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第三十六話 話し合いをしましょう 6

「まさか……貴様、堕女神か! なぜこのようなところに!」

「なぜって……。ここで今、勇者陣営の話し合いをしていたのよ」


 マリアと目の前にいる変態度数九十パーセント超えの幼女――メイルはそう言った。

 それにしてもマリアはさっきメイルのことを魔王と呼んだ。まさか、ほんとうに、そうなのか? だとすれば、魔王を倒せばほんとうに『扉』は開かれるというのか?

 メイルは笑みを浮かべたのち、マリアの話にこたえるように言葉を紡ぎだした。


「ふん。まさかそれにしても勇者陣営がここで話をしているとはな。なあに、都合が良い。私たちもちょうどお前たち勇者陣営を探していたところだった」


 探していたところ? それっていったいどういうことだ?

 確かに俺たちも魔王陣営を探していた。しかしそれは魔王を倒すためではなく、もう一つの目的を果たすためのものだった。

 それは、少なくともこの世界においては魔王と勇者がどちらも死ぬことはない、ハッピーエンドのルートだ。

 魔王メイルは一歩前に進む。

 そして俺たちを守るように、ほぼ同時に前に立ったのは、ルイスだった。

 やっぱりお前、もとは騎士だからそういうときは力になってくれるんだな。

 心の中で、絶対に口に出してはいけないような発言を思って、ルイスの背中を見つめていた。

 そして、魔王メイルは――俺たちに右手を差し出した。


「……元の世界に戻るため、力を貸してくれないか」


 突然の発言に、俺は目を丸くした。

 魔王が、勇者とともに力を合わせないか、だって?

 それはこちらから考えれば願ったりかなったりだ。なぜなら戦う必要なく、世界の扉を開けることが出来るのだから。

 しかし、そんなにすんなりいかれてしまうと、違和感を抱くのも仕方がないことだろう。

 やはり、魔王は絶対的悪として言われる存在であるし、どのようなRPGであってもそれは当たり前のことだと思う。そして、それは、実際に魔王が存在する世界であっても変わらないはずだ。

 その魔王が、手のひらをひっくり返して、勇者と力を合わせる?

 はっきり言って、一回それを聞いただけでは、信用できないものだった。

 魔王メイルは首を横に振って、話を続ける。


「確かに、信用できないのは仕方ないだろう。なぜなら私は魔族を束ねる長、魔王だからな。悪行の限りを尽くしてきた、人間たちや勇者陣営から見ればそう考えるのは当然だろう。だから、今回の協力も罠に違いないと思うはずだ」


 溜息を一つ。

 メイルは目を瞑り。


「しかしながら、私は考えた。ここにいる神官レティーナとも話をしたのだよ。この世界は確かに素晴らしい世界だ。人がいて、世界があって、資源もたくさんある。占領しないというのははっきり言って惜しい世界だよ。これほどの豊かな資源があって、我々に対抗できる術がほとんど無いのだからな」


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