35、ちょっとやり過ぎな正当防衛!?
せっかくの三連休の二日間は、まともに休めず、……アレ?いつからか知らない?えっと、主役が無理矢理変られそうになった頃からです。
で、今日に至る。
「う〜ん……平和って、素晴らしい」
てな感じで、誰もいない部屋でポツンと寝てます。やっぱり五月蝿いのが居ないといいねぇ。双子ちゃん達は、母さんと一緒に出かけてるみたいだし。森野が来ないように、厳重に鍵しめたし。あとは、……何かあった気がするけど。まあ、いっか。
「さぁて、久しぶりに昼寝でも―――」
「添い寝してあげるよ」
「!!どこから入ってきた、変態親父!!」
いつの間にか現れた、家の馬鹿。いい加減、会社に戻れよ……。
「ホラ、一人じゃ寒いだろ?だから、パパが一緒に寝てあげるよ」
「いいよ!近付くな!」
枕を投げ飛ばし、顔面命中。お見事、俺。
「いいじゃないかぁ、パパだってぇ、寂しいんだよぅ」
「お前はハムスターかよ!」
「お前……?お前だと!?」
ゲッ!恐いわ!!その厳つい顔で怒るなよ!!マジメに恐いから!!
「いつも言っているだろう!?お前じゃない、パ―――」
「ZZZ……」
「あれ?慎吾??」
「ZZZ……」
「おーい、慎吾。ツッコミ役が、寝ていいのか??」
「……むにゃむにゃ……」
「……か、カワイイな……」
「……ZZZ」
「今のうちなら、近付いても怒られないよな」
「……しゃんなろーい」
「……どんな寝言だ?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「添い寝チャァンス!」
「……」
「いただきまっす!」
「……………………………、あまいわ!!」
飛び込んできた馬鹿鳥を、必殺グーパンチ!!モチ、顔面狙いで!!
「甘いな、狸寝入りだとは気付かないとは……チョコより甘い」
ちょっと痛い手で、こっそりガッツポーズ。
よっしゃ、親父に一泡吹かせてやったぜ!
「てな訳で、もうくんなよ、馬鹿親父!!」
「親父じゃない!!パ―――」
「どうでもええわぁぁーーーーーーー!!」
部屋の外へ投げ飛ばし、掃除終了。ドアを閉めれば、もっと清潔。
「あ、開けてくれよ、慎吾!パパは、パパは慎吾と寝たいだけなんだ!!」
「それがいやだって言ってんだろ!?」
「いやよいやよも―――」
「好きのうちな訳あるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドアを開けて、一蹴りしてから、再び閉める!この間、5秒くらい??
「パパに暴力ふるって、お前はそれでいいのか!?」
「暴力じゃねぇよ!正当防衛だ!!」
「そうか!!」
「納得すんのかよ!!」
「隙アリ!!」
ゲッ!!ドアを開けて蹴る前に、抱きついてきやがった!!
「もう、……もう、お前を離したりなんかしない」
「……そういう臭い台詞は、母さん言えよ」
「もう、お前を悲しませたりなんかしない、約束だ」
「スルーかよ!!てか、台詞臭いって!!」
「口臭い!?それは本当か!?」
「口じゃねぇよ、台詞だよ!!口も臭いけど!!」
「あ、そういえば、朝歯磨きしてなかったな」
「じゃ、磨けよ!てか、加齢臭がクセェから、離れろよ」
「……か、加齢臭だと!?ピッチピチの―――」
「三十代後半なんだから、諦めろ!!」
くっついてくる馬鹿変態親父に、至近距離から手加減なしでグーパンチ!!ちょっと中指を出して、抉る感じで!!
まあ、そしたら見事にぶっ飛んでくれまして、ありがたいっすね。
「殴ったな、二度も殴った!!」
「お前はアフロか!!」
「……アフロ??」
あ、ヤベッ!!ミスった!!
「○ムロか!!」
「そうそう、それが正解だよ」
「ツッコミに正解もハズレもあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
渾身の回し蹴り!!
「愛してる、一緒に寝よう。シンゴーーーーーーーー!!」
「ブレ○ブ・ス○ーリー!?てか、あの感動の部分を侮辱すんなぁ!!」
今度は飛び蹴り!!
見事に階段まで吹っ飛んだクソ馬鹿死ねアホ変態親父は、見事に階段を転がっていったとさ。
……てか、度が過ぎてね?
………………今頃遅いか(照