表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「許されない」  作者: 十九春


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/39

優勝への道程と車中泊の強行軍

三月下旬。剣道部は「勝利の義務」を果たすべく、全国大会へと乗り出した。


一行の行程は、極めて過酷だった。

体育科のバスに乗り込み、群馬を出発すると、まず愛知県での全国選抜大会へ。そして、そのまま北上し、秋田県での魁星旗剣道大会へと連戦する、まさに強行軍だった。


ホテルでの宿泊は許されなかった。

それは、「贅沢」であり、「甘え」と見なされた。

選手たちは、狭いバスの中で体を休める車中泊を強いられた。疲労は限界を超えていたが、彼女たちの心は、壁に貼られた「忠誠」の書面と同じく、硬く閉ざされていた。

弱音を吐くことは、裏切りに等しい。


選抜大会では、日々の苛烈な稽古と指導の成果が遺憾なく発揮された。

剣道部のメンバーは、感情を排した冷徹な剣道で勝ち進み、順調に決勝まで辿り着いた。


決勝戦。

東清美は、大将として出場。勝利への冷徹な執着をもって相手を圧倒し、見事な一本勝ちを収めた。結果、群馬彩華高等学校剣道部は、全国選抜大会での優勝を果たした。



優勝を果たした瞬間、バスの中で歓喜の声を上げる生徒はいなかった。

監督、そしてメンバーたちの目にあるのは、「これは、ただの義務の遂行だ」という無言の了解だった。


しかし、監督の表情は、晴れるどころか、さらに厳しく、険しくなった。優勝は優勝だが、内容が監督の求める「完璧な勝利」ではなかったからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ