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第十一話 仲間を探しましょう

 ルイスとの出会いから数日後のこと。


「ところでその同居人とはどういう雰囲気なの?」


 ハンバーガーショップにバイトとして勤務している俺は、同じバイト仲間の女性からそういわれた。

 同居人はあくまでも親戚ということにしている。そのほうが説明が簡単だからだ。ルイスもそれで了承してくれたのでひとまずは安心している。


「……別に何もないですよ。普通に、暮らしている。ただそれだけです」


 まあ実際にはいろいろとあったけれど、それについては面倒なので端折っている。


「でも男女一人ずつが同じ屋根の下で暮らしているのでしょう? 間違いとか起きたりしない?」

「何間違いを期待しているんですか。無いですよ、そんなこと。断じて有り得ません」


 起こしてなるものか、という話だがそれはあえて言わないでおく。それは別に言っておく必要が無いからだ。

 ダークエルフ、というものは生態はあまり変わらないけれど、しかしながらこの世界の知識があまりにも無いので、先ずはそれを会得してもらうところからになる。この数日で何とかスーパーに買い物が行けるようになるまで、彼女のこの世界に対する知識は増えた。それは喜ばしいことだ。褒めて伸ばす、ではないけれどそういう感じで何とか二人の共同生活を進めている次第だ。

 問題はこれから。

 リアライズ世界からやってきた『味方』を探さないといけない。しかしながら、その仲間が居る場所はリアライズをプレイしている人間全員というわけでもないようだった。インターネットで調べてみたがそんなこと一切出てこなかったところを見ると、無作為にリアライズ世界からやってきているのかもしれない。はっきり言わせてもらう。なんでそんな面倒な仕組みにしたのか、小一時間問い詰めたい。


「そういえば、間庭さんって『リアライズ』やってます?」


 隣にいる女性――間庭さんに訊ねる俺。

 一応、訊いておく。もしそうじゃないにせよ、リアライズしているのならば可能性が高まる。


「リアライズ? ああ、やってますよ。あれ、ガチャの確率低いですよねー。最近はいろんなコラボやってますけど、全然スーパーレアでないんですもん。出てもたまにレアが出ればいいほう。おかげで毎日クリスタルの消費が激しいですね。ま、まだ課金してないだけマシかもしれないですけど。やっぱり無課金でどれだけ遊べるか、それがソシャゲーの楽しみだと私は思っていますから」

「まあ、人それぞれですよね……」

「エイジくんもリアライズしてるの?」

「ええ、してます。最近は課金してないですけど、ちょっと前まで細々課金してましたね。特に自分の好きなものは」

「ふーん、別にいいけれどさ。どうせデータじゃん。サービスが終わったら何も残らないのに、どうしてデータにお金をかけられるのかなあ? 私はそれが解らなくて、どうも課金しようとは思わないのよね」


 言いたいことは解るし、とても胸が痛い。

 というか完全に正論だ。極論でありつつも、正論の範囲内だった。


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