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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
24/117

24、ある意味スゴイ!?

 「慎吾、気をつけてな。変質者に襲われそうになったら、すぐ、家に帰ってくるんだぞ」

 「……あいあい」

 「絶対、パパを呼ぶんだぞ」

 「……それはイヤだ」

 「絶対に、絶対に、パパって呼ぶんだぞ」

 「……いってきまぁす」

 「いってらっしゃい、慎ちゃん」

 ニコニコ笑いながら手を振る母さんの隣で、涙ながらに親父は俺を見送っていた。……戦争に行く前ですか、俺は。

 「慎吾ぉ!早く、帰ってきておくれよぅ!!」

 「俊さん、そんな事言っちゃ、慎ちゃん、学校に行きにくいでしょ?」

 「ヒッグ、ヒッグ……だってさぁ―――」

 なんて会話を背に聞きながら、ホトホト飽きれた。ていうか、……やっぱり飽きれた。

 「はぁ、どうして俺って、こんなに変な連中に囲まれてんだ?」

 馬鹿すぎるMとか、二重人格とか、ガラスのハートとか、ホモとか……。もう、疲れたよ、パトラ○シュ。……てか、このネタも使いすぎたよ。そろそろ飽きるよ……はぁ。

 「す、すす、すみまっせん!」

 「はい?」

 急に目の前に現れたのは、綺麗な女性。OLかな?

 「こ、ここ、告白してください!!」

 「はあ?」

 告白してくださいって、初対面なんですけど……。

 「じゃ、なくて、この道教えてください!」

 どんな間違え方!?ある意味、すばらしいよ!!

 「は、初めての土地で、慣れなくて、迷っちゃったんです……」

 「ああ、そゆ事」

 差し出されたメモ書きには、どこに行くかしか書いてなかった。ああ、当たり前だよ、迷って。だってココ田舎だから、道が複雑なんだよね。

 「粂燦(くめさん)株式会社は、この道じゃなくて―――」

 「え?この字って、クメさんって読むんですか?」

 「……そうですけど?」

 でも、クメさんって人、どこにもいないから。てか、そんな人いないから。

 「私、これ全然読めなくて、道も尋ねられなかったんです!」

 「……そう、なんですか」

 「はい!足す狩りました!!」

 すみまっせぇん!字が違います!おっそろしく、字が違います!!

 「じゃ、なくて、助かりました」

 「……はぁ」

 この人も、危ない雰囲気がするな。早く道順教えて、追っ払おう。

 「ココを真っすぐ行って、信号を右に曲がって、また真っすぐ行って、十字路を左です。そうすれば、おっきな看板が見えてくると思うんで、後はすぐたどり着けますよ」

 「あ、アリが十匹です!」

 た、確かにそうだけど……。そんな感謝の仕方って、ありっすか?

 「じゃ、なくて、有難う!!」

 そんなこんなで、彼女は去っていった。……まだまだ、なんか不安でけど……。



                 ― 数分後 ―



 「しゅ、首里城!」

 首里城!?何故に首里城!?首里城に行くんだったら、沖縄へどうぞ!

 てか、この人、さっきの女の人じゃん!!

 「あ、また貴方ですか?よかったぁ、身罷りました」

 ……それ、しちゃいけなくね?てか、身罷ってたら、貴方今、死んでますよ?

 「じゃ、なくて、助かりました!!」

 ……なんかもう、ツッコム気力も失いそうだよ。

 「あの、また道に迷っちゃったんですけど。すみません、方向音痴で」

 「……いや、別に構いませんよ」

 方向音痴にも、程があるよ?何で戻って来れたの、ココに。どうやって戻ってきたの、ココに。

 また、同じ事を言って、とりあえずすましたけど……。

 「上がり症でございます!」

 ……あっそ。てか、何でニュアンス、○ザエさん?

 「じゃ、なくて、有難うございます!」

 もう、会いたくないかも……。



                 ― また、数分度 ―



 「エクス・キューズ・ミー!?」

 カタコトの英語!?いや、話しかけ方はあってるよ、バッチリだ。

 だけどさ、ココ日本だよ?何で、わざわざ英語にした!?

 「じゃ、なくて、ちょっとよろしいですか?」

 「さっきも言いましたよね」

 「ああ、君だったの?なんか、緑があるね!」

 …………………………………………………………あ。

 ……緑じゃない、縁だよ。

 分かりにくい間違えはやめてくれない?危うく見落としそうだったじゃないか。てかさ、分かる人にしか、よく分からないから。

 ……あ、よく分からない人、国語辞典で引いてごらん。ビミョーな違いが分かるから。

 「また、オゴリッすね!」

 「……」

 「じゃ、なくて、有難うね!」

 この人の人生そのものに、疑問を抱かずにはいられないよね……。



                 ― さらに数分後 ―



 「まさにその時!!」

 何が起こったぁぁぁーーーーーーー!!?まさにその時、何があったんだよ!?何が起こったんだよ!?ていうか、引っ張り方が、ベタだよ!!

 てか、またお前かよ!?

 「じゃ、なくて、すみません!」

 もういいよ。飽きたよ、人生に。そろそろ、13年という、短い人生の終止符を打つ時が来たんだな。

 分かったよ、死ねばいいんだろ!?もういいよ、分かったよ、作者!俺に死んで欲しいんだろ!?いいよ、死んでやるよ!!死ねばいいんだろ、馬鹿作者!!

 「あの、もう一度―――」

 「もう好きな道行けよ、これ以上俺の傍によるなよ、貧乏神!!」

 あ、言っちゃった……。

 「貧乏神じゃない!疫病神よ!!」

 何気に自分の立場理解してるーーーーー!!

 偉いっ!森野と比べれば、かなり偉い!!……でも、本当に、偉いのか……?

 「あ゛あ゛〜〜〜!!私のダーリンが、他の女性とデートしてる!!」

 「このどこがデートに見えんだよ!朝7時半からのデートって、どんだけだよ!!てか、俺はお前のダーリンなんかじゃねぇっつの!!」

 「許さない、許さないわよ、サナエ!!」

 「誰だよ、サナエって!!てか、勝手に新キャラ作るな!!下弦が怒るだろ!!」

 (そうだ、そうだ!……と、思いつつ、その名前、使わせていただきます!)

 「使うのかよ!!」

 (使うさ!だって、名前とか、考えるの面倒だもん)

 「それだけの理由かよ!!」

 (知らぬ間に、下弦は去って行っていた)

 「勝手に終わらせようとするな!ボケ作者!!」

 「……ダーリン、誰とお話してるの?」

 「誰って、下弦に決まってんだろ?ヘボ作者の」

 「ああ、女神様」

 「……は?」

 「女神様とお話できるなんて、やっぱりダーリンはすごいね!!」

 「……」

 (フフ、思い知ったか、俺様の存在を!!フハハハハハハ!!!!)

 ……ひとまず、二人目の馬鹿は置いといて、まずは、一人目の馬鹿をどうにかしなくては。

 (おい!女神様を無視するな!!)

 「ウッセェ!!黙ってろ、数学2馬鹿!!」

 (それを言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!)

 「言われたくなかったらとっとと消えな、馬鹿が」


 と、言う訳で、無駄な行を使ってしまったけど、本題(?)に戻ります。


 「ダーリン!サナエから離れて!ていうか、サナエ。貴方が離れなさい!!」

 「……はい?」

 絶句する女性と、憤慨してる森野。勝手に一人で怒ってる馬鹿は、ほっとくが一番だ。

 「まあ、気にしないでください。同級生の馬鹿ですから」

 「はぁ……」

 「馬鹿じゃない!愛の知識は、盛りだくさんよ!!」

 「ほっといていいんで。そのうち、静かになるから」

 「ほ、ほっけ」

 ……ほっけって、魚かよ。

 「あ、じゃ、なくて、はい」

 「カワイ子ブリッ子してないで!!ダーリンから―――」

 「だからですね、こっちを曲がって―――」

 「はい」

 「ちょっと!距離が近いわ!!18禁よ!!」

 「こっちを曲がったら―――」

 「はい」

 「ちょっと!!唇が!!唇がぁーーーー!!」

 「ココに来ますよね。で―――」

 「はい、はい」

 「ねぇ、聞いてるの?ダーリン!私だけの、王子様っ!!」

 「マッ○が見えてくるんですよ―――」

 「○ックですね―――」

 「お姫様は、あたしだけで十分でしょ!私がダーリンのお妃様なの!!」

 「そこを抜けると十字路で―――」

 「へぇ、そうだったんですかぁ」

 「その女、本当は道順とか全部知ってるのよ!ダーリンと話したいだけなの!!私から、ダーリンを取り上げた―――グホッ」

 耳元でワンワン喚く蚊を叩き潰して、話を続ける。

 「十字路に出たら―――」

 「左に行けばいいんですね?」

 「右よ!右に行きなさい!!そして、そこで人生に終止―――」

 「だまっとれ!!ストーカー馬鹿M使えない女!!」

 再び蚊を叩き潰して、話し続行。

 「左に、曲がればいいんですね?」

 「そうです」

 「まぁ、親切に、お訪ねてください」

 「……」

 「じゃ、なくて、新設に、有難うございます」

 もう、いいよ……。


 そのあと、無事に目的地にたどり着けたか分からないけど(俺的に無理だと思う)、その女性は去って行った。

 ……結局、彼女の名前って、なんだったんだろう。

 ちなみに、彼女の名前は、(一応)佐々原 幸江です。

 え?読めない?辞書でも引いてください。

 え?めんどくさい?ささはらさちえですよ。そのまんま、字の通りに読めば、間違いねぇだろ?……ちっ。


 暴言、失礼しました!!(焦)

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