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 ある家の地下。

 それは暗い部屋で、魔術学校の校長、騎士団の団長、国王、魔術研究長など、この国で確かな地位を確立している数名、少人数で会議が行われていた。


 ピリピリとした緊張感が漂う中、空気を破ったのは国王……ではなく、魔術学校の校長だった。

「今回の件は皆さんはどうお考えか?」

 すると、一息おいて魔術研究長が話し出す。

「何者かが結界に細工をし、竜を転移したとしか考えられないでしょう。もっとも、怪しい者はいますが。」

 ビジョンに映る少年を睨みつける。

「確かにこの()には何かがある。こんな少し大声を上げただけで竜が反応することはあり得ん。ビジョンにも映っておるが、儂の学校の生徒が鉄の棒きれで攻撃してもびくともしなかったように、本来であれば竜は大声を上げた程度では気にも留めまい。

 じゃが、あの男には反応を示した。つまり、竜が彼の未知の力、もしくは巨大な力を感じ取ったという事じゃろう。力にしか興味を示さんのが竜じゃからのう。」

 学校長が言う。

 

 すると、それに反論するかのように騎士団長が席を立ち、発言をする。

「彼の自作自演だとでも?いくら怪しいからといって、彼が竜を転移したと結論付けるのは早計でしょう。もし彼がそうだったのなら、ここまで目立つ真似はしないはずです。」

「そうは言ってもこの少年が異端であることに変わりはないだろう。調査をすべきではないのか?」

「お前はそう言ってまた暴力的な尋問をするのだろう!調査をするのなら私が行う!」

「ほう?お前のような甘い女に情報を引き出せるのか?」

「貴様こそ、自分の望む答えが返ってくるまで拷問するのではないのか?」

 騎士団長と魔術研究長は額を突きつけあい、言い争う。この二人はいつも喧嘩をする、というか、しない方が珍しいか。


 そんな中、咳ばらいを一つ挟み、国王が発言する。

「もうよい。彼についてはエムリス、其方に任せる。やり方はお主に任せるが、情報を聞き出してもらいたい。騎士団長と研究長は今回の事件の調査じゃ。彼には関わらずにな。よいか?」

 言い争っていた二人は少し不満そうに唸ったが、反論はせず、命令を承諾する。

 学校長も承諾したが、少し時間がかかると一言いい、この場を去った。



 国王以外の全員が席を去った後、俺は暗闇から現れ片膝をつき、忠誠心を示す姿勢をとる。


「……影よ、お主にも頼みがある。よいか?」

「もちろんでございます。我が主。」


 俺は命令を承諾し、この場を去った。

  

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