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シュタイナー公爵領(最終話)

シュタイナー公爵領の城下街は花祭りで賑わっていた。広場には沢山の屋台が並び、美味しそうな匂いが漂っている。


「フレッド、肉の串焼きと揚げたお芋も食べてみたい」

「仰せのままに。ここに座って待っていてくれ」

公爵夫妻も祭りを楽しんでいる。一応お忍びだが、領民全員が2人の顔を知っているので、皆温かく2人を見守っている。公爵様が奥様に甘々なのも有名だ。


旧アハト皇国の半分をアルフレッド・シュタイナーが受領した。領を持たず一代限りの予定だったシュタイナー家は取り潰しのバイブリー家に代わる公爵家となった。

残りの土地はレーゲンスブルク家の次男エドガーと、隣の領のザクセン伯爵が拝領した。どちらも王都が攻撃された時に、アハト皇国に残った軍と戦い制圧した立役者だ。エドガーはレーゲンスブルク家の預かりの子爵位から陞爵(しょうしゃく)され、伯爵となった。


旧アハト城の広い庭は城壁に囲まれていた、アルフレッドは城門を開き、下水道を整備してそこに街を興していった。

アハト国時代に悩まされていた魔獣も、アルフレッドの率いる部隊が次々と討伐して、今ではほとんど現れることもない。安心して牧場の世話や畑仕事ができるようになり、領民はアルフレッドにとても感謝している。領主が不在の時は自ら馬を駆って駆けつけるシャーロット夫人の勇姿も評判である。


広場に置かれたテーブルで街の住民が酒を酌み交わしていた。

「馬鹿な戦いでエルステに負けて、あの時はどうなるのか不安だったが…」

「ああ、今は負けて良かったと思うよな」

「ご領主は強いし、奥様は気さくだし、お二人に乾杯だ!」

「「「乾杯!」」」


そんな声を知らずにシャーロットは食べることに夢中だった。

「フレッド、このお芋にチーズをかけたのすごく美味しい」

「ああ、この地方の名物でチーズに焼ごてを近づけて、溶かしている。すぐ食べないと固まるから」

「街が近いと、いいことばかりね」

「それでも1人で来るのは禁止だからね」

シャーリーはさりげなく自由にしてくれるフレッドに感謝していた。


アルフレッドが王位に就きアハトを治めるという意見も多かったが、今の形に落ち着いたのは『王妃だけは無理』というシャーロットの気持ちを汲んでくれてのことだ。でも、アルフレッドは本当の気持ちはきいていなかった。

「そろそろ戻ろうか、見せたいものがあるんだ」

「…もしかして?」

「ああ、完成した」


改装したシュタイナー城に帰るとフレッドはシャーリーを裏庭に案内した。そこには丸太でできた小屋が建っている。台所と浴室に部屋は3つのこぢんまりとした間取りだ。

「フレッドありがとう、私たちの家ね」

シャーロットはアルフレッドに抱きついた。

「これで駆け落ちした気分も味わえるだろう?」

「フレッド…本当は王になりたかった?」

「いや、王は自分で動けないからな。それに俺たちの子どもには自分で未来を選ばせてやりたい」

「…フレッド、愛してる」

「俺も愛しているよ。1年経って領も落ち着いてきたし、そろそろ子どもが欲しい。この家で子づくりに集中しようか」

アルフレッドは真っ赤になったシャーロットにキスすると、小屋に(いざな)った。

護衛の兵士達は頷きあい、遠巻きに小屋を警備することにしたのだった。

最終話までお付き合い、ありがとうございました。

初めての完結作に沢山のアクセスをいただき、投稿を続ける励みとなり、感謝しております。


追記 誤字報告たくさんいただきました、ありがとうございます&申し訳ありません。

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