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生まれつき女ですが、なにか?  作者: 周
中学校 編
24/43

お久しぶぅりぃいねぇ~

『煙が目に沁みる⑤』より先に出来ていた、ミステリー。

2014.12.06 主人公の転校する学年を変更しました

最終的には、小学校から持ち上がりで『青野洸』として通うことを納得してくれた洸が、中学校に入ってきました。

学ラン姿も又、ストイックさが加わって……ぐふっ。

最近、変態度が上がってきた気がします。誰かの影響でしょうか……

そうそうその変たi、じゃなくて雅臣さんは無事大学を卒業し、なんと高校教諭になったとのこと。勤務先までは教えてもらえませんでしたが、社会科の先生になったようです。意外!


閑話休題。


中二になった僕は、めでたくスタメン入りを果たし、本日、練習試合のために他校を訪れています。

土曜日だというのに人が多い気がしますね。特に女子が。なにかあるのでしょうか?

先輩達に紛れながら、同じく二年生でサブメンの菜穂ちゃんと並んで、校内を体育館へ向かいます。

右手に階段が見えてきました。

階段側の壁に大きく取られた窓から、午後の日差しが燦々と入ってきています。

ちょうど階段下に差し掛かった時、逆光を背負って長身の人物が踊り場に降りて来ました。

陽光を跳ね返す金髪をなびかせた人物が、僕たちを見て一瞬硬直し、なにか呼ばわりながら駆け下りて来ます。


「キリコ!」


変声期を終えたばかりなのでしょうか、少し掠れていますが、なかなか低い堂々とした声です。


って、呼ばれたの僕の名前ですか?!


先輩や菜穂ちゃん、他校生たちの注目を集めながら、自分を指差しキョロキョロする僕にくだんの金髪野郎が勢い良く抱き付いてきました。

まるでゴールデンレトリバーの成犬に飛びつかれた気分です。

周囲から、「キャー」という数種類の意味合いの悲鳴が上がります。続く言葉は「嫌」なのか「ダメ」なのか、「素敵」なのか。

僕はそれどころではなくて、菜穂ちゃんに助けを求めましたが、目を逸らされました。

ひどくないっ?!と、情けない顔をしつつ心の中だけで叫んでいたら、爆心地がようやく動きます。


それまでにスーハー匂いを嗅いだり、スリスリされていたような気がしますが、気のせいですよね?ねっ?


上から覗き込んできたのは、光を受けて金にも見える瞳。

見覚えのある色彩に、をや?っと首を傾げる僕。

大型犬は纏わり付いたまま、満面の笑顔です。


「ずーと会いたかったんだ、樹里子!なのにお前ときたら!同じ市内に居ながら、小学校も中学も違うなんて!!」


「ひどいぞ!」と言いながら、うなじに顔を埋めるのはヤメレ!ムズイわ!!

周りからの視線が痛ひ……好奇、嫉妬、羨望、興奮(?!)……穴が開きそうです。


「えーっと、もしかしなくても、誠志郎?」

「久しぶりだな、親友。会えて嬉しい」


だーかーらー、耳元でしゃべるなっ。


「うん、まあ、久しぶり。で、放せ」

「嫌だ」


腕に力を込めやがりましたよ、このお子様()っ!

容赦なくベシベシと頭を叩いてやりました。

拗ねた顔してこちらを見ても、許しませんよ。


「周りを……」

「良く見て、良く遊べ?」

「分かってるんなら、離れろ、よっ」


ベリッと引き剥がしました。トリモチでも付いているんじゃないかって粘着力ですね。

周囲を見回すと、先輩も菜穂ちゃんもすでに居ません!薄情者達です……


「僕はこれから練習試合があるから、じゃ」


ちょうど体育館の方から顧問が「青野~?」と呼んでいます。

踵を返した僕でしたが、腕を取られて阻止されました。


「試合はいつ終わるんだ?」

「さあ?」

「待ってr「用が無いなら、帰れ」」


しゅんと項垂れても知りません。僕は急いでるんですっ!

焦りながらも強く出られずにいたら、おずおずとした瞳が上目遣いに見て来ました。


「では、連絡先を……」


雨に打ち捨てられた犬のような顔は止めなさい。

ちょっと可哀そうになってきました。

遠巻きに見ている女生徒達も、なにか言いたげです。いや、分かります。教えろってんですね?!


「携帯。早く」


溜め息を一つ吐いて落としていた電源を入れると、パッと顔を輝かせたワンコがいそいそと自分の携帯を取り出します。

ちゃっちゃと赤外線をして、モフモフを残して体育館へ急ぎました。

背に「絶対、返信をくれ!」というプレッシャーを受けながら。

試合自体は、まあ、まずまずの成果でした。

それより前後が修羅場でしたが、全てを「幼馴染です!」で通しました。


もう、なにも聞いてくれるな……


帰りに携帯を開くと、着信一件(誠志郎)にメールが……はぁ。

赤原先輩以上ですよ、お察し下さい。

『会えて本当に嬉しかった』に始まって、小学校の入学式の事、入った後の事、中学校入学式の事、会うまでの事を思いつくままに綴られていました。読むだけで誠志郎の七年間が手に取るように伝わってきます。重っ!

で、最後に『進路は決まっているのか?』

嫌な予感はしつつも、『近場の高校にするつもり』と返しておいた。

と、間を置かずに着信アリ。


『どこだ?何高校?』


『あまゆみ』と打ってから送信していいものか悩んでいたら、背後から声が掛かりました。


「キィちゃん。往来で唸ってたら、ただの変な人だよ?」


詰襟姿のマイ・エンジェルが駆け寄って来ます。はぁ、癒されるぅ。

脱力しつつ、携帯を閉じました。


2015.2.12 雅臣の担当教科を『世界史』→『社会科』に変更

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