5 SSU ユターシャ
町を覆っていたギンネムは急激に枯れて萎んだ
町の人たちが枯れたギンネムをかたずけている
町の近くに、夏田古文時が乗っていたレンタカーが行儀良く待っていた
「あっ、しまった、レンタカーがあったんだ、無駄に念を使いウマッタラを生成する必要など
なかったんだあ」
レア株であるウマッタラを株に戻して黒いビジネス鞄に入れる
それからレンタカーに乗り、ぎゅうちゃんたちの後を追う
「ぎゅうちゃん、なぜわたくしを縛ったのですか、あっ、ぎゅうちゃんって言ってしまってた、ぎゅうだ ぎゅうだ、あんなやつ、ぎゅうでたくさん
ですから」
コンテヨロスーという黄色いスポーツカー
オープンな風に吹かれても頑なに七三にキープされた髪
静かな意志の体現としてのビジネススーツ
ご存知SNS スーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時その人である
『コンテヨロスー』というクルマをご存知の方もいらっしゃいますか
ヨーロピアンイエローにしか塗らないオープンカー
かつてF5に住んでたレンタカー屋のおっさんが
中野からわざわざ取り寄せた
島一番のスリムカーである
ぎゅうちゃん、いや、ぎゅうを追ってレンタカーを走らせる夏田古文時である
入道雲の雄大さ美しさの下の
農道を慎重にゆく夏田古文時
すると
ハイビスカス揺る下を
ヒップが右に向かうクイッと右に向かう
左のヒップが右に向かう振りをして
右のヒップが左に向かう振りをして
やはり右は右に
左は左に
なれどヒップの方向などどうでもよくて
ポップな内腿の方向を気にして
ポップなヨーロピアンイエローのスポーツカーを尚更ゆっくり運転しているのは
SNSスーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時その人である
農道に似合わぬハイカラな若い娘さんが長い黒髪にハイビスカスを飾り
ゆっくり歩いているではないか
ヨーロピアンイエローのスポーツカーが若い娘さんのヒップを追尾している
ハイビスカスの彼女のヒップは溢れる躍動感
ナチュラルなダンス
挨拶を誘発する
「ふにゃーにらにゃい」
ご存知SNS夏田古文時は
習いたての島言葉で挨拶をしてしまつた
魅力溢れるヒップに挨拶をしてしまつた
振り返る彼女は
さすらいのユタ
ユターシャ
ご存知
SSUユターシャその人である
流れ流れる麗しい黒髪の大河
微笑みの銀河
世界中の美が後退りして踵を返し逃げ出す
圧倒的美少女
「ふにゃーにらにゃい?ふにゃーにらにゃいは、いらっしゃいという意味ですよ
お招きくださるの?」
ポップなサンシンのような麗しい声
いや、実際に、美少女はサンシンをポップに鳴らしながら話をする圧倒的美少女なのである
「あの、その、ヒップがポップでして
挨拶が、お招き、でして」
夏田古文時
しどろもどろな夏休みの昼下がり