな」

 「ふ〜ん」

 ……って、子供相手に何言ってんだ、俺!!何故に昔の思い出を語ってる!!?

 こんなストーリーじゃねぇだろ!?これ!!そうだろ!!

 「じゃ、ボク、もう泣かない!」

 「……へ?」

 「そしたら、にぃちゃんみたいになれるかな!?」

 いや、俺みたいになるんじゃねぇ。なっちゃいけねぇよ、俺は穢れ放題だからな。

 ……自分でそう言っといて、なんかむなしくなってきた……。

 「ねえ、なれるかな!?」

 ……ああ、もう。うっとうしいなぁ。

 「なれるよ、きっと」

 あ〜、言っちゃった。

 「ヤッターーー!!」

 そこ、喜んじゃいけねぇから。逆に悲しめ、この俺みたいになってしまう事を。

 「ヤッター!じゃあ、ボクがにぃちゃんみたいになれたら、絶対にぃちゃんを支えてあげるね!!」

 「……ああ」

 「えへへ」

 ……えへへってなんだよ、えへへって。

 ま、いっか。

 「さ、もう十分休んだし、お母さん探しに行くか!」

 「うん!!」

 たまにはいいよな、こんな日があってもさ。……たまには。


 「たしかねぇ、この公園出たらぁ」

 そっち行くと、家のある方なんだけど?

 「こっちいってぇ」

 なぁんだ、ちげぇのか。

 「あ、ちがうな。だって、こんなおうち、立ってなかった」

 「じゃあ、元の道に戻ろう」

 「たぶん、こっち!!」

 だから、そっちは、俺ん家があるって。

 「……あ、あれ!!あれ!!あれ!!」

 同じ事を三度も言うな、少年よ。一度言えば分かるさ!多分!!

 で、その細くてちっさい指が指す方に、電灯に照らされた女の人が見えました。

 ありょ??見覚えあんな……。

 細くて背が高く、ちょっと儚い印象を与えるその人。髪形はモチ、ポニーテール。

 その髪が、大きく揺れた。

 あ!ああ!!AA!!!

 思い出したかも!!

 「おかーーーーーさーーーーーーーーーん」

 走っていく沙琉覇。振り返る母親。あ、やっぱし。

 「沙琉覇!!」

 お隣さんじゃん。よく郵便、『瀬川』と『瀬野』、間違えられるから、いつの間にか親しくなってた、お隣さんだ!!

 「わぁぁぁぁん!!会いたかったよぉ」

 「よかったぁ。無事だったのね、沙琉覇」

 あ、俺、邪魔??じゃ、そういう事で、さようなら―――。

 「アレ?慎吾君??」

 ば、バレた!?てか、見つかった!?!?

 「お隣の息子さんの……やっぱり、慎吾君だ」

 「ど、ども」

 「シンゴクン?」

 「そう、知らなかったの?沙琉覇」

 「うん」

 「そうよね、滅多に会わないものね」

 ソウデスねぇ、って事で……さよな―――。

 「もしかして、慎吾君がうちの子を連れてきてくれたんですか??」

 「連れてきたって言うか、なんていうか……」

 「そうだよ!このにぃちゃん、とぉっても優しいんだよ!!」

 沙琉覇!!俺はこういう場面が苦手なんだ!!だから早々に立ち去りたかったのに、何て事を言う!!

 「そうだったんですか。有難うございます」

 深々と頭を下げる沙琉覇ママ事、春乃さん。

 あ゛〜、照れるから、そういうのはやめて!!

 「あ、あの、えっと、ですね。こっちも迷ってた訳だし、思い出せなかった訳ですし……」

 「でも、沙琉覇を連れてきてくださった事は、真実でしょ?」

 「ま、まあ、……はい」

 「やっぱり、お礼は言わせて頂かないと」

 「いや!ホント、そういうの結構ですから!!」

 「ホラ、沙琉覇も。有難うって、慎吾お兄ちゃんに」

 「有難う、慎吾おにいちゃん!!」

 「お、おう」

 「じゃ、またね!!」

 「……おう」

 そんな感じで、長い一日は終わりました。長いって言うか、めんどくさい一日は、やっと終わってくれました。




 ……なんか、いいお話で終わってね?てか、こんな感じで終わるの初めてじゃね??

 てかもう、SM関係なくね??お笑いどころが、なさ過ぎじゃね??

あ゛あ゛〜〜〜!どうしよう!!全然笑えない!!ていうか、慎吾が良い子キャラになっちゃった!!←そこ!?

どうしようどうしようどうしよう―――


慎吾「ども、みなさん。いつも有難うございます、読んでもらって。で、作者の馬鹿がネガティブ入ったんで、代わりに言いたい事を言わせていただきます。

作者曰く、この俺は良い子キャラにしたくなかったようで、書き終わって読み返した時、絶望の淵に立たされたとか、三途の川を見たとか……。

あ、これ、森野が俺に惚れた理由を書こうとしてこうなってしまったらしいです。ま、どうでもいいけど」


どうしようどうしようどうしよう……。

あ、そうだ。首を吊ってみればいいんだ……。


慎吾「やめろ!それだけはやめろ!!

さ、作者が危ない淵に立ったので、今日はこれで。じゃ!」


ちなみに、次回はキャラ特集です……。ガクッ


慎吾「何気に次回予告した!?てか、意識を取り戻せ、作者!!作者ーーーー!!」

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