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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
17/117

17、変な知人!?

 ゴキブリ(作者?)とのバトルを終えて、疲れているのに即塾へ。どうせ勉強なんてしねぇのに、何故に塾なんかいかねぇといけねぇんだよ。

 「ねぇるなよ、寝ちゃダメよ」

 ちょっと間抜けな声のそいつは、赤星麗二(あかほし れいじ)。同じクラスだけど、学校が違う。確か……どこだっけ?

 「うっぜぇな。だまってろい。俺は寝るためにここに来たんだ」

 「ねぇるんなら、家のほうがよくねか?」

 「……それもそうだな」

 「だからって、かえるぅなよ」

 「いいじゃん、かえっても。ていうか、帰らせろって話だよな」

 「慎吾、お前、ここに何しにきぃたの?」

 「寝にきたっつってんだろが!!」

 「そこっ、五月蝿いよ!!」

 「すんまっせぇん」

 気のない返事をすると、先生からチョークが放たれた。俺も麗二も上手く避ける。その代わり、後ろの連中が被害をこうむった。ドンマイ!後ろの人々よ!!

 「甘いっ!」

 「なっ―――!?」

 先生の言葉通り、甘くなかった。二本目のチョークは、見事に額にヒットして白い跡を残して落ちた。麗二はそれも避けたらしく、平然としていた。

 「甘いな、慎吾」

 「うっせぇな。てか、なんでどん臭そうなお前が、そんなにかわせてんだよ」

 「ん?避けてるつもりはなぁいんだけど」

 そう言ってる間にも、次々と放たれるチョークをかわす。

 先生もスゲェけど、麗二もスゲェ……。てか、先生、諦め悪いよ。

 「なぁ、お前武道でも習ってんのか?」

 「空手なら、かGる程度に」

 「かGるって何だよ」

 「変換ミス?」

 「……お前、森野の分身か?」

 「森野?森野なんてCらんよ」

 「Cらんよって何だよ」

 「入力ミス?」

 「……やっぱお前、森野の分身だろ?」

 「知らぬが仏」

 「やっぱそうなのかよっ!!」

 「五月蝿いっ!!」

 今度は二本目のチョークもかわせた。同じ手は喰らわないよ、先生。

 「甘いっ!」

 「は―――!?」

 今度は黒板消しが飛んできた。それは俺の目に刺さって、落ちていった。

 「先生!児童虐待ですよ!」

 「えぇ、ここはこうしてぇ。こっちはこうすると、こうなるわけでぇ―――」

 「無視するなーーーーーーーー!!」

 「五月蝿いって……言ってるでしょぉがぁぁぁぁああぁぁぁぁああ!!」

 重そうに取り出した何かを、思い切り俺に向かって投げてきた。それは、やっぱり見事に俺に命中した。

 「どう?超特大スーパーウルトラチョークX2のお味は」

 「……X2って、1もあるのかよ」

 「あるわよ、えぇっと。どこに置いてあったかなぁ?」

 「探さんでいいわいっ!てか、授業進めろ!!」

 何だよ、この塾は。前から来てるけど、変なんだよ。先生、なんか怖い人だったり、コスプレしてたり、メッチャ老けてたり、やる気がなかったり。普通の所じゃ、ありえないっつーの!!……あ、この話自体、普通じゃねぇじゃん……(泣)

 「なぁ、慎吾」

 「んだよ」

 「おにぎりの中に具が入ってないと、なんか悲しぃいよな」

 「はぁ?!」

 「だってさぁ、具があってこそのおにぎりじゃんか。ないと、虚しくね?」

 「ま、まあ。むなしぃんじゃねぇの」

 メェッチャクチャ、どうでもいい話なんですけどぉ!!

 何故に塾中におにぎりの話?何故に今のタイミングでおにぎり?やっぱり普通じゃないからなのか?そうなのか?そうだからなのかぁーーーー!?

 「それと」

 「まだ何か?」

 「茶碗蒸しってさぁ、茶碗に入ってなかったら、名前変わっちゃうのかな?」

 「え?」

 「茶碗に入ってるから、茶碗蒸しっぽいじゃん?でもさ、普通の容器だったら、ただの蒸しな訳でしょ?虫と勘違いされちゃいそうだよねぇ」

 「そ、そうだな」

 それもどーでもいいぃーーーーーーーーーーーー!!!!!!

 何だよ、何なんだよ!!何でおにぎりの次に茶碗蒸し!?そんなに和食好きなのか!?俺も好きだけど、お前も好きなのかよ!?

 だーけーどっ!!塾にこの話、かんけぇねぇじゃん!!

 「あ、あぁれもそうだよな」

 「……あれ?」

 「釜飯も釜じゃなぁきゃ、変わっちゃうのかな?」

 「……さぁ、なぁ」

 「釜飯なのに、炊飯器でやったら、炊飯器飯?なんか、一気に不味そうになったぁね」

 「……でも、お弁当とかもあんじゃん」

 「それは、釜でやった後かもしれないだろぉ?だぁから、いいの」

 「へぇ……」

 あくまで和食っなのね。もういいよ、君にはツッコまない。そうしたほうがいいて、俺の本能が教えてくれてるよ……。

 ……でも、確かに炊飯器飯って、不味そうだな。てかさ、それ普通のご飯じゃねぇかぁああーーーーーー!!真っ白い、魅惑の普通のご飯だよっ!!やべぇ。真面目に考えてしまった、俺自身が恥ずかしい。

 その時、救いのチャイムは鳴った。今日はこれで終わり!もうクランクアァップ!!

 「あ、さぁいごに一つ」

 「な、なんだよ」

 「茶碗とおわんって、何が違うのか、いまいち分かりにくいよね」

 ……もう、この塾やめてもいいですか?

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