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東方滅界録  作者: 坂上儚月
第一章-来訪者、そして謎-
8/12

第六話-襲われる紅魔館と一人の小説家-

だいぶ出すのが遅くなってしまいましたな。相変わらず何を書いているのか途中から分からなくなってきてしまったので変な部分があるかも知れませんが、そこは大目に見てやってくださいm(*_ _)m


それと何とうp主本体が登場してしまいます。

「おーっす。ちょいと遅れちまった。」


「遅すぎだっての…って何でお前ら血だらけのボロボロなんだ?」


俺と兄貴、それと新しく仲間になった女を連れて本物の紅魔館へと戻ってきた。流石に向こうの紅魔館で負った傷に時龍と幻真が聞いてきたので軽く説明した。


「えーとだな、二人組の殺し屋に会った。戦った。んでボロボロになった。以上!」


「いや流石に略称しすぎじゃねぇか!?」


時龍は完璧とも言える様なツッコミを入れると軽くため息をついた。


「はぁ…とりあえずお前ら着替えてきたらどうだ?血だらけのボロボロで会議なんて出たら皆から同じツッコミされるぞ?」


「おっと、それもそうだったな。んじゃ軽く着替えてくるわ。」


竜神と儚月はそれぞれ先に割り当てられていた部屋に行こうとしたが、途中で立ち止まった。


「おっと、そうだ。俺達が着替えたりしている間にこの女を会議する場所まで案内してやってくれねぇか?流石に待たせるのも悪いからな。」


竜神の後ろを付いてきていた女を時龍と幻真の方へと向かわせた。


「ん?こいつは誰だ?」


「まあ、成り行きで仲間になってくれた。まだ名前は教えてもらってねぇから後で聞くつもりだ。」


竜神はそう言うとさっさと自分の部屋へと向かっていった。


「全く竜神は…ああ、そうだ。確かさっき時龍が女を連れて行っていたが…さてさて、何をするつもりやら…」


儚月は後ろに向いたまま幻真に聞こえるように言うと、自分も部屋へと戻って行った。


「…まあ、何時もの展開ならこの後時龍は…」


幻真がそう言ったのと同時に時龍の断末魔とも言える叫び声が聞こえてきた。恐らく先程の女に変態な事をしようとして制裁を喰らったと考えて良いだろう。


「…とりあえずあいつの墓でも建ててやっておいてやるか。」


こうして変態は星へとなったのであった。


「まだ死んでねぇよ!」


あ、まだ生きてた。


「勝手に殺すな!」


まあ、うp主特権で死んだ事に出来るんだけどね♪


「ダニィ!?」


「おいおい。とりあえずうp主はさっさと戻れっての。じゃないと無理矢理戻すぞ。」


無理矢理戻されるのは勘弁じゃ。それじゃあ後は頼むぞー。


「あ、いやちょったと待った。」


ん?どうしたね?早く戻らないと読んでいる人から邪魔じゃコラァ!みたいな感じで言われかねないZOE?


「そう言えば人手が足りないんだよな…」


ん?どゆことだってばよ?


「簡潔に言おう。うp主も異変解決を手伝え。」


ゑゑゑ!?何でうp主の儂が!?


「うp主だからこそ手伝うもんだろうが。とりあえず問答無用で手伝え。」


問答無用!?だ、だがうp主の特権で出てこれるかどうか否かは自分で決めれるのだ!!勝ったァァ( ゜∀゜)ウヒョー!!


「そんなもん竜神に頼んでスキマ弄ってから連れてくればうp主特権だろうがなんだろうが関係無いだろう?」


ダニィ!?そ、そこまで頭が回るとは…!


「ま、諦めて手伝えっての。」


クソゥ…寝てたかったのにぃ…


「寝るのは異変解決してからな。」


「異変解決するまで寝れないって事かい!?」


「そうだ。てか突然姿を実体化させるな。読んでいる人達が驚くだろう。」


「( ゜∀ ゜)ハッ!((((;゜Д゜))))しまった!」


「お前は顔文字使い過ぎ!」


「おりょ、そうかね(´・ω・`)?」


「そうだ。」


「それじゃあ、使うのは控えるとするかね。」


「そうしてくれ。さて、話が長くなってしまったな。そろそろ竜神達も戻ってくるだろうから会議室に行くとしようか。」


「あいよ。あ、そう言えばなんだけどそこでまた転がっている変態はどうするのかい?」


「放っておいても良いだろう。」


「あらそうかい。それじゃあその時龍を未だに蹴りまくっている者はどうする?」


「あっちは流石に連れていこう。向こうで名前も聞くことになっているみたいだしな。」


「お、そうかい。それじゃあ引っ張ってくるかね。」


うp主である儂は(一人称儂だからね〜)何だかんだあって異変解決に手伝う事になったとさ。(ついで時龍を蹴っていた女はうp主が羽交い締めにして連れて行ったとさ。)



_____________________________________________



「ふう、流石に時間が掛かりすぎたかな?」


「まあ、仕方ないでしょうて。儂とずっと話をしていたのですからねぇ。」


「まあそうなんだが…」


幻真はこちらを見ながら顎に手をついていた。


「うp主の服装…どうにかならないのか?こんな季節にその服装は…」


そう、幻想郷の現在の季節は真夏。なのにうp主は黒い上着の上に更に灰色のロングコートを羽織っているのだ。


「ん?この服装がどうかしたのかぇ?」


「いや、普通こんなくっそ暑いのによくもまぁそんな服装してるな…と。」


「これが儂のアイデンティティなんじゃからツッコまないでくれぇて。それにこの服装も中々便利なのじゃぞ?」


うp主はそう言うと袖の中から数本のナイフを取り出した。


「袖の中にナイフを仕込んでいるのか?」


「うむ。この方がしっくり来るのでな。」


うp主はナイフをしまうと早速異変の話をした。


「所でな現在起きている異変じゃが、どうも解決するのは面倒そうじゃぞ。」


「厄介なのは皆分かっているわよ。それよりも何でうp主が居るのか聞きたいのだけど…」


向かいの席に座っているレミリアはこちらを見ながら話していたがうp主は華麗にスルーして話を続けた。


「では何故厄介なのかなのじゃが…こちらには他の幻想から来た猛者が居る。しかし、敵の首魁も中々に知者みたいなのだよ。こちらの戦力が完全にならない様に既に数人が敵に引き込まれておる。」


「ま、それは分かる。俺達も既に何人かと交戦をしたからな。」


幻真は壁に背を付け腕を組んで話していた。


「その何人かと戦って分かったと思うが…相当な強者じゃっただろう?」


「確かにそうだな…正直あのドジってた二人の殺し屋も相当腕が立つしな。」


竜神と儚月は濡れた髪をタオルでガシガシ拭きながら先程の戦った二人の殺し屋を思い出しながら話していた。


「それでなのじゃが、もしかしたらまだまだ他にも幻想の強者が来るかもしれん。じゃから敵に先手を打たれる前にこちらから動きたいと思っておる。」


「まだ来るってのかよ…何かもうこの異変には限度ってのは無いのか?」


「まあまあ、そう言うなって。とりあえず最終目標は敵のボスをぶっ潰せば勝ちなんだからよ。」


少しだけ面倒そうな時龍に対して幻真は新しく来るであろう強者に興味を示している感じがしていた。


「まあ、その内の一人に関しては既に目星が立っておるのじゃがな。」


「そりゃうp主特権で何処にどんな奴が来るのか分かっているからだろう?」


「幻真クン、メメタァな事は控えような?」


「それを言う割には相当汗流してないか?」


「こ、これはただ単に暑いだけじゃ!」


「じゃあそのコート脱げよ!」


「これは儂のアイデンティティなんじゃ!」


幻真とうp主が変な事でギャーギャー言っていると、竜神がスキマから連れて来てしまった女が手を挙げた。


「あの…そろそろ私自己紹介したいのですけど…」


「あ、スマンスマン。それじゃあ少しの間自己紹介の時間と行こうかね。」


うp主の一言であちらこちらで異変の事について話し合っていた者達は一旦話を止めて女の方に向いた。


「ええと、それでは自己紹介しますね。私の名前は光華(こうばな) 日咲(ひより)。【能力は幸福をもたらす程度の能力】【絆を加護として使う程度の能力】【神の力を使うことが出来る程度の能力】の三つを有しています。とりあえず種族とか二つ名は言うのを省きますけど良いですか?」


「ああ、それは構わない。だが…」


儚月は日咲に近付くともう一つの【質問】をした。


「お前の中に居る【もう一人の人格】は一体何なんだ?」


日咲はそれを聞かれるとは思わなかったのだろう。顔に一瞬だけ動揺の表情が見受けられた。


「…何故分かったのですか?」


「そりゃ俺はスキマを操る。ん?操るとはまた違うか。ま、とりあえずスキマとか弄ってたら何故か他者の違うものまで覗けるようになっちまってな。会った時から少々違和感があったから聞いてみた。それだけだ。」


儚月はそれだけを言うと先程と同じ様に竜神の隣に戻って行った。


「…確かに私の中にはもう一人の人格があります。ですが、殆ど表に出てくることはありません。例外として私自身の精神のバランスが崩れた時に出てきます。」


「ふむ…つまりはこの中の誰かが日咲の目の前で殺されたり、もしくは存在を消されたりしたらその時点で裏人格が出てきてしまう事になるのだな?」


「はい。それに元々が精神的に脆いのでそれ以外の事でもない裏人格が出て来てしまう恐れがあります。」


日咲はそこまで話すと下を向いてしまった。


「…やっぱり私って恐ろしいですか?何時暴走するかも分からない裏人格がある者が近くにいる事は…」


日咲はそんな事を小言の様に言った。


「…えーとだな。そこまで言って悪いのだが…特に恐ろしく無いぞ?」


「ああ、正直言うと俺の隣の奴なんか暴走なんかしょっちゅうしているしな。さっきも暴走してやがったし。」


日咲はそれでもまだ「でも…」何て言っていたが…


「それに、此処にはお前さん以上の化け物と行ってもいい様な奴らも来ておる。いや、それ以前にそこの竜神は不死身で死なない時点で化け物じゃったな。」


「誰が化け物じゃゴラァ!」


うp主の一言でキレた竜神を止めるように襟を引っ掴んでいる儚月達を見ていた日咲はクスっと笑った。


「お、ようやく笑ったのう?」


「え?」


「お前は此処に来てから全く笑ってなかっただろう?だからわざとやったんだよ。」


「…実は本当の事を言っただけだなんて言えない…!」


「だから聞こえてるっての!」


「はいはい。とりあえず暴れるならスキマの中に放り込むぞ。」


「「すんませんでしたァァァ!」」


三人のそんなやり取りを見ていた日咲は苦笑しながら椅子に座った。


「あ、そう言えばうp主さんの事はなんて呼んだら良いでしょうか?うp主さんって呼んでも良いですけどやっぱり名前で呼んだ方が良い気がして…」


儚月に止められている竜神をからかっていたうp主はそう言えばみたいな感じの顔をして自分の自己紹介も始めた。


「そうだね。一応名前を言っておこうか。その方が良いだろうし。そうだね…じゃあ死神で良いや。」


「死神って…もはや名前じゃない気がするのですけど…」


「まあまあ、細かい事は気にするな!」


「細かくは無い気がするが?」


うp主…もとい死神はケラケラと笑いながら何処らから取り出したお茶を飲んでいた。


「いやそのお茶何処から取り出したんだ?!」


「ん?さっきから置いてあったが?」


「いや無かった!」


何故かまたつまらない事で喧嘩をしそうな雰囲気を醸し出している竜神と死神を見ていて、日咲がやれやれと言った感じで机の下に置いてあった小さな台を取り出した。


「死神さんはここからお茶を取り出していましたね?」


「おりょ、よく見ていたんだね。下に置いている方が邪魔にもならないし取り出しやすいからねぇ。」


「って事はさっきから置いては無かったって事じゃ無いのか?」


「机の下には置いたあったがの。」


「俺が言っているのは机の上だって事だ!」


「だから喧嘩するならスキマに放り込むぞ。」


「「それだけは勘弁してくれ!」」


「じゃあ喧嘩するな。」


そんなこんなで賑やかに(?)会議を進める事三十分後。一応話が終わったので簡単に纏める事にした。


「さてさて。とりあえずやる事成すこと全て決まったから短く纏めようか。」


竜神は机の上に幻想郷の地図を広げると皆はそれを囲むように机に集まった。


「それじゃあまずはそれぞれの場所に向かって協力してくれる妖怪、もしくは他の幻想郷からの強者を探してくれ。後は先程決めたメンバーで必ず動くようにしてくれ。そしたら敵の奇襲とか食らっても対処が出来るだろう。」


「ま、その敵に関しても情報が少な過ぎるから襲ってきた奴はとりあえず全員潰せば良いってんだろ?」


「それは良いが竜神に関しては一度戦闘始めると馬鹿みたいに暴れるからな。それが心配なんだが…」


「うっ…控えるように善処します…」


「はいはい。とりあえずその話は後でにして先程の様に別れてくれんかね?」


死神に促されて皆は三班に別れた。


「まず、魔法の森周辺の探索をするのは竜神、時龍、日咲、あの小さき龍の四人。そして次に妖怪の山周辺の探索は幻真、儚月、レミリアの三人。最後はこの紅魔館周辺の探索じゃな。これは儂一人で充分じゃな。咲夜と美鈴、それに探索に行かない奴らも全員本拠地になるであろう此処を守備してくれ。」


「了解だ。だが、本当に一人で大丈夫なのか?」


「何、心配は要らんよ。いざとなれば逃げるからの。」


「そうかい。所で…」


「ふむ…分かっておるさ。」


竜神と死神、それと幻真と儚月は一瞬だけ喋るのを止めると、四人同時に隣にあった窓から外に飛び出して行った。


「ちょっ!?どうしたの!?」


上からレミリアの声が聞こえたが、レミリアにも紅魔館に近付いてくる"何か"の姿を捉えた様だった。


「あれは…敵!?」


「お嬢様はそこで高みの見物をしておいて下さい。この様な敵は我々だけで充分ですので。いや、そもそもこんな日光が出ていては外には出れないでしょう。」


「う…痛い所を付いてくるわね。分かったわ。それじゃあそいつ等の相手は頼んだわよ。他の人達もそちらに送りましょうか?」


「いえ、大丈夫です。それより時龍の監視をしておいて下さい。放っておいたら何をするか分かりませんからね。」


レミリアはそれを聞くとすぐに窓から引っ込んでしまった。やはり日光がキツかったのだろう。儚月が上の窓から目を離して同じく外に出てきた三人を見てみると何故か楽しそうな雰囲気を出していた。


「さぁーて、探索に行く前に軽く運動でもするか!」


「丁度体も訛りかけていたから丁度良かったぜ。」


「そも、この様な敵じゃと運動にもならんかもしれんがの。」


「全く…楽しむのは良いが此処を突破されない様に気を付けてくれよ?」


四人はそれぞれ武器を構えると既に交戦をしている美鈴の救援に向かった。



_____________________________________________



「おーい!まだ生きてるかー?」


「まだ生きてますよー!とりあえず数が多過ぎるので手伝って下さーい!」


四人は美鈴が戦っている門の前に行くと、とんでもない数の妖怪なのか何なのかよく分からない敵に奮戦していた。


「これでも結構倒したのに全然数が減らないんですよー!」


「それは良いじゃないか!俺達の準備運動に丁度良い!」


そう言って幻真と竜神は敵の中に突っ込んで行った。死神と儚月はとりあえずあの二人が戦っている所を静観する所にした。敵の行動や攻撃方法等を見極める為だ。


「ふむ、儚月はあの敵の様子をどう見るかね?」


「まず動きが緩慢ながら統率の取れた動きをしている。それに相手は痛みを感じていない様子。そこから推測するに敵は別に居て、離れた所からこのよく分からん敵を操っていると考えている。」


「(ΦωΦ+)ホホゥ....こんな短時間でよくもそこまで見抜けたのぅ。」


「このぐらいは見抜けないと従者として失格でしょう?」


「そんなものなのかねぇ?」


「そんなものですよ。」


「ふぅむ…従者というものはよく分からんのぅ?」


「ま、そうでしょうな。従者は主人の為なら命すら捨てれるものですから。」


「そこまでかいな…まあ、従者だろうが何だろうが命あってのものだけどね。」


「それもそうですな。さて、あの二人に狩り尽くされる前にこちらも行かないといけないですね。」


「む?おお、話をしすぎましたな。さてさて、肩慣らしに動きますかな。」


儚月と死神は武器を構えると馬鹿みたいに暴れている二人の中に突っ込んでいった。


「おい竜神!あんまり余所見をするなよ?」


「お、兄貴!漸く来たんだな!」


儚月は竜神の背後から襲おうとしていた敵を刀で薙ぎ払うと互いに背中合わせで構えた。


「全く…戦闘を楽しむのは良いが…」


「ちょっ!?今ここで説教なのか!?」


竜神と儚月は敵の中に居ながらそんなやり取りをしているのを少し離れた所で戦っている死神と幻真は横目で見ていた。


「ふむ。あの二人は仲が良いのぉ。」


「それは良いが、とりあえず思っていた以上に敵がいるが…どうする?」


「どうするもこうも、全て薙ぎ払うしかないであろう?此処が突破されたら後々面倒だからのぅ。」


「ま、それもそうだな。んで、勝算はどれぐらいだ?」


「儂ら含めて強者が五人も居るんじゃぞ?勝算は確実に100%じゃ。」


「あのぉ…その五人の中に私も含まれているっぽいですけど?」


「当たり前じゃ。獅子奮迅の活躍、期待しておるぞい?」


「ふう…終わったら酒盛り一緒にしてくれますかね?」


「くはは…美人と一緒に酒盛りを頼まれたら断る訳にゃいかんじゃろうて!」


「おいおい、俺もその酒盛りに呼んでくれよな ?」


「勿論です!さあ、さっさっと片付けて酒盛りしましょう!」


(何じゃか目的が変わっておるけど…まあ良いかのぉ。)


幻真ら三人はその場から散らばると、それぞれ敵を倒し始めた。


「それにしても…先程の考えが合っているとしたらこいつ等を操っている奴を直接叩かないとジリ貧になる気がするのは気の所為か…?」


「ん?どうなされたかね?この様な敵の真ん中で考え事は死に直結しますぞ?」


「…それもそうだな。今は眼前の敵に集中しなければ!」


儚月はどこか嫌な予感を残しつつも、目の前の敵に集中する事にした。しかし、その嫌な予感は見事に的中してしまっている事に気付いたのは戦い始めてから数十分経った後だった。幻真、竜神、儚月、死神、美鈴の五人は既に二十分近くは戦い続けていた。しかし、敵の数は減るどころか寧ろ増えているのだ。流石にバラバラに戦うのは危険だと判断すると全員固まって敵を撃破し始めた。


「クソ!…敵の数が一向に減らねぇ!兄貴のスキマで何とかならないのか!?」


「すまんがこの数相手にスキマは使えん。気合いで耐えるしかないな。」


「じゃがそれではジリ貧所か全員全滅してしまうぞ?此処はやはり敵を操っている者を倒さねば終わらぬぞ?!」


「ですがこの場を一人でも離れてしまってはそれこそ此処が突破されて終わりですよ!?」


「あ、そうだ!あの変態野郎はどうだ!?何とかスキマでここに連れてくれば多少は楽になるんじゃないのか!?」


竜神はそう言っていたが、幻真と儚月は首を振った。


「それは無理だ!さっき紅魔館の裏口の方で時龍と崟兒、それにあの龍族の少女が敵を食い止めているのが見えた!その状態で呼んでも敵が紅魔館になだれ込んで行ってしまうだけだ!」


「ちくしょう!ならどうすりゃ良いんだ!?」


最初は運動等と言っていた竜神と幻真も流石に大量の敵をずっと倒していたので体力がそろそろ限界に近付いていた。しかし、今の状況を打破する様な策は何も無い。流石に覚悟を決め始めていると、突然横にいた敵が数十体吹き飛ばされた。


「何だ!?何があった!?」


五人が敵の先程吹き飛ばされた敵がいた場所を見てみると何だか凄い独特な格好の男が立っていた。


「…あーっと、これはまさかだとは思うけど…そちらさんがやったのか?」


「まさかのまさかでこちらさんがやったけど?」


目の前の男はさらっと言っていたが、正直格好と言い雰囲気からとてとじゃないが戦闘慣れしているような様子では無い感じが取れた。


「うーん、とりあえず一般人はさっさとここから立ち去らないと下手をしたら死んじまうぞ?」


「…もしかしてだけど弱そうだなって思ってたりしちゃってる?」


「もしかしなくてもそう思ってしまっているが?」


そう言うと目の前の男は分かりやすい感じでガックリと肩を落とした。しかし、すぐに敵が襲ってきてしまったのでとりあえず茶番は止めて五人は男を守る様な陣形を取ろうとした。しかし…


「俺には守りなんて必要ないって!」


「しかし一般人をここで死なす訳には行かないんですよ!」


「大丈夫だって!こちとら美鈴を倒した事だってあるんだからさ!」


五人は一瞬だけ男が言っていた事に首をかしげた。幻真の幻想郷では美鈴がこの様な男にやられたなんて話は聞いていない。それは竜神達も同じで美鈴はこの様な男にやられてはいない。つまり後に考えられるのは…


「まさか…あんたも他の幻想郷から来た猛者の一人!?」


「他の幻想郷?そう言えばあんた達は俺の所じゃ見た事無いな…」


「皆さん!その話は後でにしませんか!?敵が次々に押し寄せてきますよ!」


「ちっ!話はこれが片付いてから詳しくする!あんたも戦えるなら手伝ってくれ!」


男は二つ返事で了承すると、何故か自分の名前を高らかに言った。






「俺の名前はN・WORLD!幻想郷を知る者にして小説家だ!」






小説家と名乗る者は高らかに戦場をも書くのか…?

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