表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「許されない」  作者: 十九春


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/39

「完全な優勝」をめぐる鉄槌

決勝戦、副将として出場していた小林が、相手に一本を奪われ、敗北していたのだ。


団体戦の勝利には繋がったものの、これは「完全な勝利」ではなかった。

監督にとって、一人の敗北も許されない勝利こそが、彼らが償うべき義務の証明だった。


バスに戻った直後、監督は優勝の喜びを口にすることなく、小林を呼びつけた。


監督:「小林。」


監督の声は、低く、怒気をはらんでいた。


監督:「お前は、全国の舞台で敗北した。勝利の義務を、この土壇場で怠った。我々が求めているのは、完全な勝利だ。お前の敗北は、優勝という結果を、不完全なものにした。」


小林は顔面蒼白になり、何も言えない。


監督:「この優勝は、許される優勝ではない。」


監督は、容赦のない結論を突きつけた。


監督:「次の秋田の大会から、お前を即刻、団体メンバーから外す。」


小林の顔から、一気に血の気が引いた。

全国大会での優勝経験があろうと、敗北は即刻、組織からの排除を意味した。

監督は、小林の代わりを指名すると、一瞥もせず、すぐにバスの運転手に次の目的地である秋田への出発を命じた。


優勝の歓声はどこにもない。

小林は、優勝トロフィーが置かれたバスの片隅で、ただ一人、打ちのめされていた。彼女の敗北は、「勝利の義務」を怠った者への、見せしめとなった。


過酷な車中泊の道程は、次の秋田での大会に向けて、さらに重い空気を纏いながら、夜の闇へと進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ