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第二十二話 明確に伝えましょう

「……という話があったんですよ」


 間庭さんがやってきて、俺は暇を見つけてさっきの面白い――のかは定かではない、そんなちゃらんぽらんな話をした。

 間庭さんは淡々と作業しつつ、相槌を打っていた。ふうん、とか成る程ねえ、とか。そんな他愛も無いものばかりだったが、貰えるだけマシだ。


「ところで……また例のあの『ゲーム』? の話をしたいのだけれど」


 ゲーム。

 それは即ち、『クイズと魔法のリアライズ』のことだ。スマートフォンを購入したばかりの間庭さんは、俺含めた店員の間で流行っているゲームをインストールしたのだ。

 しかしながら、間庭さんは『無課金厨』というヤツだった。

 要するに課金しない、ということ。まあ、ゲームスタイルから言えば何も間違っていないのだけれど、自分の好みが出なかったりやりたいところまで出来ない、という弊害もある。だから一概に無課金が至高とは言い難いのだ。

 しかしながら、それを、そのプレイスタイルを頑なに変えようとしないのが間庭さんだった。間庭さんは、実際のところログインボーナスから得られたクリスタルと、その他キャンペーンやボーナスで得られたクリスタルだけで回している。一度、回せるのか? なんて質問もしたことがあるけれど、間庭さんは笑っていた。


「別に俺もすべて知っているわけではないんですよ。現実に、長々とプレイしていたわけじゃありませんし。ただ、言えることと言えば『回せば回すほど、ほしいものは出やすい』ということですよ」

「というと?」


 その言葉に気になったのか、間庭さんはずいっと身体を乗り出して、俺のほうに近づいた。


「……スタンプ帳、確認していますか?」

「スタンプ帳? 何それ」


 スタンプ帳。

 クイズと魔法のリアライズをプレイ開始すると、自動的にユーザが取得出来るアイテムのことだ。某ゲームで言うならば「それを捨てるなんてとんでもない」ものの類いになるだろう。

 スタンプ帳にはいろんなスタンプを押すことができる。初期状態は何もスタンプが押されていない状態なのだが、ガチャなどでゲットすればそのキャラクターのスタンプが自動的に押される、という仕組みだ。そして、そのスタンプが押されたキャラクターは出現率が若干低くなる、というものだ。これは公式がそう宣言しているので、まず、間違いないだろう。それで間違っていたら、謝罪すべきは公式、となってしまうのだから。


「……へえ、スタンプ帳かあ。そんなものがあるなんて、知らなかった。まあ、まともに見ていなかったからねえ、画面。そりゃ、気づかないってものだよね、まったく」


 そういいながら間庭さんは仕事中にもかかわらず隠れてスマートフォンを操作し始めた。

 ……もしかして、スタンプ帳を探しているのか? 俺は少しだけそう思ったが、


「ああ、スタンプ帳って、これのこと?」


 すぐに、間庭さんはその画面を俺に見せつけてきた。どうやら、その考えは杞憂のようだった。


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