あれ、こんなはずでは…
思ってたより話が進まない…。
ただの日常生活になってしまい、面白くなさに磨きがかかってしまっているorz
「あなたは……」
そう言って、逡巡した様子の彼女を見て、
そういえば自分たちのクラスでは自己紹介をやらなかったな、と思う。
つまり彼女は彼の名前を呼ぼうとして、名前が分からないことに気付いたのだろう。
「えっと、何か用かな?」
このまま黙っていると気まずくなりそうだと思い、彼の方から助け船を出すことにした。
「い、いや…。えっと………」
「どしたの竹森さん?」
と、入り口で止まったままの彼女に室内から声がかかる。
そうか、彼女の名前は竹森と言うのか―――
などと至極どうでもいいことを考えていた彼にも声がかかった。
「あれ、他にも生徒会希望の人いるの?」
ちがいます。と彼は言おうとした。
しかし、返事をしたのは彼ではなかった。
「は、はい!ちょうど気になってたらしくて!
……すまない、一緒に来てくれ」
後半は小声で頼むように言ってきた彼女だが、そのまま彼の手首を掴み室内に引き込んだ。
なんか面倒なことになりそうだ、と思いながら彼も室内に入る。
生徒会室は意外と広く、教室の前半分ほどの広さだった。中央には机が二つくっつけて置いてあり、文具や書類が散乱している。
奥の窓側に横長なソファーがあり、くつろいでいる先輩らしき人がいる。
パソコンも置いてあり、パソコンの前にいる女子がこちらを見ていた。
彼はどうしてこうなった、と思いながらも
まぁいいか、と割り切ろうと思った。