プロローグ
私が、普通の一般人とは違うと思ったのは、ある事件の後だ。
そのときから、私の目には違うものが見えたのだ。
例えば、事故現場では、たくさんの警察や救急隊員の姿や野次馬の中、血だらけの人が歩いているのだ。
またあるときは、一人で留守番しているといつのまにか知らない人が部屋にいるのだ。
ただ、私にとっては当たり前のこの目が、普通の人からしてみれば、異常でしかなかったのだ。
いじめなんて日常茶飯事だし、先生に怒られることなんてしょっちゅうだった。
そして、私はもう一つ、めんどくさい体質があった。
それが、《不幸吸引体質》。
歩けば転び、座れば落ち、上から物が落ちてきたり、ある意味命に関わる不幸が私に降り注ぐのだ。
友達はいないし、親は事故で亡くなり、唯一の肉親は弟のみ。
はっきり言えばいい人生とは言えない人生を送っているだろう。
でもまあ、慣れとは怖いもので、そんな生活にも今では日常だ。
話かけてきた所謂《幽霊》と世間話したり、怖い悪霊に追いかけられたり、頼み事をされたりなんて非日常な生活を日常として生きています。
これは、そんな私の運命のようで、必然の物語の始まりである。