卒業式の日の稽古
そうして、息つく暇もなく、時間だけが過ぎていった。
気がつけば三月。
例年、厳粛な空気と、卒業の寂しさが入り混じる卒業式の日を迎えていた。
例年であれば、卒業式が終わった後、剣道場では在校部員が準備したささやかなお祝いの会が開かれ、卒業生を胴上げし、感謝と別れの涙を流す光景が見られた。
しかし、今年から――いや、この厳しい規律が導入された「今年から」――その慣習は廃止された。
剣道部にとって、卒業は感傷に浸るべき日ではない。
それは、「後輩たちが先輩の残したノルマを引き継ぎ、勝利を継続する日」と定義された。
卒業式の華やかな祝賀ムードが校内を包むその日、剣道場の扉は閉ざされ、中からは激しい竹刀の音だけが響いていた。
防具を身につけた東清美たち在校生は、卒業生の姿を遠くに見ることもなく、ただひたすら監督の指導の下、打ち込みを続けていた。道場の壁には、五人の書面と、腰板に縫い付けられた「忠誠」の文字が、冷たく輝いていた。
涙を流す権利も、祝福し合う権利も、彼女たちには許されていなかった。
卒業式という節目でさえ、彼女たちに課せられたのは、勝利という名の永続的な義務だけだった。
・・・そして、3月下旬。
全国大会として、愛知で選抜大会と、秋田で魁星旗剣道大会が開催された。選抜大会は群馬県代表として出場。いわゆる新メンバーの集大成としての大会だった。




