表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
硝子の薔薇  作者: クロネコ
      本章
35/41

出会い

 「皇子………先ほど 陛下から使者が送られてまいりました」



その言葉を受けて セレディーは、息を呑んだ。



言葉を発したトッドは、仏頂面で平然としていた。



「父上からは、何か問題でも?


お前は、表情が読みづらいから 何が言いたいのか真意がわからないが」



実のところ 聞かなくても  何を言われてきてきているのかは、わかっている。



王宮で起こった一件については、既に自国に伝わっているはずなのだから。



皇子の質問に 銀髪の男は、書状らしきものを本が山積みになっている机の上に置いた。



セレディーは、無言でそれを手に取り 読み始める。



そして 小さく溜息をついた。



「父上達が心配するのもわからなくもないが 僕は帰るつもりなどない。


トッド………使者にそう伝えてくれ。


どうせ 使いッ走りの騎士見習いの誰かなんだろう?


今頃 水を飲みつくしているころだろう。


途中にある砂漠は、相当 体力を奪うからな?


少しばかり休憩させてやれ」



「承りました そう伝えておきましょう。


あの様子からして 少し強く言えば 引き下がるでしょうから」



主の命令口調に 騎士は、軽く頭を下げる。



「すまないな お前に言いづらいことを言わせてしまって………。


それでなくても お前は、他の騎士達に恐れられているというのに」



どこか悲しげな顔をしているセレディーに 男は、小さく苦笑。



「私はそう思っていませんよ。


陛下や王妃も、貴方の気持ちを尊重させてやってほしいそうなので。


それに そのように言い遣わされていなくとも 私は皇子の心を優先させて頂きますよ」



少年は、それを聞いて 照れ笑い。



けれど フッとどこか遠くに視線を注ぐ。



「ただ 長くは留まれないだろう。


でも <ローズ>が目覚めた時 一緒にいたい。


どんな返事をされても ずっとこのままなのは、嫌なんだ。


僕は、彼女と出逢った事で 自分を見直すことが出来たと思う。


だから たとえどんな結果になっても  結末を見届けたい」



「ねぇ………セレディーおうじは、<ローズ>がおきたら かえってしまうのですか?


まえのおうじは、にがてでしたけど  いまのおうじは、ボクきらいじゃないのに」



どこか寂しげさを持つ幼い子供の声に 2人は、ハッとしたように入り口に視線を向けた。



そこには、大きなくまのぬいぐるみを背負っているコルネオの姿が。



「どうして………お前が王宮(ここ)に?!」



セレディーは、驚きを隠せず 声を張り上げてしまう。



父は仕事に忙しく その上に母親が行方知れずになってしまい  現在は、ミイナの家に預けられていたはずだ。



「まさか 1人でここまで来たのか?!


護衛もつけずに?」



年上に少年の怒声に似た声色に コルネオは、背負っていたくまを思い切り抱きしめる。



「1人じゃないです。


きれいなおねえさんが、てをつないでいっしょにきてくれたんですから。


ほら………あそこに………………あれ?」



少年が振り返った先には、誰もいなかった。



トッドは、険しい表情を浮かべて 廊下に駆け出していくが  人影などない。



「ネオ………どんな女性だったんだ?


顔を見たんだろう?」



肩を掴んで聞いてくる皇子に 宰相の息子は、目をパチクリ。



「とってもきれいなおねえさんでしたッ!


トッドとおなじ かみのいろがシルバーでした。


みのこなしが、とてもゆうがで  ひんもあって。



   なまえは イブとなのってました」


































~※~※~※~※~


 「ちょっと イブ?!


貴女、どこに行っていたのよッ!」



フードをスッポリと被っている女は、呆れたように ノコノコと歩いてきた人物に声を発した。



先ほどかで話を聞いていたらしいイリアは、その顔を確認して さらに溜息をついてしまっているらしい。



それは無理もないだろう。



先に聞いた話と照らし合わせれば 嫌でもわかってしまうのだから。



「可愛らしい頃の坊やが、迷子になってしまっていてぇ………送り届けていたのぉ。


あの頃が、最絶頂だったんですねぇ?


皆様方が、あんなに昔の姿を懐かしむのも無理ありませんよぉ」



シミジミと語るイブと呼ばれた女のの言葉を聞いて イリアが何とも言えない様子でいる事と顔を隠した男が口元をヒクヒクとさせているが  他は、吹き出してしまっていた。



「イブ………それは、ある意味 禁句だってッ!」



ケラケラと笑い声が響く中 叫び声が、木霊する。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ