限定公開!オッサンだらけの座談会!
皆さんこんにちわ。お久し振りです、ガツク・コクサ大将補佐官、カイン・ケンブリックです。
今回「座談会」なる催しがあるとかで進行役を作者に「強引」に押し付けられました。質問状に従ってお集り頂いた方々と和気あいあいと会話を楽しむのだそうで・・・・・
あの面子で出来るわけないだろ。
和気あいあぃい?殺気湧き合いの間違いじゃないのか。会話を楽しむぅう?会戦を楽しむだろそこは。あの人達が突発的に殺し合い始めたらどうするんだ。国が滅びるのレベルじゃないぞきっと。それよりも俺用の脱出口は準備してあるのか。労災保険は効くのか。あ・・・お腹痛い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
うう・・・お・・・お・・・俺が・・・・俺が・・・何をしたぁぁああああ!
何故こうも面倒事を押し付けられなくてはいけないんだよ!?ただでさえガツクさんや国主達の騒動を抑えるのに奔走しているのにこんな事まで!こんな事まで!こんな事まで!
・・・いいい嫌だ嫌だ嫌だぁあああ!あの扉から先に入りたくないっ!家に帰りたいっ!今すぐこの身を海に投げ出したい!
・・・ハァハァハァ・・・落ち着け、落ち着くんだ俺。もう・・・もう決まった事なんだ、観念しよう。身投げが脳裏にへばり付いて離れないほど嫌だが始まる前からこんなにパ二くってたらただでさえ擦り切れた神経がペラペラになってしまうぞ。
活を入れ俺は深呼吸を10回ほどしてやっと黒と紺の幾何学的な意匠のドアをノック、震える手でノブを掴み一気に開けました。そして閉めました。
いいいいい今なんかとんでもねーモン見ちゃったぞ?いや気のせいだろ、いくらなんでもいきなりアンナコトになってる訳ないじゃないか。
ガツクさんと何だか全体的に黒っぽい人が隣同士で睨み合っているなんて。
詳細に説明できていることがまさに見ちゃった証拠ですが受け付けません。
受け付けなくても俺はあのドアを開けてあの猛獣群の中に入らなければいけないのでどうでもいいんですが。
スーハースーハー。
俺は今度は20回深呼吸してドアをえいやっと開けました。
・・・・・・・・・・・まだやってました。
俺は生き物の本能でしょうか、ドア付近から動こうとはしない足を無理やり運び、円卓状になったテーブルまで辿りつきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
現在この部屋にはガツクさんと睨み合っている黒っぽい人?と、暗い金髪の男、黒髪の男、そして産まれ立ての小動物のようにプルプルしている「軍部にしちゃ細身だな」と言われる(身長238cm)俺の計5人が入ってます。ふぉおおお。スゴイデス。モノスゴイイアツカンデス。アツリョクデオレノハイガシンクウジョウタイニナレソウデス。
十分な広さの部屋、十分に間隔を空けてゆったり座れてる・・・筈なのにどうしてこうぎゅうぎゅうとかみっしりとかぎっちりというか薄い・・・空気が薄い・・・ここは標高8000mか。
「おい、いつまでボケっと突っ立ってるつもりだ。今日はアンコに000したり△△△△と□□□をして最後に###する予定なんだから早く始めろ。俺は帰りたいんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・変態が・・・・いる!!!
驚愕のあまりさらに固まる俺を余所に他の4人は興味深げに先程の変態極まりない発言者に質問しています。
相手役の方達・・・大丈夫だろうか。ビビって早く始めなかった俺の責任だろうか。
「お、お集りの皆さん!今日はお忙しい中座談会に来て下さってありがとうございます!えー始めるにあたって作者からメッセージが届いております!
『やれ』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上です」
「あ?」
ヒェー
黒いお方が斜め下からギロンヌと俺を睨みつけてます!メーデーメーデー!
「ちったぁ落ち着けよ。こいつのせいじゃないだろ」
黒髪の大男が呆れたように諌めてくれました。ホッ
「チッ!」
・・・・始めよう。
「えーでは最初の質問です」
Q、貴方のお名前と年齢職業、あったら得意技をどうぞ。
最後の得意技ってなんだろう。
「ガツクさんから時計回りでお願いします」
「ガツク・コクサ、38才。ドミニオン自治領国軍部雷桜隊大将を務めている。技等というものはない」
うーんある意味技というか我々の度肝をブチ抜く技をお持ちだが、本人に自覚がないからそっとして置くべきだろうか。
「お前軍人だったのか通りで」
黒いお方がニヤリと嫌な感じでガツクさんを見て笑いました。
「お前の番だ。早くしろ。」
「ああー?」
「帰りたいのだろう?俺も帰りたい」
「フン。・・・ジンギィ・ライダーズ・ハイ。歳はうーんとある。何でも屋の集団ドグマを率いてる。得意技ねぇ。昔なら女を悦ばせるのが得意っちゃ得意だったんだがな。まぁモノをいたぶるのぁ今も昔も得意だ」
「喜ばせる?苛めるの間違いじゃねぇのか。お前絶対ドSだろ」
暗い金髪の男がフッと笑いながら目を細めるとジンギィさんは
「否定はしねぇけどな。だが苦情を聞いた覚えはねぇよ。どうせなら楽しくコトを致した方がいいだろ」
「の、割にはあのお嬢ちゃんの扱い酷でぇな」
黒い髪の男が冷たい目でジンギィさんに言います。
「クックックッ・・・あいつは特別だ。特別なモンは特別に扱いたくなる」
とくべつって・・・・特別ってなんでしょうね。
「えー次に作品名『run!3catch!3』の方お願いします」
「ザイオン・セド、33才。海賊船船長。得意技っていう程の事はねぇがやられたら最後まで付き合って貰う、のは毎度のこったな。勿論どっちかが根底ぎ亡くなるのが条件だ」
・・・・ここは極端な方々が集まる何かの会合かなんかであったか・・・迂闊に引き受けなければよかったです。いえ断れなかったと思いますけど。
「・・・・『GENIE』さんお願いします・・・・」
「ゲン・ウルツ、38才。造船業。得意技ねぇ・・・まぁ船の事だろうな。操舵するのも得意だぜ」
ほっ・・・ここに普通の人が。
「造船ですか、海の国ドミニオンでは馴染み深いお仕事です」
「そうなのか」
「海賊船とか作った事あるか」
セドさんが身を乗り出してウルツさんに興味深げに聞いてます。
「そりゃ企業秘密だな」
「・・・ふうん」
それをにやりといやーな笑い方でウルツさんが答えると、セドさんはそれでも満足したのかこちらも意味深に頷き返しました。
・・・次に行こう。
「皆さんありがとうございます。さて次の質問です」
Q、お相手の第一印象はどうでしたか?
「ガツクさんからお願いします」
「モモコの第一印象か・・・ネコ科、イエネコ属、小型哺乳類だ」
はい?
いえ、間違ってはいないですけど・・・そういう事を聞いているのではないと思うんですが。相変わらず斜め上の回答だな。
「何だよそれ」
ジンギィさんが呆れた顔で問います。残りのお二方も何とも言えない表情をしています。
「初めて対面した時の姿だ」
「いや知ってるけどよ」
「ならばなぜ聞く」
「・・・・あっ次俺か」
ジンギィさんが華麗にガツクさんをスルーしました。賢明です。
「アンコねぇ。すぐにでも死にそうなヒューマだなとか弱そうとかそんなもんだな」
「最初から食いついてなかったんだな」
ゲンさんがからかうように火のついた煙草をジンさんに振って笑うと
「大事な伴侶だからって一目でわかる事なんかねぇのよ。何か切っ掛けがねぇと。ちなみに俺が気付いたのはあいつの尻を揉んだ時だ」
なんて最低な気付き方だろう。多大に同情の波が湧きます。
「ザイオンさんはどうだったんですか?中々いいシチュエーションだったと聞いてますけど」
「そうなんだよ。出会いは結構よかったんだが・・・コーラの第一印象は随分威勢のいい姉ちゃんだなぁってぐらいだった。チンピラ3人に啖呵切ってる姿は無謀そのものだったが、その後のおずおずした笑顔がな!たまらん!いやもう襲っちまうだろあれは!」
最低だ。
俺の蔑む視線に気付いたのか、ザイオンさんはちょっと怯んで「で、でも一応承諾は貰ったんだぞ。かなり酔っ払ってたけど・・・」泥酔状態の女性からまともな反応が得られるとでも・・・?俺の視線はさらに冷え込んだものになりました。
「ザイオンさん、人間のクズのようなお答ありがとうございます。ではゲンさんどうぞ」
「確かにクズだな」←ゲン
「いやアリじゃね?」←ジン
「お前もクズだったか」←ガツク
「てめぇも似たようなもんじゃねえか」
「似ていない。俺とお前達には決定的な違いがある」
「あ?」
「達って俺も?」
ジンギィさんとザイオンさんがガツクさんに揃って目を向けました。まぁそれはそうでしょうね。
「聞け。それはな、俺はモモコに愛されているがお前達は相方に嫌われているという天と地ほどの違いだ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「確かに俺はモモコに取り返しのつかない愚行を犯したがモモコは許してくれた。そればかりか求婚までしてくれ、いいかモモコからというのが重要だ。そして今は名実共に妻だ。「種」などいう怪しげな術を使ったり意識がないのをいいことに勝手に婚姻を結ぶなど言語道断。これでは相手にされんのも」
「ガツクさん!ガツクさん!もうその辺で!許してあげてください!それに進行も遅れてしまいますから!」
つうかマジ座談会どころか殺し合いが始まってしまう!ジンギィさんとザイオンさんから殺んのかオーラが!!ガツクさんとゲンさんは無事かもしれないが俺は無理だ!
ガツクさんは話の腰を折られ、不満そうにしていましたが最後フンと2人を鼻であしらいました。
・・・ジンギィさんとザイオンさんの額の青筋が増加中。
「お前って容赦ねぇのな」
「事実だ」
「いやそうだけどよ・・・」
「ゲンさん!」
「わかったわかった。・・・あージニーの、な」
ゲンさんは言い淀むと口元に手を当てました。
ん?
「ゲンさん?」
「あーいや。その・・・可愛いな、と」
そこで止まるとゲンさんは顔を赤くして俯いてしまいました。その姿は女性であれば大変可愛らしいのですが・・
「何オッサンが顔赤くしてんだよ。気持悪ぃな」
「俯くなよ。可愛くないんだよ」
「目に耐えんな」
この人達鬼だ!いやすいません、俺も思いましたけどね!
「その言葉そっくりそのままお前らに返すぜ」
ゲンさんが青筋立てて睨みつけました。でも若干気まずさげです。自分でもそう思ったんでしょうか。自覚は大事ですね。
おっと、次に進みましょう。
Q、お相手はどんな方ですか?
「長くなるが・・・」
「すいません、なるべく短めでお願いします」
ガツクさんが顎に手を当て思案げに唸るのを俺は真顔で止めました。やめてくれぇ!
ガツクさんはふむ、と一つ頷くと続けました。
「モモコは・・・柔らかい」
・・・・えーと?
「アッチがか?」
ギロ
ひょわ
「よく聞こえなかったんだが。・・なんだと?」
「だからアソ」
「わ――――――――――――っっつつ!!!!」
俺は肺も裂けよと言わんばかりに声を張り上げました。
4人が顔を顰めて睨んできますがそれがどうしたぁ!大戦を未然に防いで何が悪い!俺の肩には全人類の希望がっ!希望がぁぁああ!!
・・・落ち着こう俺。
「すいません持病の奇病が。ささっ!続きをどうぞ」
ハハハハh。俺は笑って誤魔化すとガツクさんを促しました。
「柔らかいというのは思考や順応性であり、その柔軟な精神の事だ」
はー。それは全面的に言えますね。今でも信じられないも・・ん・・すいません。信じられます。だから恐ろしい顔で睨まないで下さい。
「相当柔らかいなそりゃ。お前みたいな男を好きになるなんてなぁ、並みの女じゃ無理だろ」
よけーな事言わないジンさん。
しかしガツクさんは何とも思わないのか続けてこう言いました。
「確かに俺と番おうなど並みではないだろう。その幼い外見に似合わず、強靭な精神力。真っ直ぐな言動や行動力。時折顔を見せる女らしい姿態は常に俺を惹き付けて離さん」
す、すげぇ!俺こんなに人を褒めるガツクさん見るの初めてだ!モモコちゃん!俺は今奇跡を体験している!ていうかなんか恥ずかしいです!
他の皆さんをみやると呆れた顔やらふーんとした顔、何とも思ってなさそうな顔と様々でした。
「ヨメ自慢なら俺も負けねぇ!はい俺!」
「あ、えー・・ではザイオンさんお願いします」
「俺の嫁は気が強くて口が悪くて脱出が上手くて人の弱点を突く時の鬼畜ぶりは目に堪えんし、口八丁手八丁、おまけに嘘は吐くわ手は早いわ、あ、暴力的な意味でな。もっとあるぞあれは昨日のことだったんだが」
「ザイオンさん、本当にコーラさんの事愛してらっしゃるんですか?」
え?みたいな顔で俺を見たザイオンさん。こっちが え?です。
「もうそれ以上はお止めになったほうが。ではゲンさんどうぞ」
「お前・・・作者の推薦なだけあるな」
褒めてるんですかね。
「うーんジニーか」
「今度はあの顔やめろよ」
「・・・うっせぇんだよ」
「だからやめろって!オッサンが顔赤らめてもなんの面白みもない!気持ち悪いだけだ!」
「黙れ!俺だって好きで(赤く)なってんじゃねぇ!」
あっ
ゲンさん右ストレート!
バキッ
ザイオンさんにHIT!
「何すんだゴラ!」
すかさずザイオンさん下段からの右アッパー!
ボクッ
ゲンさんにHIT!
「うっせぇんだよ!いちいちよぉ!」
「あんだとコノヤロ」
二人は立ち上がると殴り合いを始めました。ああ・・・俺の懸念が。もうこうなったら避難して落ち着くのを待つかな・・・と俺が早速諦めたその時でした。あ、ちなみにこの部屋では互いの力は互角扱いになってます。そのままでは差がありすぎますから。それでも化け物のように強いんですがね。
ドガッ
バキャッ
「そこまでにしろ」
「だよ。進まねぇだろが」
ガツクさん、ジンさん止めてくれたんですよね。たとえそれが椅子とテーブルで殴りつけるという手段でもいいです。全然いいです。でもこの二人が始めてしまったら俺はいの一番に逃げる。全てを捨てて。
「いてぇな!・・・クソ!」
「・・・もう少し止め方つうのがあるだろ・・」
「カイン続けろ」
「は、はぁ」
俺は隅っこで壁と同化しようとするのを止め、大破したテーブルと椅子を片付け、予備の椅子を持ってきました。
「えー改めましてゲンさんお願いします」
「お、おう。すまねぇなカイン」
「慣れてますから」
「あ?ああ・・」
ゲンさんはガツクさんを見て納得してくれました。ハハ・・・・
「ジニーは人をからかうのが好きなお転婆な魔人だ。ランプという器に宿り、呼び出した奴の願いを3つまで叶えてくれるらしい」
ほぉ・・
「なんだそりゃ。便利なのかよ」
「限界なしか」
「いやいろいろ縛りはあるんだけどな」
「もう使ったのかよ」
「ああ。一つだけな。だがなぁ・・俺何願ったのか覚えてねぇんだよ」
「なんだよそれ。間抜けだな」
「酔ってたんだよ!もういい!これで終いだ!」
ゲンさんは怒って黙り込んでしまいました。
何だこの殺伐とした雰囲気。もうやだ。軽く涙目。早く家帰りたいです。
「アンコかぁ」
俺の先細りな魂をよそにジンギィさんがポツリと呟きました。
「どうした」
「いや・・・あー、アンコはトロくて弱くて俺を舐め切ってて面倒な事や自分が嫌な事は現実逃避してでも拒否する困ったちゃんだ」
「困ったちゃんて」
「お前なら如何様にもできるだろう」
「いや、それがそうでもない]
ジンさんは自嘲気味に言うとため息をつきました。
「俺は優しくしたいんだよ、なるべくな。だがちょっとした事でキレちまう。監禁したり首を締めあげたりな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「お前・・・」
「俺とてそこまではせんぞ。せいぜいが監禁どまりだ」
「監禁流行ってんのか?」
「知るか。これでも我慢してんだぜ?我慢なんざしたこともなぇ俺がだ。で、だ。俺が無理をする、アンコが現実逃避する、それにキレる無理をする、現実逃避、またキレるのループ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・謝れよ。彼女優しそうだ」
「できねぇよ。それだけはな」
「お前は」
ガツクさんが真剣な顔でジンさんに声をかけました。それにうっすら笑いながらジンさんは頷きます。
「そうだよ。もう引き返せないとこまで来ちまってんだ。それにそれは楽になりたい奴がするもんだろ。俺はこの結果がどうなるか知っている。知ってて実行している。喜んでやってる。そんな奴が謝っちゃダメだろ」
静かだ。
誰もジンさんから目をそらさない。
「・・・・まぁ、元々無理がある関係で始まってるんだ。結末も・・・・」
「いいのか。本当に」
「望んで、やっている」
ゲンさんが静かな声で聞きました。それに小さく頷きながらジンさんが答えます。
このやるせなさなんでしょう?彼女の事を愛しているなら何故?
「お通夜みてぇになっちまったな」
「お前のせいだろ」
「じゃこんな質問すんじゃねぇよ」
「アー?知るかク」
「すいませんすいません!次行きましょう!」
焦る。ジンさんの言いかけた答えが何となく想像できてしまう。俺悪くないけど誤っとけ。
「で、では次の質問です!」
いやーボツネタですね。
消そうと思ったんですが勿体なくなっちゃって。
これはこれで面白いかな、と。
本物の「座談会オッサンサイド」が出来たら消す予定です。
お目汚しで申し訳ない。