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魔娘記  作者: あるむ
プロローグ
3/30

1話

「うわー最高級装備一式と、スゲー量の金と、俺の日用品入ってる……」

勇者になってしまった俺は、無限に物が入るバッグを所持している。此方から荷物を送ることは出来ないが、王様の方から荷物を送る事は出来るらしい。

「どーすっかな……」

ここは勇者初心者がレベル上げの為に集まる草原だろう……俺には経験値が少なすぎて狩るモンスターが居ない。モンスターが逃げるレベルである。魔王城は此処から徒歩五分圏内に有るが……こうなったら全力で旅してやる。と、心に決めた瞬間、背後にある木の影から物凄い魔力を感じた……常時増え続けているような、膨大な魔力だ。上級の魔物ってところか……。出てきたところを斬ってやろうと構えていると、木の影からチラッと女の子の姿が見えた。全体的に紫色で、ムスッとした表情のーー、

「魔王の、娘?」

「なんで知ってるの」

意外にも、返答が返ってきた。

「えーっと、……私の名前はシザリス・リッパー。アリックス王の命を受けて、あなたの事を探してたの。君の名前は?」

女の子だし女対応した方が良いよなぁ……という優しさである。女装してるからか、大抵の人は俺を女だと思ってしまうらしい。

「私はエネミー・ヴァイオレット。魔王の娘よ……今はアリックス王の嫁になりに王都目指してるわ」

「ほう、そうか……じゃあ、俺と旅しよう!」

なんというか、出会ってしまった以上あんなロリコン王と結婚させてしまうのは良心が許さなかった……というか、なんか世間知らずっぽそうだし、子供向けの物語でよくある、「俺が世界を見せてやる」って感じで良いかなって。さて、脳内会議で連れて行く事は決まったが、合意を得られるとも思ってない為、少女ーーもといエネミーの身体をひょいっと持ち上げ、強制的にテレポート(何回か使用できる持ち運び式の物)する。目指すは次の街、ライアヴィスである。

「ちょ、ま……っ!」

じたばたと暴れて困惑するエネミーには可哀想だが、まだ変態に受け渡す時じゃない……彼女の為にも、一生回避したい所である。申し訳無さを感じつつも、そっと目を閉じた。

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