17、変な知人!?
ゴキブリ(作者?)とのバトルを終えて、疲れているのに即塾へ。どうせ勉強なんてしねぇのに、何故に塾なんかいかねぇといけねぇんだよ。
「ねぇるなよ、寝ちゃダメよ」
ちょっと間抜けな声のそいつは、赤星麗二。同じクラスだけど、学校が違う。確か……どこだっけ?
「うっぜぇな。だまってろい。俺は寝るためにここに来たんだ」
「ねぇるんなら、家のほうがよくねか?」
「……それもそうだな」
「だからって、かえるぅなよ」
「いいじゃん、かえっても。ていうか、帰らせろって話だよな」
「慎吾、お前、ここに何しにきぃたの?」
「寝にきたっつってんだろが!!」
「そこっ、五月蝿いよ!!」
「すんまっせぇん」
気のない返事をすると、先生からチョークが放たれた。俺も麗二も上手く避ける。その代わり、後ろの連中が被害をこうむった。ドンマイ!後ろの人々よ!!
「甘いっ!」
「なっ―――!?」
先生の言葉通り、甘くなかった。二本目のチョークは、見事に額にヒットして白い跡を残して落ちた。麗二はそれも避けたらしく、平然としていた。
「甘いな、慎吾」
「うっせぇな。てか、なんでどん臭そうなお前が、そんなにかわせてんだよ」
「ん?避けてるつもりはなぁいんだけど」
そう言ってる間にも、次々と放たれるチョークをかわす。
先生もスゲェけど、麗二もスゲェ……。てか、先生、諦め悪いよ。
「なぁ、お前武道でも習ってんのか?」
「空手なら、かGる程度に」
「かGるって何だよ」
「変換ミス?」
「……お前、森野の分身か?」
「森野?森野なんてCらんよ」
「Cらんよって何だよ」
「入力ミス?」
「……やっぱお前、森野の分身だろ?」
「知らぬが仏」
「やっぱそうなのかよっ!!」
「五月蝿いっ!!」
今度は二本目のチョークもかわせた。同じ手は喰らわないよ、先生。
「甘いっ!」
「は―――!?」
今度は黒板消しが飛んできた。それは俺の目に刺さって、落ちていった。
「先生!児童虐待ですよ!」
「えぇ、ここはこうしてぇ。こっちはこうすると、こうなるわけでぇ―――」
「無視するなーーーーーーーー!!」
「五月蝿いって……言ってるでしょぉがぁぁぁぁああぁぁぁぁああ!!」
重そうに取り出した何かを、思い切り俺に向かって投げてきた。それは、やっぱり見事に俺に命中した。
「どう?超特大スーパーウルトラチョークX2のお味は」
「……X2って、1もあるのかよ」
「あるわよ、えぇっと。どこに置いてあったかなぁ?」
「探さんでいいわいっ!てか、授業進めろ!!」
何だよ、この塾は。前から来てるけど、変なんだよ。先生、なんか怖い人だったり、コスプレしてたり、メッチャ老けてたり、やる気がなかったり。普通の所じゃ、ありえないっつーの!!……あ、この話自体、普通じゃねぇじゃん……(泣)
「なぁ、慎吾」
「んだよ」
「おにぎりの中に具が入ってないと、なんか悲しぃいよな」
「はぁ?!」
「だってさぁ、具があってこそのおにぎりじゃんか。ないと、虚しくね?」
「ま、まあ。むなしぃんじゃねぇの」
メェッチャクチャ、どうでもいい話なんですけどぉ!!
何故に塾中におにぎりの話?何故に今のタイミングでおにぎり?やっぱり普通じゃないからなのか?そうなのか?そうだからなのかぁーーーー!?
「それと」
「まだ何か?」
「茶碗蒸しってさぁ、茶碗に入ってなかったら、名前変わっちゃうのかな?」
「え?」
「茶碗に入ってるから、茶碗蒸しっぽいじゃん?でもさ、普通の容器だったら、ただの蒸しな訳でしょ?虫と勘違いされちゃいそうだよねぇ」
「そ、そうだな」
それもどーでもいいぃーーーーーーーーーーーー!!!!!!
何だよ、何なんだよ!!何でおにぎりの次に茶碗蒸し!?そんなに和食好きなのか!?俺も好きだけど、お前も好きなのかよ!?
だーけーどっ!!塾にこの話、かんけぇねぇじゃん!!
「あ、あぁれもそうだよな」
「……あれ?」
「釜飯も釜じゃなぁきゃ、変わっちゃうのかな?」
「……さぁ、なぁ」
「釜飯なのに、炊飯器でやったら、炊飯器飯?なんか、一気に不味そうになったぁね」
「……でも、お弁当とかもあんじゃん」
「それは、釜でやった後かもしれないだろぉ?だぁから、いいの」
「へぇ……」
あくまで和食っなのね。もういいよ、君にはツッコまない。そうしたほうがいいて、俺の本能が教えてくれてるよ……。
……でも、確かに炊飯器飯って、不味そうだな。てかさ、それ普通のご飯じゃねぇかぁああーーーーーー!!真っ白い、魅惑の普通のご飯だよっ!!やべぇ。真面目に考えてしまった、俺自身が恥ずかしい。
その時、救いのチャイムは鳴った。今日はこれで終わり!もうクランクアァップ!!
「あ、さぁいごに一つ」
「な、なんだよ」
「茶碗とおわんって、何が違うのか、いまいち分かりにくいよね」
……もう、この塾やめてもいいですか?