忠誠心
体育科長:
「お前たちにあるのは、優勝と書かれた賞状とトロフィーを、この学校に持ってくる事だけだ。いいな。」
5人は返事が出来ない、それは恐怖心からだった。
「三年間、群馬彩華高等学校体育科の生徒として在学し、剣道部員として監督の指導の下、稽古を重ねるお前たちには、その使命しかない。
『勝つこと』「優勝すること』以上だ。返事は?」
平手打ちされ、まだ痛みで体が震えている五人は、力なく「はい」と返事をした。
体育科長:
「聞こえないぞ! 返事は!?」
体育科長の怒声が会議室に響き渡る。五人は、顔の痛みに耐え、腹の底から、絞り出すような大声で叫んだ。
五人:
「はい!!」
その返事を聞き、体育科長は監督に最後の指示を与えた。
体育科長:
「監督。この五人の書面を、各自の寮の部屋と、道場に、今後五年間、目立つように飾れ。いいな?」
それは、この五人が高校を卒業した後も、彼女たちの「裏切りと忠誠の誓い」が、常に寮と剣道部道場に掲げ続けられることを意味した。
体育科長:
「この書面は、剣道部の後輩にも、高校と体育科と剣道部への絶対的な忠誠心と、勝利への執着心を忘れないようにするための、生きた教材となる。徹底しろ。以上だ。」
監督は「承知いたしました」とだけ答え、指導を終えた。
五人のメンバーは、顔の痛みと、心に刻まれた「涙を流す権利の剥奪」という重すぎる命令を背負い、会議室を後にした。
彼女たちに残されたのは、ただ一つ、「勝利」という使命だけだった。




