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ドSな俺と、ドMなアイツ  作者: 下弦 鴉
第一章 彼の周りの不思議人物たち
15/117

15、S vs ○○○○!? 後編

 「さあ、ゴキちゃんとどう戦う」

 再び(かなりの勇気を絞って)家の中に入って、ゴキちゃんの動きを見ながら俺は言った。てか、つぶやきし○うみたいな言い方で言った。だって、大きな声出して、ゴキちゃんが暴れだしたら大変だろ?

 「……あ゛〜もうっ!何で今日に限ってゴキちゃんなんだ!?」

 頭をくしゃくしゃにかきむっしても、むしゃくしゃが収まらない。てかさぁ、何で二話連続でゴキちゃんを書くんだよ。おかしいだろ、イカれてんだろ、ボケてんだろぉーーー!!

 「こんっの、ボケ作者がぁーーーーー!!」

 思わず叫んでしまった瞬間!!作者の怒りと共に、ゴキちゃんに動きがあった。

 また羽を広げ、飛ぶ体勢に入ったのだ!!やめろっ!!それだけは、やめるんだぁー!!

 「くるなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 ほんっとゴメンなさい。作者様、いや、神様。ホントすみません。心から謝るんで、ゴキちゃんをどうにかしてくださいっ!

 いやですっ!!生みの親に向かって、失礼なやつめ。神の裁きを受けなさい!

 神様仏様作者様〜!!どうか哀れな俺を、どうか助けておくんなましぃ〜!!

 とりあえず、再び外へ避難する。ゴキちゃんが、扉に体当たりした音が聞こえる。……ヤベェ、ヤベェよ。怖くて扉が開けられねぇ……。

 どうしよう、ってか、俺どうなるの?このまま家に入れない系ですか?それともゴキちゃんと戦わせる気ですか?それとも、てか、逃げていいですか?ゴキちゃんのいない所まで、逃げさせてもらってもいいですか?というか、逃げさせてください。

 静かになった扉の向こうに潜むゴキちゃんの様子を見るために、すこぉしだけ、扉を開く。

 「……アレ?」

 いないぞ、ゴキちゃん。扉にもいないし、靴箱の上にもいないし、靴の中にもいない。花瓶の中でもないし、招き猫の上でもないし、階段でもない。本格的に、いない気がする。……この本格的の使い方、間違ってね?

 「……あ、もしかして―――!」

 心配は的中したようで、ゴキちゃんはリビングにいた。そしてそいつは、ミッチェルさんの手製の、地獄のドーナツを食おうとしていた。……グッバイ、ゴキちゃん。それを食べたら、きっと君はこの世を去る事になるだろう。……お疲れ様でした。

 「……さよなら、ゴキちゃん」

 ドーナツにかぶりついたと思われるゴキちゃんは、動きを止めた。きっと死んでしまったのだろう。ああ、哀れなり、ゴキちゃんよ。

 「……え?……嘘?」

 ゴキちゃんは死んでいなかった!動いたんですよっ!!かすかにっ!!ピクピクッと、動いたんです!!

 そして、変化は起こりました。異様に輝く赤い目。大きくなる、黒いボディー。逞しくなった六本の足。……ミッチェルさん、あんたは魔物を作る腕があるようです……。

 出来上がったのは、巨大なゴキちゃん。キモさも倍増、大きさも倍増、怖さも倍増!この世の終わりです!!破滅です!!

 もう殺せないじゃん!あんなの潰したら、真面目にホラーになるよっ!!

 「……フフフ、瀬川慎吾君、君に復讐の時が来たようだ」

 しゃ、しゃべったぁーーーー!!しかも標準語で!!しかも、なんか分かんないけど、俺を根に持ってるみたいだし!

 「忘れたとは言わせないぞ!作者様をボケ呼ばわりして、ただで済むと思っているのか!!」

 「も、もしや、貴方は……」

 「そのもしやのもしや。下弦鴉様だぁ!」

 「……鴉なのに、ゴキブリって。それでいいのかよ」

 「ブツブツ言ってないで、そこに直りなさい!!今すぐそうしないと、近づいてやるっ!」

 「え゛ぇ〜!!それはないですよ!!」

 「さあ、早くすわれっ!私が根性ってもんを叩き直してやるよ」

 「……子供っぽい事で怒る人に?」

 「はぁいそこっっ!!何か言ったか?」

 「いいえ、別に!」

 「では、そこに座れ。私が、……何教えるんだっけ?」

 「……根性じゃ、なかった?」

 「敬語はどうしたこのヤロウ!!馬鹿だからってナメてると、痛い目見るぞ!!」

 「……自分で馬鹿って言っちゃったよ」

 「うっるさい!!お黙りなさい!!」

 「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁ!!ちっ、近づくなぁ」

 のっそのっそと歩くのはゴ……じゃなくて、下弦鴉。そう思っても、見た目はゴキブリだ。気持ち悪い。大嫌い。近付くなバカヤロォ!!

 「……よし、やっと座ったな。偉い偉い」

 近いよ、めっさ近い。もうちょぉっと離れてほしい……。

 「で、ええっと。何の話をしてたんだっけ?」

 「根性を叩き直すそうですよ」

 「そうそう、それそれ。最近物忘れが激しくって、親にも馬鹿にされ始めてるんだよねぇ。悲しいよねぇ」

 「……はぁ」

 「別にさぁ、覚えてなくてもいいじゃんか。なのにさ、うちのオバンときたらうるさいったらありゃしない。小言をブツブツ、ブツブツ。姑かっての」

 「……あのぉ」

 「やれ勉強しろ、やれゴミを捨てろ、やれ部屋を片付けろ。もう、○校生何だから、黙ってロッテの!!」

 「……ロッテ?それって、♪ロッテコアラの―――」

 「そのせいで、いまだに反抗期が終わらないんだよねぇ。それにさぁ、聞いてよ!私の友達、産まれた頃から反抗期なんだってぇ。ある意味すげくね?」

 「……どーでもよくね?」

 「あ、話がそれたね。何だっけ?親の事だっけ?ホントしつこいよねぇ」

 「……話違うしっ!」

 「そろそろ一人暮らしとかしたいじゃん?どこがいいかな?やっぱ、レオ○レス?それとも、……って、そんな事する金がねぇや」

 「……すみません、キャラ、変わってません?」

 「やっぱ住むんなら都会だよなぁ。俺が住んでる所、ド田舎なんだよ。一応言っとくけど、一番大きい店が、ア○タです。知ってる人は、知ってるよねぇ」

 「……」

 「でもさぁ、ウチから遠いんだよね。もっと近くにねぇのかよっ!みたいな?寒い時に自転車こいでると、そう思って寂しくなるんだよねぇ」

 「……」

 「アレ?また話がずれた気がするんだけど、何の話してた?」

 「テメェはずっと田舎で、畑でも耕してろっ!!」

 ゴキブリ、もとい、下弦を殴る。思いっきりグーパンチで。

 ……あ、ゴキブリ触っちまったよ。まあいっか。後でちゃんと、手、洗えば。

 「おまえさぁ、人に根性叩き直してやるって言っといて、それはねぇんじゃねぇの!?お前の根性を叩きなおしてぇよ!!ふざけんじゃねぇぞ!!貴重な行を無駄に使いまくって、それでもお前は作者かっ!!」

 「そうだよ、作者だよ。悪いかよ?俺だってなぁ、好きでこんな事やってんじゃねぇよ!!(小説書く事は好きです)ゴキブリにだってなりたかなかったよ!!」

 「そーゆう問題じゃねぇから!!」

 「いいから、聞けよ!これ聞いてくれたら、絶対帰るし、ゴキブリもいなかった事にするから!!!」

 「絶対だな?」

 「ああ、絶対だよ」

 「……よし、しゃべっていいぞ」

 「最近学校にゴキちゃんが異常に現れるようになったから、『あ、これ、話のネタにしちゃえばよくね?』って思ったんだよ!!それだけだよっ!!じゃあな、クソがきっ!!」

 嵐のように現れた作者は、また、嵐のように去って行った。そして約束どおり、ゴキちゃんもいなくなっていた。よかったよかった。

 ……それにしても、学校にゴキちゃんが出るって、ある意味悲劇だな。大変なんだな、作者も。

 「あ、塾」

 ……もう、いっか。いかなくて。今日は、そんな気がしました。疲れたというより、面倒臭い。そんな感じですね……。

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