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第五話 ちゃぶ台でお茶を飲みましょう

「それは解るけどさあ」


 リアライズマスターは解る。私も伊達にリアライズをプレイしていないから。

 問題は目の前にいる鎧。どうして私の目の前にゲームのキャラクターが居るわけ?


「だからそれについてははっきりと言ったばかりだろう」


 溜息を吐いて鎧は言った。あ、もしかして口に出てたのかな?


「我々はリアライズマスターが居ないとリアライズすることが出来ない……。動くことは出来る。戦うことはできる。生きることは出来る。だが、そこまでだ。それで死んでしまったらリアライズマスターが居ないと復活することは出来ない。……まったく、制限付きの身体というのも困りものだよ。それによって何が生み出されるのか解ったものじゃない。出来ることならすぐに神に問い合わせてこの欠陥をアップデートで解消してほしいものだが」

「……まあ、長話は置いといて。要するにリアライズマスターが居ないとまともに戦うことが出来ない、ってことだよね? だからゲームをプレイしていた私……リアライズマスターの私と手を組んで、どうにかあなたの目的を達成したい、と」

「まあ、そうなるな」


 鎧はそう言って再びお茶を啜る。

 そうは言うけれど、そう簡単に味方って集まるものかな?


「それはお前の手腕だろう。私は……正確に言えば私と同じようなキャラクターは同じようにキャラクターがキャラクターであると判別することは出来る。だがそこまでだ。それ以上は何もできない。あとは仲間になってくれるかの交渉だな。運悪く勇者側に話しかけてしまわないように、私がサポートせねばなるまい」

「そうそう。そこだよ」


 私はずっと気になっていた疑問をぶつける。

 一応自己紹介で何度も口にしていたけどさ。


「何だ? 何か疑問でもあるのか?」

「あるよ、いっぱい。……あなた、魔王なんだよね?」


 一瞬の沈黙を置いて、魔王――鎧は言った。


「いかにも。我は魔王だ。魔族を束ねる王である。そして今はリアライズ世界を侵略し、今度はこの世界を支配しようとしているわけだ」

「それが古臭いというか……。協力できないよね。だってあなたに侵略されるということは、私もあなたに従わないといけないのでしょう?」

「そんなことはないぞ。だってお前は我の忠臣のひとつだからな。それによって何が変わるか解らないが、少なくとも並みの人間とは違う対処を出来るぞ。例えばお前のために大陸を一つ分けてやってもいい」

「まるで一昔前のロールプレイングゲームみたいだね。まあ、あの時は確か『世界の半分』だったと思うけれど」

「世界の半分? まるそれを選択すると今までの苦労が水の泡になるようなことだな。だが、私はそこまで甘くないぞ。お前は私に協力する。その代わり私はお前の願いをひとつだけ聞いてやろう。ただし、あくまでも私がかなえられる範疇になるがな。それ以上のものは無理だ」


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