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始まり
この国は、1度他国に滅ぼされようとした
誰の目にも それは、明らかなことであり 避けられないと思われた
誰もが認める王は、侵略者の手に討たれ 誰もが慕う王妃は、生きていくのも辛い日々を送るだろうと
けれど 奇跡は、起こった
それは、偶然の出来事だったのだろうか?
この時 始めて戦争に身を投じていた皇子に忠誠を誓っていた若き騎士が、自らを犠牲にした
我が身を国に眠りし土地が身を差し出し 国は救われた
国は、その騎士の犠牲を糧にして 残った力と新たに得た力を振り翳し 敵国を滅ぼした
自らを犠牲にした騎士の血筋は、その栄誉を讃えれた
そして 月日は、流れる。
幼かった皇子は、成長し 死んだ騎士の妹を妃に迎えた。