体育科長の追求
(会議室で、校長、体育科長、監督が上座に座り、出場メンバー5人が対面に正座していた。)
体育科長:
「田中。お前の『清美にもう一度チャンスを』という発想は、美談ではない。勝つことが全ての団体戦において、それは甘えだ。
そして東。お前は個人戦で負けたトラウマを、なぜ克服できなかった? 克服できないなら、試合に出る資格はなかったのではないか?チームの足を引っ張った、と自覚しているのか?」
清美は、唇を噛み締め、さらに深く頭を下げる。
「…はい。自覚しています。」
体育科長:
「お前たち二人の、精神的な脆さが、全国制覇という目標を打ち砕いた。今回の敗北は、単なる技術不足ではない。日頃の生活態度、目標への意識、全てに問題があったと見ざるを得ない。この結果について、チーム全員で深く反省し、今後どう立て直すのかを、書面で改めて提出してもらう。」
会議室は、出場メンバーたちの深い悔恨と、校長たちの容赦ない追及の言葉に満たされていた。
インターハイでの準優勝という栄光の裏で、群馬彩華剣道部は、最も重い現実を突きつけられていた。
会議室で、顔を伏せ、深く頭を下げて反省の弁を述べる東清美。
校長と体育科長による、容赦ない追及が一段落したが、厳しい視線は東に注がれていた。
会議室の重い沈黙の中、剣道部監督が、ゆっくりと顔を上げた。その表情には、これまでの指導者とし
ての責任と、教え子を守りきれなかった悔しさが滲んでいる。
監督:
「校長先生、体育科長。今回のインターハイ団体戦において、全国優勝という目標を達成できなかったこと、誠に申し訳ございませんでした。」
監督は深々と頭を下げる。その声は、重く、しかしはっきりと響いた。
監督:
「指導者である私の、認識の甘さ、そして選手たちの精神的な未熟さを見抜けなかったことに、全ての責任がございます。特に、副将の東、大将の田中の精神状態を、もっと深く理解し、適切な指導ができていれば、このような結果にはならなかったかもしれません。今回の敗北は、全て私の指導力不足の証でご
ざいます。」
監督は、もう一度頭を下げた後、出場メンバーの方に振り返った。その視線は、先ほどまでの反省の弁とは打って変わり、鋭く、厳しいものだった。
監督:
「お前たち。」
監督の声に、メンバー全員の肩がびくりと震える。




