白魔女姉妹
ゆうべのことであった。
お味噌汁の中におふが浮いておった。
それを見ていたら、遠心力によるくるくるが起きて、両親が驚いた。
「もしかして魔法をつかったのかい?」
「人前ではしてはいけません」
お味噌汁のくるくる現象が遠心力によるものであることを言って、
なんやかんや会話をしながら家族で食事をすませる。
床について、うとうとしていると、声でない声が聞こえてきた。
聞こえたのは何も見えない夢の中だったのかもしれない。
そんな夢を見たのははじめてだ。
今日、妹とお散歩に出た。
そして夢で言われた場所、公園に兄弟で遊んでいる同い年くらいの男の子たちがいる。
「魔女さんたち、歓迎するよ」
「「どういう意味?」」と妹とユニゾン。
「なにが?」と男児の弟。
「かんげい」
「「意味がまだ分からない・・・」」
「ん~・・・魔法使いになれて、おめでとう。夢の中で見たよ」
「「お前、誰?」」と妹とユニゾン。
「俺、魔法使い。弟も」
「「恋のはじまり?」」と妹とユニゾン。
「「ううん」」と男児ふたりが首を横にふって本域なユニゾン。
とやかくむずかしいことは抜きにして遊んでいると
パパがやって来て、カメラを向けた。
「こんなに早く魔法使いと接触するとは思いもしなかった」
「パパさん、魔法使いなんですか?」とお兄さん。
「僕は僕でしかない。魔法使いとか、知らない」とパパ。
「「パパ、恋の魔法を教えてくれ~」」と妹とユニゾン。
「「ううん」」と本域の拒絶をやんわりしてくれる男児ふたり。
「パパ、も、ううん、だ」
そのあと自覚はないがそうとうきわどいことを妹と言ったらしく、
その日の記憶はそこでとぎれている。
私が現在『白魔女』を名乗ることになったのと、何か関係あるのだろうか。
今や行方も分からぬ「魔法使い」を名乗る男児ふたりは、一緒に遊んだその日始終私と妹のことを「白魔女姉妹」と呼んだ。