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湖に刻まれた記憶 失われた叡智を求めて-生成AIと綴る物語-  作者: Kai
- 2 - 新しく復元された文章と魔力の波形
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- 2 - 新しく復元された文章と魔力の波形 1


薄い水盤に移る文字は様々な国の言葉の欠片が意味を成さずに規則性もなく浮かんでいる。




古代語は研究所にある水盤では水盤が表示できる文字に置き換わって表示されている。




まるで意味を成さないような文章でありながら、大抵の場合は規則性がある。





がしかし、辞書どころか国ごとなくなったと言われている国もそれなりにある為、

今と大戦前では文字が意味なす言葉が異なっている場合も多い。





しかも、今回復元しているのは魔導大国の情報という事で、情報が国内で発見される魔道具と比べて種類も多い。





平たくいうと、種類が多すぎて復元されたものに一貫性がないのだ。





公表された以外にも複数個、既に復元されている古代文章があるが、現在にも一部正確に伝わっている古代語の中で、どう考えても”表に出てはいけないもの”が含まれている場合もあり、全ての解読が終わるまでは上層部以外には秘匿されている。






ここも特別室扱いで表向きには"存在しない"場所だ。






魔道具は起動すると大概の場合、最初に説明文が表示されるがこの魔道具もそうだった。






その最初の説明文も一部は欠片のままで、まだ復元出来ていない。






本来なら何が出てくるかわからないので、どこまでも慎重にならないといけない代物だったりする。






そう考えるとアシスタントたちが全員課題を解読できないでくれた方がやはりいいのかもしれない。





何をするかわからない危険者がいる場での解読など胃に穴が開きそうだ。








「レン、レン!聞いているのか?」






オリバーの呼びかけで我に帰った。







「すまない。意識があらぬ方へ飛んでいた」







「今日中に危険な言葉が入ってないか照合して欲しいとのことだが、大丈夫か?」






呆れ顔をしながら問われるが、彼女たちに関わった日は大概こうなるのはいつものことだから諦めて欲しいと思うのはわがままなんだろうか…?






取り止めのない事を考えながら、自分の魔力残量を確認していく。






一応、自分も傍系王族でも直系に一番近い系列だったりする。





なので、彼女らと会うときには結界の魔法陣が刻まれた装飾具に魔力を流し続けているので精神的な意味だけでなく、多量の魔力消費で疲労しているというのもある。





そんな事を考えながら、作業をするのにどのくらいかかるか工数計算しているといつの間にかオリバーが消えていた。






どれだけぼんやりしていたのか焦ると、オリバーが大盛りの塊肉のチリトマト煮と他にもスナックや彩り豊かなサラダと小さなビール樽を持って戻ってきた。







「今日はここの当直室に泊まって、明日の朝イチで照合にかけてくれ。



それなら魔力も気力も回復してるだろ?」






そんな事を言いながら、オリバーは自分用に皿に料理を持っていく。







大変ありがたい申し出だ。






「オリバー、ありがとう。そうさせてもらう」





住まいは徒歩30分かからないと言っても、水盤を持って帰ることはできない





それならば、一度休んで朝と言わず夜の間でも魔力が戻り次第作業をして、そのまま寝れるのが都合がいい






王族がそんな生活を…と思うかも知れないが、前王弟である祖父も父も一年中、記憶の湖に関わる魔道具発掘に飛び回り、母はここの研究員で上層部に名を連ねている。







王族の傍系の中で研究室勤めは現在は我が家が主家になっている。








そして癖で王子と呼んでいるが、そんなネイト王子は鳩子だ。








親族内では年も近い。







が、10代20代くらいまでの5才の差は大きいのと、王宮内の離宮ではなく、研究所に片接している職員向けの住宅街で幼少期から育った為、そこまで親しい訳でもない。







ちなみにだが、王子の理想の夫婦は我が両親だ。






――年に数回しか顔を合わさず、会っても会っている間中、魔道具か記憶の湖の話しかしない我が両親が憧れだと澄んだ目を輝かせて言われた時に、まだ見ぬ王子の婚約者になる娘に少し同情したのは内緒だ。



















――――馬車の中で目が覚め、窓の外を見ると子どもの頃に一度連れて行って貰った北部の山々を越えた先にある針葉樹の森が見える。










これは夢か?







レンは自分が寝る前に読んでいた本を夢見ているのかと思ったがそもそも本を読んでいたか?など、夢現つの状態でぼんやり考える。






そうしていると馬車が止まる。






馬車のドアが開いて、軍人たちに囲まれると上位貴族のような軍人が何か話しているようだ。






"どこの言葉だ?




夢の中でまでわからない言語で話さなくたっていいだろ?




嫌がらせか?"






夢の中でまで解読が必要だなんて、やっぱり彼女たちは害悪すぎる。





ストレスの溜まりすぎか、それとも疲労か。と思っていると馬車から降り、兵たちが敬礼している道を軍人の後ろを歩いていく。








"この軍服、うちの国のじゃないな。でもどこかで見たことがある気がする。どこだ?




型的に今の流行りじゃないから、子どもの時に見た舞台か何かだったか?"







夢か現実か現のまま、身体の自由はなく勝手に動くので、思考だけがどんどん取り止めもなく進んでいくと、そこには地獄絵図と言うのにふさわしい黒く澱んだ乾留液と岩漿を合わせた様な池で所々で炎が上がっている









そんな場所の目の前にある魔法陣に誘導されて当たり前のようにそのまま中央に立つ。










"嘘だろ?




こんな細かい魔法陣初めて見たぞ。





確認もしないで乗るって冗談だろ?





人なんて魔法陣に入れたら爆発するだろ。





何やってるんだよ!"







そこからはレンの想いを無視して、まばゆいばかりの光が降り注いだかと思うと膨大な断片的な映像が流れ込んでくる。











張り裂けそうな胸の痛み






いままで感じたことのない






気が狂いそうな怒りに






怒声の様な叫び声を上げ――







そこで目が覚めた。















――――――――――











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