2章 プロローグ
今回は短いです。
俺は幼い時から天才って言われてた。
だから、俺は誰かを頼ることも頼られることもしない。
もう、嫌なんだ。
血まみれになりながら刀を握って、目の前のリクレッサーを斬る。
それと同時に俺の体からも血が噴き出す。
その度に前から狂ったような笑い声が聞こえてくる。
その度に後ろから悲鳴が聞こえてくる。
……俺は、天才なんかじゃない。
なりたくなかった……。
………………………………。
……誰か、助けてくれ……。
なあ、圭介……。
どうすればよかったのかな。
お前に助けてもらったのに、結局何も返せそうにないや。
本当にありがとな。
そして、すまん。
お前達のことを俺は信じ切ることができなかった。
だから、帰ったら俺のことはさっさと忘れてくれ。
今回悪いのはお前らじゃない。
信じ切れなかった俺のせいだからな。
……ああ、まったく自分で自分が嫌になる。
こんな時にもどうにかなるって思ってる自分が。
そんな自信満々な自分が。
優秀な友達を、尊敬してくれている後輩を信じていない自分が。
それ以上にそんな自分をこんな時まで信じ切っている自分が。
……まったく救いようがないな。