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第二十六話 外に出ましょう(後編)

 けれどまあ、そんなことも言っていられないことも事実なのでこのニートなダークエルフをさっさと外に出してやらねばならない。理由は単純明快、そろそろリアライズの原因を探さないといろいろと面倒なことになってしまうのではないか、ということだ。特に税金的な意味で。

 このダークエルフは国民ではない。それは広い意味でそう言っているだけであって、それを証明することはできないだろう。面倒なことだった。そうではないことを証明することなんて、難しい話なのだから。

 はてさて。

 そのダークエルフをどうすればいいか、ということで……俺は暫く悩んでいた。強硬派の考えを要約すれば、その炬燵の電源を切っちまえばいい。だが、ルイスも学んでいる。電源ケーブルを抜いただけではその在処を探し当ててしまうし、そもそも炬燵を切ってしまうと俺も寒くなってしまう諸刃の剣であることを充分理解していた。だからルイスも、俺がそれに手を出すことはない――それを充分に熟知していたのだ。


「……ルイス、一応確認しておくが、ほんとうにリアライズの謎を解明したくないのか? お前、今の見た感じをそのまま表すともう二度とリアライズ世界に戻りたくないように見えるのだが……?」

「そいつは愚問だね。リアライズ世界に戻りたいと思っているよ」


 そう言って炬燵の上にある煎餅の袋を開けているのはどこのどいつですかね。


「リアライズ世界に戻りたいんだろ。だったらその手掛かりを足で手に入れるというのが定石じゃないのか。戻りたくない、なんて言い出さないでくれよ」

「だーかーらー! 私は戻りたいって言っているじゃない!」

「発言と行動が合致してねえよクソが!」


 おっと、つい汚い発言が。

 ルイスと話しているとついつい心の闇が出てしまうな。ちょっと考え物かもしれない。


「ったく、もとはといえば……」


 元はと言えば、俺がリアライズガチャという訳が分からないものを引いてしまったせいでもある。消費者センターに言いつけてやろうか。あるいは会社に文句を言ってやろうか。……恐らく二つとも頭がおかしい人間だと言われてしまってまともに取り扱ってくれないのがオチだとは思うが。


「取り敢えず外に出るぞ! もし、きょうでないようならばお前を家から出す! 二度と帰ってくるな!」


 それくらい強く言わないと――そう思った、ちょうどそのときだった。



 ピンポーン。



 部屋のチャイムが聞こえて、俺は冷や汗をかいた。

 もしかして隣の住民が、五月蠅いというクレームを入れに来たのか? だとすれば非常に厄介だ。どうやってルイスを隠すか……。

 しかし、このまま時間を潰すのは逆にまずい。とにかく出ないといけないだろう。

 そう思って俺は、深い溜息を吐いたのち、玄関へと向かった。

 その足取りは、とても重たかった。


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