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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
32/117

32、お弁当は大切に!?

 「ダーリン!一緒にお弁当、食べましょう!!」

 「ウッサイ、近付くな。お前はそこら辺の女子と食ってろ」

 「嫌よ、ダーリンと食べなきゃ、お弁当を食べた気になれないわ」

 「じゃあ、食うな、永遠に」

 「永遠に愛を誓う?……もう、こんな所で、照れるじゃない」

 「何勘違いしてんだよ!!気持ち悪ぃんだよ、クソ馬鹿!!」

 ……どうも、休む暇を与えてもらえない瀬川です。何故、今の状態になったのか、ちょっくら説明します。

 今日は、学年の親睦を深めるために、遠足(?)的な事にする事になって、弁当を持参しました。以上!!分かりにくいかもしれないけど、説明的な事は嫌いなんで、何とか理解してください。

 え?無理??何とかなりますよ、多分。……絶対に無理??仕方ないなぁ、説明しますよ、分かりましたよ、説明すればいいんでしょ?説明すれば!!

 今日は、近くの公園……といっても、ただの公園じゃなくて、自然公園って所に来てます。そこで遊んだり弁当を食べたりする事で、学年内の親睦を深め、絆を強くするためにこの計画を立てました!って、実行委員会長が言ってました。確か、……こんなんだった気がする。

 「ねぇ、ダーリン!一緒に食べよ!?」

 そのため、クラス関係なく弁当を食う事が許可されてる。その為に、この馬鹿はしつこいんだ。

 「ヤだっつってんだろ?俺は、小橋達と食うの」

 「じゃあ、混ぜて」

 「ヤダ、ほな、サイナラ」

 「ちょ、即決!?」

 「そうですけど、何か問題でもおありで??」

 「おおありだわ!せっかく愛妻弁当持ってきたのに……」

 「ンなもん、持ってくんなぁーーーーー!!」

 「きゃぁ!何するのダーリン!?ドメスティックバイオレンス、再び!?」

 「ウザい、黙れカスが」

 「カスじゃない!まだ、食べかすじゃない!!」

 「その事言ってんじゃねぇよ!!」

 「じゃあ何!?私が作ったお弁当、食べてくれないって言うの!?」

 「当たり前だろ!?誰がお前なんかが作ったもんを食うか!!俺には、母さんが作ってくれた、弁当があるんだよ!!」

 「マザコンマザコンマザコン!!」

 「デ○ノートよ!今こそ降ってくる時がきたぞ!!さあ、来い!来るんだ、○ューク!!」

 「ごめんなさいごめんなさい!もうしませんから、死神は呼ばないで!!」

 「リアリ??」

 「リアリ」

 「なら、この場から去り、絶対に近付くな」

 「それは無理であります、軍曹!!」

 「だぁれが軍曹じゃ!!」

 「す、すみません!!でも、こんな事しちゃいけません、軍曹。みんな噂してるんですよ?私達、できてるんじゃないかって」

 「お前が勝手に近付いてくるからだろぉがぁーーーー!!ていうか、コレのどこが仲良くしているように見える!?そう思った奴らの目は節穴か!?」

 「いえ!!巣穴でございます!!」

 「なんのだよ!!」

 「……ツバメ……的な??」

 「テキトーに答えてんじゃねぇよ!!ていうか、考えるなら、言わんでいい!!」

 「はい、瀬川一等兵!!」

 「おい!この短期間で何があった!?一気に位が下落したぞ!?」

 「気ニシナーイ」

 「勝手にパクるな!!せめて、許可を得なさい!許可を!!ていうか、お前が言うと、かなりムカつくんだけど!!」

 「もっとムカつきなさい!そして、私をいじめてください」

 「小橋ぃ、飯食ったら、何する??」

 「え?……アスレチックで遊ぶとか?」

 「いいなそれ」

 「じゃ、早く食っちまおうぜ」

 「いきなり放置プレイ!?しかも、二人で!?」

 「なぁ、アスレチックって何だ?」

 「アスレチックは……アスなレチックだ」

 「そうか、分かった。流石小橋。物知りだなぁ……」

 「ねぇ、ダーリン!?今ので何が分かったの!?ハッキリ言って、何も分かってないじゃないの!!」

 「……小バエがウゼェな。ちょっと退治してくらぁ」

 「お、おう……」

 シートを敷いたりするのは小橋に任せて、馬鹿クソ森野と向き合う。……キモい。

 「やっとダーリンは私を見てくれるのね!!これからも、末永くお願いします!!」

 「勝手に話を進めるな」

 「……今日のダーリンは冷静なのね」

 「腹減ってるからな」

 「なら……」

 「なら?」

 「抱きつきのチャンス!!」

 抱きつこうとしてきたハエを、

 「甘い!!」

 と、一喝。そのまま、突っ込んできた勢いを使って、腹にストレートをかます。どうだ!参ったか!!

 「……な、内臓的なものが出てきそう……」

 「どんだけぇ!?」

 「そ、そんなダーリンも、だいす、きよ。……私がいなくなっても―――」

 「シート敷けたぞ、瀬川。早く弁当食って、遊びに行こうぜ」

 「おうよ!!」

 「……あれ?」

 森野完全無視で、自分のシートに座り、弁当の包みを開く。

 おお♪流石母さん♪俺の好きなもんばっかじゃねぇか♪♪

 「あのぉ、ダーリン、無視ってやつですか?これは」

 「お、お前の美味そうだな」

 「やらねぇぞ」

 「……ケチ」

 「ケチで結構、大いに結構」

 なんて話しながら笑って、森野再び虫。……じゃなかった、無視。

 「私の愛妻―――」

 「おぉ!うっめぇ!!さっすが母さん。料理の腕は、ミッチェルさんを超えるよ」

 「誰でも超えられるよ、あの人の料理なら……」

 「あ、確かに」

 「お前、あの人の料理を甘く見ちゃぁ、いけねぇぜ」

 「お、お前の弁当も美味そうだな、狩燐(かりん)

 「一口、やろうか?」

 「一口と言わずに、もっとくれよ♪」

 「ダメだ。それ以上食う気なら、もうやらん」

 「ゴメン、誤るから、大地の恵みを恵んでおくれ♪」

 「ホラ、玉子焼きやるよ」

 「あざぁっす!」

 「……」

 弁当持って、孤立中の森野。やっぱり馬鹿は、無視に限る。

 ていうか、弁当ウマウマ♪♪

 「美味しいねぇ、お弁当♪」

 「って、何故にお前が混じってんだよ!!」

 水筒パーンチ!!アソパソマソ風。

 ……たまに、こういう風に『ン』が、『ソ』みたいになってる人、いるよね。その一人、俺だから。

 「酷いわ、ダーリン!!さっきの一撃のせいで、弁当がグチャグチャだわ!!」

 「自業自得だろ」

 「……もういい!ダーリンのお弁当もらうから!!」

 「誰がやるかよ!!」

 「えぇ!?くれないの!?!?」

 「ったりめぇだろ!?くれると思ってたのか、この小バエが!!」

 「だって、だって!私は貴方の―――」

 「俺はおめぇの、何??」

 あんまり怒気を効かせて言ってる訳じゃねぇけど、みんなが一歩引く。

 一人だけの例外、それは小橋だった。当たり前だとも言いたげに、黙々と弁当を食ってる。……いいなぁ、幸せそうで。そういうの見てると、崩したくなるんだよな。うん。

 「あ!!」

 「いっただきぃ♪」

 隙を突いて、から揚げゲッツ!!(笑

 「何が(笑 だ!!ふざけんなよ、コラ!!」

 「俺に逆らう気?お前、いつからそんな力得たの??」

 「すみませんでしたぁ!!」

 再び周りが一歩引く。……あ、シートからはみ出してるぞ。

 (この食い物の怨み、いつか晴らしてくれようぞ)

 「お前、どこの戦国大名?信長か?信長なのか??」

 「豊臣です」

 「ああ、惜しい」

 ……何だ、この会話。歴史の勉強??

 って、自分で自分にツッコんでしまった!!瀬川慎吾、一生の不覚……!!

 「ていうか、人の心読むなよ」

 「ていうか、遅くね」

 「まあ、気にするな。ていうか、さりげなくから揚げ盗ろうとすんな」

 「いいじゃんか!一個や二個!!」

 「もうお前は一個食べただろ!?」

 「足りまっせぇん!!」

 「だったら、自分の食え、自分の!!」

 「嫌であります!!織臣 信秀康(おとみ のぶひでやす)様!!」

 「誰だそれ!!何人混ぜた!!」

 「3人であります!!」

 「混ぜたの分かってんなら、混ぜんじゃねぇ!!」

 「気のせいであります!!」

 「気のせいじゃねぇだろ!?ていうか、自分でさっき言ってたろ!!」

 「ウゼェな、気のせいだっつってんだろ?黙ってろ、サルが」

 「……す、すみませんでしたぁ!!」

 「くるしゅうない、さあ、わびとしてから揚げでももらおうかのぅ」

 「ははぁ!!」

 三度、一歩引くみんな。もう、シートに乗ってません。というか、半泣きです。……何故に??

 「あ〜ん♪」

 「って、お前はまだここにいたのかよ!!」

 「放置されてて寂しかったゾ」

 「……さあ、みんな怖がらなくていいから、一緒に食おうぜ」

 「お、おう」

 「ダメ!!ダーリンは私だけのダーリンよ!!近寄らない―――グバァッ!!」

 「気にしない気にしない。さあ、食おうって」

 満面の笑みで飯を食う俺と、強烈なジャブをくらって、ダウンしてる森野。再び引きかけたみんなが、ゴクンとつばを飲み込んで自分のシートへと帰ってくる。何で、つばを飲むんだ?

 みんなが、遠慮気味に、おかずを譲ってくれるのは、何故かな?まあ、美味いからいいけど。


 そのあと、みんなが帰るまで、森野は目覚めなかったとさ。めでだし、めでたし♪

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