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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
36/117

36、くらぁい彼女!?

 「おっはよぉ、ダーリン!!」

 「朝っぱらから引っ付くな、変態!!」

 「変態じゃない!愛の妖精よ!!」

 「どのへんがどう妖精なんだよ!!」

 「私の存在、す・べ・て」

 「一発、殴ってもいいか??」

 「はい、喜んで!!」

 「じゃあ、……死ねぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇ」

 思いっきりストーカーをぶっ飛ばしたところで、おはよう。読んでる時間帯とか関係なく、おはよう。

 「ダーリン、ダーリン♪」

 「ダーリンじゃねぇっての!俺は、―――」

 「森野慎吾、でしょ?」

 「勝手に人の名前変えてんじゃねぇよ!!」

 「変えてないわ!日本の法律上、夫婦は同じ苗字にしなきゃいけないのよ!!」

 「夫婦じゃねぇし!てか、まだ結婚すらできねぇし!!」

 「じゃあ、瀬川美咲??」

 「それもさっき言ったとーりの事じゃねぇか!!」

 「でも、そっちにしろ、名前と苗字、合ってたよね(照」

 「合ってねぇよ!!てか、認めたくねぇよ!!つーか照れるな!!気持ち悪い!!」

 「認めたくない!?じゃあ、ちょっとでも合って―――」

 「この口は、続きの言葉を言いますか?」

 「……言いません」

 「よろしい」

 絞めた首を離して、突き飛ばす。乱暴に見えるけど、こうでもしねぇと、うじ虫は離れねぇ。

 「キャッ!ごめんなさい!!」

 あれ?誰かにぶつかってみたいだな??だれだ??

 「……過ちて改むるにはばかることなかれ」

 「??」

 な、何て言った?

 ていうか、纏ってるオーラ黒!!限りなく黒!!ていうか、暗い!!

 「……あ、あの、どちらサマー??」

 夏!?

 「……慌てる乞食は貰いが少ない」

 「??」

 やっぱり、何て言ってんのか、サッパリ分からんぞ!?

 「あの、せめて名前、教えてくんない?」

 じゃないと、何か、気まずいから!!ていうか、空気が重過ぎて、耐えられなくなるから!!

 「……芙茶麒(ふさぎ)……畔枝(くろえ)

 ……何か、名前からして暗っ!!てか、存在そのものが暗っ!!

 「わつぃ、森野美咲!ヨロシクね」

 わつぃってなんだよ!!何語だよ、どこのなまりだよ!!

 「……空き樽は音が高い」

 「??」

 ……何か、馬鹿にされたような気がするのは、何故かな??畔枝が、ほくそえんでるからか??

 「なんだかよく分からないけど、こっちは私の愛しいダーリンよ!!」

 「誰がダーリンだよ!!」

 「慎吾」

 「下呼びすんなーーーーーーー!!」

 「じゃあ、ダーリン♪」

 「そっちもすんな!」

 「もう、注文が多いなぁ」

 「お前が馬鹿だから、俺がいちいちツッコまねぇといけねぇんだろうが!!」

 「……悪事千里を走る」

 ……何か、聞き覚えがあるよーな、ないよーな……。

 と、とりあえず、いい事を言われていない気がする。これ、直感!

 「……ねぇ、せっかくだし、一緒に学校行かない?」

 おお!珍しく、森野から人を誘ってる!!

 「一人よりさ、みんなで学校行った方が、絶対に楽しいから!」

 「……じゃあ、俺はお先に」

 「ダメよ!ダーリンは私の一何だから!!」

 「どういう意味だよ!」

 「ダーリンがいないと、私は死にます」

 「じゃ」

 「ま、待ってよぅ!!先に行かないで、お願いだから!!」

 「お願いだから、その汚ねぇ手を離せ!!」

 「いや!寂しくて、美咲は」

 「死になさい」

 「ひどぉーい!!」

 「いつもの事だろ!?」

 「そう、いつでも私はダーリンの傍にいるわ♪」

 「本当に居るから、邪魔くせぇんだよな」

 「……普通、恐いとか、そういうもんじゃ……」

 「恐くねぇもん。どちらかと言えば、キモウザい」

 「そんなぁ……ガックシ」

 「効果音を自分で言うな!!」

 バシッ!!と、森野の頭を叩き、逃げる。

 「ああ、まってよ、ダーリン!!」

 「ダーリンじゃねぇって、何百回言わせんだよ!!」

 「死ぬまで♪」

 「お前が??じゃあ、今ここで殺してやろうか??あん??」

 「……頭の上の蝿を追え」

 「……はへ?」

 「??」

 変な音は森野で、言葉になってないのは俺。

 ……何か、本当に馬鹿にされてる……??でも、何故に??

 「……さっきから君が言ってるのって、ことわざ?」

 ……頷かれた。

 …………………………普通にしゃべればよくね??

 「ささっ!学校に、れっつらごー」

 「……思いっきり日本語の発音なんだけど!?」

 「めいあいすぴーくいんぐりっしゅ!!」

 「……一度死んで、最初の授業からやり直せ」

 「死ぬ必要ないんじゃないの!愛しのハニーが死んでもいいの!!?」

 「どこら辺がどうハニー!?てか、お前を愛しいと感じた事は、一度もない!!」

 「私は今でも貴方を愛してます」

 「……さ、行こうか、……ええっと」

 「……芙茶麒」

 「芙茶麒さん?」

 ちょっと笑った気がするのは、気のせい??

 「ちょっとちょっと、ちょぉっとぉ!!」

 せっかく歩き始めたのに、とめるなよ、馬鹿。

 あ、今までの会話中、ずっと俺らとまってたんで、そこんところ、よろしゅうに。

 「んだよ、最強の馬鹿」

 「最愛の馬鹿の間違いじゃないの!?」

 「ありえねぇ」

 「何その言い方!それでも浮気した夫の言い分!?」

 「浮気したつもりはねぇし!!てか、その前に夫になってねぇし!!なりたくもねぇし!!」

 「え!?嘘言っちゃいけないわ!!私とダーリンは、婚約を決意した仲でしょ!?」

 「お前の馬鹿な妄想の中ではな」

 「妄想じゃない!!想像です!!」

 「あっそ。マジ、どうでもいいわ。さ、行こう」

 くらぁいオーラが消えない芙茶麒さんの隣に立って、その手をとる。

 「あ゛あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 「んだよ!!うるせぇな!!ちったぁ、黙ってらんねぇのかよ!!」

 「無理でございまっす!!」

 「じゃあ、その口へし折るまでだ!!」

 「ダーリン!?早まっちゃいけないわ!!ていうか、口じゃなくて、鼻じゃ―――」

 「問答無用!!」

 「でも、ずるい!!」

 「何がだよ!!」

 「私だってまだダーリンと手繋いだ事ないのに、芙茶麒さんが、先に繋いじゃったぁ」

 「……」

 「ダーリンと手繋いでいいのは、この世界で私だけなのにぃ」

 「……殺すよ??」

 「殺すんなら、芙茶麒さんね!!絶対私、根に持つからね!!」

 「……悪女の深情け」

 「何ですって!?もう一度言ってみなさい!!」

 えぇっ!?意味分かって言ってるのか、森野!!

 「……悪女の深情け」

 て、そのまま繰り返し言ってくれてるし!!何か、思った以上に優しい子かも……。

 「それ、どういう意味!?」

 って、やっぱり分かってなかったんかい!!

 「……醜い女は美しい女に比べて愛情や嫉妬心が強い」

 は、初めて普通の言葉(?)を聞いた気がする……。

 「醜いって、私の事!?そんで自分が美しいて!?ふざけないで!!私のほうが、美人だわ!!」

 ……はっきり言って、どうでもいいぞ、そんな事。

 「もう一度同じ事言ってご覧なさい!私が天罰を下してあげるわ!!」

 いや、天罰受けるべきなのって、お前じゃね??ていうか、お前だよ、きっと。いや、絶対に!!

 「……頭隠して尻隠さず」

 「頭も隠してなければ、お尻も隠してないわ!!」

 いや、そういう意味じゃねぇし。てか、それぐらい分かっとけよ。馬鹿森野。

 「……(あつもの)に懲りて(なます)を吹く」

 「熱いものに懲りても、なまずなんて、意味分からないわ!!」

 いや、お前のほうが意味わかんねぇよ。

 「……油に水」

 「油に水!?それでなにをしようっての!!」

 いや、何もしねぇから。てか、ことわざだって事に気付け、馬鹿。

 「言いたい事は明日言え!」

 お!?はっきりものを言うようになった!!でも、ことわざなのはかわらねぇ!!

 「今日言わないと、もう会えないかもしれないでしょ!?」

 いや、確かにそうだけどさ。もっとゆっくり考えて言えって言われてんだよ、お前。つまり、『馬鹿な発言ばっかしてんじゃねぇコノヤロー』的な発言されてんだぞ??

 「ぐずぐずしてないで、さっさとかかってきなさい!!ミンチにして、コロッケにしてあげる!!」

 いや、コロッケあんま肉つカワねぇから。どうせだったら、肉団子とか、ハンバーグとかにしろよ……。

 「言うは易し行うは難し」

 「何言ってんだか、サッパリ分からない!日本語を話しなさい!すぴーくいんぐりっしゅ!!」

 英語にすんなら、ちゃんとした発音で言えぇーーーーーー!!!

 「命長ければ恥多し」

 ……あの、まだ13年しか俺ら生きてないんですけど。もう恥じさらしてるって事ッスか!?

 「冗談じゃないわ!私、永遠にダーリンと生きるの!生き延びるの!!」

 どう意味を取り違った、森野!?

 「……はぁ、後は野となれ山となれ」

 あ!それなら俺も分かる!!

 「森野にはなれるけど、森山にはなれないわ!!」

 いや、そういう意味じゃねぇし。てか、どうやってそうなった!?

 「……馬鹿」

 「なぁに、ダーリン!貴方の事なら何でも聞くわ!!」

 「じゃ、死ね。今すぐ、5秒以内に」

 「え?……えぇ!?」

 「5」

 「え!?カウント!?」

 「4」

 「待って待って!いくらなんでも―――」

 「3」

 「死ねません!!ねぇ、聞いてよ、ダーリン!!」

 「2」

 「ちょ、ちょっと!!ストップだって!!!」

 「1」

 「死ねないよぉ……」

 「0」

 「……」

 「何で死んでねぇの?ふざけんなよ、クソアマ」

 「……案ずるより生むが易し」

 「安産!?産みやすい!?」

 ……ホント、死んでくんねぇかな。

 「さ、あの馬鹿はほっといてもゴキブリ並みに生命力強いから、先行こう」

 「だからぁ!!手ぇ、繋いじゃダメ!!」

 「……悪女の深情け」

 「また言ったぁ!!」

 ……こんなに馬鹿な人が近くにいるって、ある意味奇跡じゃね?

はい!!いきなりですが、話に出てきたことわざの意味を紹介します!


慌てる乞食は貰いが少ない……あわてることは失敗のもとである。


空き樽は音が高い……よくしゃべる人には考えの浅い人が多いたとえ


悪事千里を走る……悪いうわさはたちまちの間に遠くまで知れ渡るということ。


頭の上の蝿を追え……とかく人の世話をやきたいものだが、それよりもまず自分のことをしっかり始末せよということ。


頭隠して尻隠さず……悪事や欠点を、自分では完全に隠したつもりでいても、その一部分が現れているのを知らないでいること。


羹に懲りて膾を吹く……一度失敗したのに懲りて、用心しすぎるたとえ。


油に水……たがいにしっくりしないこと。


言いたい事は明日言え……言いたい事があってもちょっと待って、ゆっくり考えてから言いなさいということ。


言うは易し行うは難し……口で言うだけならだれにでもできるが、それを実行するのは難しい。


命長ければ恥多し……あまり長生きをすると、恥をさらすことも多くなる。


後は野となれ山となれ……目の前のことさえ片づけば、後はどうなってもかまわない。


案ずるより生むが易し……あれこれ悩んで心配したことも、やってみたら案外と簡単にできる。


な、長かった……(疲

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