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魔娘記  作者: あるむ
四人旅
17/30

少女Rの独白

どうも、私の名前はリルチェって言います。リリエレっていう宿場町の定食屋さんの次女として産まれて、料理ぐらいしか取り柄のないつまらない女です。今、私は親元を離れて、運命の王子様と旅をしています! そのお方の名前はアルバート様! ベル姉の代わりに接客のお仕事してたら突然暴漢さん(……と言っても、美人が多いと言われているこの町ではこういう暴漢さんが襲ってくる事がかなりあるので、女の子は基本死なせない程度の護身術なら扱えるんですけどね。)に絡まれて困っていた私を颯爽と助けてくれたのがアルバート様だったのです! あの時は幸せで、幸福で……とにかく胸がキュンっとしたのでその日の内に家を出て、アルバート様のお役に立てるよう努力する毎日なのです!

「アリスー!」

……と、言ってもおとぎ話みたいに都合良くアルバート様が私を好きになってくれるーーみたいな事はありませんでした。アルバート様の想い人であるアリスさんは、女の私から見ても美しくて、可愛くて、暗い過去を持ってたりもして、トドメに性格も気立ても良いまさしくヒロイン……そんな風格です。私なんかが逆立ちしたって届かない存在です。だから、私は脇役に徹しようと心に決めました。だって、好きな人が幸福になれるのなら、そっちの方が絶対に良いもんね。


閑話休題


……と。暗い話はここまでにして、今日は新しい仲間が加入したのです! サイブリーっていうお名前で、色素の薄い茶髪と、透き通る様な水色の瞳を持っている大っきい人で、頭に付けてる仮面が特徴的な、無表情なのに優しい雰囲気を持つ男性で、岩陰で行き倒れているところを偶然私が発見して、たまたま持っていたマコウヘビの燻製を差し上げたら元気になって頂けて、恩返しという名目で魔王討伐のお手伝いをしてくれる事になったのです。魔物の肉しか食べられないらしいので、サイブリーさん用にメニューも考えなきゃ……なんて思考をぐるぐるしていると、いつの間にか隣にアリスさんが居た。

「リルチェちゃん、ようやくこっち向いてくれたわね」

悪戯っぽく微笑むアリスさんに思わず照れてしまいながらも、私とアリスさんによる不定期女子トークが始まった。何を隠そう、アルバート様が好きなのはアリスさんなのだけれど、アリスさんが好きなのは別の人ーーシザリスさん、という方らしい。昔旅人をしていた時代にお世話になってた方で、黒髪長髪のイケメンなんだとか。うーん、アルバート様を応援したい私にとっては複雑なんだけれど……けど、その人について話すアリスさんの寂しげな表情が、烏滸がましくも私とダブってしまったのだ。だから、私は

「ちょっと、夕食について考えていてぇーー」

嘘を吐く。

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