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第二十話 接客をしましょう

 シャワーを浴びて、外に出る。え? シャワーシーンを予想していた、って? 残念でした。そこまで優しい私ではありません。ファンサービスとかフラグとか、いろいろへし折っていくのが私流なのだった。


「……食事はどうするつもり?」


 またマリアがそんなことを言っていたので、小さく溜息を吐く。気持ちの整理をするということもあるが、ちょっと彼女は我がまま過ぎる。やり方も教えたのだから、ちょっとは調理しようという気持ちは無いのか。

 ……まあ、いいか。取り敢えず、ある場所だけ教えておこう。


「冷蔵庫に昨日のカレーが入っているわ。それを電子レンジでチンして。それで食べられるから。あ、あと、ごはんはいつものように冷凍庫に入っているほうから食べるのよ」


 長い髪をゴムで結び、ジーパンを履く。これで準備万端。あとは何もすることは無い。しいて言えばジャンパーを着ることくらいか。


「それじゃ、行ってきます!」


 そう言って私は靴を履き、外に出る。

 出るとき、マリアが手を振ってくれていたので、私もそれに返すように手を振った。



 ◇◇◇



 今日も今日とてバイト。

 俺はひとつ大きな欠伸をしながら、客が来るのを待っていた。

 まことに残念ながら、現状は閑古鳥が鳴いている状態となっている。それなら一人でもなんとかなるんじゃないか? って話になるのだが、残念ながらそうもいかないのが現状だ。


「それにしても……ほんとうに誰も来ないな。これって、どうなんだ? ちゃんと給料出るよな?」


 それとも給料泥棒だから出しません、なんて言ってこないよな? それはそれで面倒なことになるぞ。訴えちゃうぞ。怒りのデスロード決め込んじゃうぞ!

 ……そんなことを考えていたらちょうどお客さんがやってきた。やった! 働く理由ができた!


「いらっしゃいませ!」


 営業スマイルでそういった俺に対して、


「ハンバーガーセット一つ。それにしてもこの世界は斯くもつまらないものだね」

「……はい?」


 なんというか、面倒な客が来たぞ。

 そういうことが一発でわかるセリフだった。


「だから聞いていなかったのか。ハンバーガーセットを一つだよ。まったく、この世界の人間はそんな簡単な指示も聞き取ることもできないのか? 働くことに対する対価を、間違っているとは思えないか?」

「……そんなことをおっしゃられても困りますよ、お客様。ハンバーガーセット一つでしたら、三百二十円になります」


 とりあえずこんな面倒な客は接客をさっさと済ませて会計も終わらせて帰ってもらおう。それがいい。それが一番だ。それ以上に何がある? それ以上の最適解なんて、ない。ああ、こんな時に間庭さんがいてくれればなあ。あのひと、けっこうトラブルになると輝くんだよ。だから、いろいろと解決してくれる。


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