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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
31/117

31、学んだS!?

 疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた疲れたつかれあ、って、舌噛んだ。

 ……どうも、疲労困憊のそれでも中学一年、瀬川です。

 あ゛〜、もう。どうしようもないほどに疲れました。ていうか、疲れさせられました。やれままごとだ、やれ電車ごっこだ、やれ絵本読んでだ……これだから、チビどもは嫌いなんだよ。あ〜あ、この世からウザいチビさんを消してくれないかなぁ。

 「ダーーーリ゛ーーーーーーーーン゛」

 前言撤回、この世から、ウザい人物全てを消してください、神様!!

 「んだよ、へばりつくな、カスが!」

 「ガスでも数でもスカでもいいから、このままでいさせてぇ」

 「嫌です、離れなさい。ていうか、触れるな」

 「やだぁぁぁ。ダーリンに触れてないと、私、生きていけません!」

 「家に帰ったあとは、どうすんだよ、ボケ」

 「……そ、それは……あ、あのですねぇ、……と、とうさ……」

 「とうさ……まさか!お前、また俺を盗撮したのか!?」

 「はい、ムービーで!」

 ニッコリ笑顔で、嬉しそうによくもまぁ、そんな事がいえるな。

 「てか、なんでムービー?どのタイミングで撮った??」

 「……昨日、可愛いいとこさん達と遊んでいるところを、ちゃっかり」

 「消せぇぇぇい!!いますぐ、それを消せぇぇぇい!!」

 「嫌よ!これが私の生きる糧なんだから!!」

 自慢気に取り出したテープを、モチ、叩き割る。

 「ああ!なんて事するの!?私の宝を!!」

 「誰の許可得てこんなの撮ってんだ?コラ。今度こういう事をやってみろ、地獄に送ってやるよ」

 「今すぐやるんで、お願いします!」

 「俺をなめてんのかぁぁぁぁ!!」

 しつこいハエを、叩き潰す。って言っても、頬をつねるだけ。

 ……アレ?叩き潰してなくね??

 「いふぁいてふ!いたいふぇふぅ!!」

 「この口でそんな事を言うか!その口、二度と利けないようにしてやる!!」

 「なんふぇ!?」

 「ストーカーに、神の鉄槌を!!」

 「やふぇふぇぇぇえl!!」

 と、言いつつ、嬉しそうなのがウザい。まじめにウザい、心からウザい、心から消えて欲しい。てか、消えろ。

 「いふぁひ!いふぁひてふ!!岐阜です!!」

 「岐阜!?」

 「あ、まひはへた。ギブでふ!!」

 どこでどう間違った!?何故にギブが岐阜になる!?お前の脳を解剖しないと、解けない謎が多すぎるよ!!

 「いったぁい。これが、ダーリンの愛のムチなのね♪」

 「もっぺんやられたいか??」

 「はい!!」

 「……こいつに常識でモノを言うんじゃなかった」

 「そうよ、私に常識なんてないの!!私の常識は、ダーリンが―――」

 「それ以上!言ったら何が起きるか分かるかなぁ、森野君」

 「……はい、先生。もう(多分)言いません」

 「ちっさい声で多分って言ってるの、聞えてるからぁぁ!!」

 「すみません!すみません!!もう、一回だけ言って終わりにします!!」

 「いっぺん死んで見るか?もしかしたら、俺が振り向くような女になれるかもよ?」

 「ホント!?……って、いや、嘘です!!死にたくありません!!私は死にません!!」

 道路に突き出そうとする俺に対して、へばりついてくる馬鹿。……ちっ、しくじったか。

 「……ねぇ、今、心の中でしくじったって」

 「……」

 「しくじったって、言ったよね?今、言ったよね??」

 「……」

 「無視しないでよ、愛しのダーリン」

 「……」

 「もう、分かってるんだゾ。三回『……』が続いたら、話してくれるって」

 「……」

 「……あの、記録の更新とか、そういうのしなくていいのよ?ダーリン」

 「……」

 「愛してるわ、ダーリン。だから、あの、ちょっとでいいんです、はい。言葉を発してくれませんか?」

 「あ」

 「……へ?」

 「……」

 「た、確かに『あ』も言葉だけど、あの、私一人でしゃべってると悲しいんですけど。ものすっごく、恥ずかしい気がしてきたんですけど」

 「……」

 「そろそろぉ、お話再開しましょっか、ね??」

 「……」

 「再開しまショッカー……なんちゃって」

 「……」

 「あ、あはは!お、面白いなぁ!私って、本当に天才かも!!アインシュタインの孫かも!!」

 「……」

 「嘘です!ごめんなさい!!くだらない、親父的な発言しちゃって、なんか、あの、なんていうか、えっと、その……すみませんでしたぁ!!」

 道路に土下座する馬鹿。それを左へ受け流すぅ♪俺。

 「あの、ムディーさんやらなくていいんで、私と話してくれません?」

 「……」

 「ねぇ、ダリーンのツッコミがないと、この話は成立しないのよ!」

 「……」

 「ねぇねぇ、ダーリン」

 「……はぁ……」

 「はぁ、……のあと!そのあとが欲しいの!!ねぇ、言葉を、我に言葉をお与えください!!」

 「……」

 「あの、雲とか見なくていいんで。今日、快晴なんで、雲ないし」

 「……」

 「いや、雨も降らないって、ダーリン。そんな仕草しても、降らないものは降らないのよ、ダーリン」

 「……」

 「……」

 「……」

 「……」

 「……」

 「……あ゛〜もう無理!もう、この放置プレイにはたえられません!!」

 「……」

 「お願いです、瀬川様!いや、瀬川帝王様!!その清々しいお声を、どうかお聞かせください!!」

 「……」

 「瀬川様ぁ!!もう、盗撮も何もいたしません!引っ付いたりするのも、我慢します!!ですから、どうか、どうかこの森野めを許してくださいましぃ!!!」

 ヒステリックな森野を一人捨て置き、俺はスタスタとその場を去った。


 こうして俺は学んだ。馬鹿は放っておけば、自滅すると。

 ……今度から、あんまりしゃべらないようにしぃよおっと!ハハハ!!(黒笑

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